2021/10/24 ヨシュア記1-6章「エリコの町」こども聖書㉜
エジプトの奴隷だったイスラエル人が、奴隷生活から解放されて、新しい地、カナンの地に向かって旅をしてきました。その旅は40年続きました。最初にエジプトを出て来た人たちは、旅の途中で亡くなっていき、その子どもたちの代になりました。最初の指導者のモーセも亡くなって、新しい指導者、ヨシュアに交代しました。そこで、今日の聖書の本は「ヨシュア記」、ヨシュアの時代の記録という代になっています。神はヨシュアに、イスラエルの民を約束の地に導く役割を、モーセから引き継いで、お与えになりました。そこで、ヨシュアは約束の地に、偵察を二人送り込みました。
彼らが向かったのは、約束の地の一番手前にある「エリコ」の町です。その町は高台にある頑丈な町でした。高さ4m、厚さ2mの城壁が、周囲を囲んでいる要塞でした。
ところが実はこの町の人々も、イスラエルの人たちにビクビクしていました。何しろ、神様が彼らをエジプトから救い出して、途中たくさんの不思議なことをして、ここまで連れて来てくださったのです。エリコの人々は、好き勝手に生きてきましたが、自分たちは神様ではないことは分かっていました。だから、ビクビクしていたのです。そこで、イスラエルから二人のスパイが来ていることを聴いて、彼らを捕まえようとしました。でも、その時、ラハブという女の人が、二人を匿いました。屋上に隠れさせて、暗くなってから、二人を窓から綱で吊り降ろして、城壁の外に脱出させたのです。
最後に、
12(ラハブ)私はあなたがたに誠意を尽くしたのですから、あなたがたもまた、私の父の家に誠意を尽くし、私に確かなしるしを与え、13私の父、母、兄弟、姉妹、また、これに属するものをすべて生かして、私たちのいのちを死から救い出す、と誓ってください。…
14[偵察隊]あなたが私達のことを誰にも告げないなら、主が私たちにこの地を与えてくださるとき、あなたに誠意と真実を尽くそう。…
21…(ラハブ)「おことばどおりにしましょう」
こう約束を交わしたのです。こうして二人のスパイはヨシュアの所に戻って、報告をしました。エリコの町の城壁のこと、ラハブのこと、すべて報告してから、
24「主はあの地をことごとく私たちの手にお与えになりました。確かに、あの地の住民はみな、私たちのゆえに震えおののいています。」
そうです、神は、エリコの町の城壁よりも強いお方です。人間よりも遙かに強いお方です。けれども、神はここで、エリコの町をすぐに崩すことも出来るのに、不思議な遠回りを命じて、イスラエルの民がもう一度、心を決めて神に従うことを求めました。
2主はヨシュアに告げられた。「見よ、わたしはエリコとその王、勇士たちをあなたの手に渡した。3あなたがた戦士はみな町の周りを回れ。町の周囲を一周せよ。六日間そのようにせよ。4七人の祭司たちは七つの雄羊の角笛を手にして、箱の前を進め。七日目には、あなたがたは七回、町の周りを回り、祭司たちは角笛を吹き鳴らせ。5祭司たちが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、あなたがたがその角笛の音を聞いたら、民はみな大声でときの声をあげよ。そうすれば町の城門は崩れ落ちる。民はそれぞれ、まっすぐに攻め上れ。」
イスラエルの民全員で列になって、一日一回、エリコの町を回るのです。何も言わず、黙ったまま、ただ静かに町の周りを回って、そして帰って来るのです。次の日も、同じようにして、黙ったまま町の周りを皆で歩いて、それを六日繰り返すのです。そして、最後の七日目に、七回回ったら、祭司たちが角笛を吹き鳴らします。
彼らは、この不思議な、回り諄い言葉に従いました。口で言うのは簡単ですが、今日から1週間、一日一回だけ黙ったまま歩いて、それだけで過ごすなんて、想像してみてください。どんなにじれったいでしょうね。でも「神様は何でも出来るお方」だからといって、簡単にすべてが進んだら、私たちは神を信じるより、自分が神様かご主人のようになってしまうでしょう。それは、神が願う私達のあり方ではありません。この時も、エリコの町を崩すより、イスラエル人が神を信頼し、神に従う方が大切だったのです。そうして、彼らは毎日、一度だけエリコの町を周り、黙って七日間待ちました。
そして、最後の日、七日目に、七回町を回りました。最後に、祭司たちが角笛を吹き鳴らし、みんなが大声を上げて叫ぶと、城門は崩れてしまいました。そして、そこに攻め入って、エリコの町を攻め取ったのです。
難攻不落と思えて、イスラエルの前に立ちはだかっていた要塞は崩れました。そして、肝心なラハブとの約束も果たされました。
25…遊女ラハブと、その一族と、彼女に連なるすべての者をヨシュアが生かしておいたので、彼女はイスラエルの中に住んで今日に至っている。エリコを偵察させようとしてヨシュアが送った使いたちを、彼女がかくまったからである。
ラハブと家族は、イスラエルの民になりました。そして、ラハブの孫の孫が、ダビデ王になりました。ラハブの血は、ダビデ王に受け継がれたのです。とても不思議な事ですね。更にダビデのずっと後の子孫として、イエス・キリストがお生まれになりました。ですから、ラハブの血は、イエス様の身体にも流れているのです。新約聖書の一ページには、イエス様の系図が書かれていますが、そこにはシッカリ、ラハブの名前も載っています。エリコのラハブもイエス様の家系の大事な一人です。
イエスというお名前は、元々のヘブル語では「イエシュア」です。ヨシュアです。新しい地に導き入れた指導者ヨシュアは、私達に新しい地、約束の御国を継がせてくださるイエスを示しています。
そしてそれは、私達も時間を掛けて神様を信じたり、ラハブのような敵の町の女性も救ったりなさるような、不思議な導き方です。私達が楽をして、天国に入る、というようなものではなく、私達が変えられて、成長させられていく、そういう導き方をなさるお方です。そして、エリコの町をも崩した神は、イエスが葬られた墓をも開いて、よみがえらせたように、私達の心も新しくしてくださるお方です。時間をかけて、私達の心を作りかえ、神を待つこと、神に従うことを教えてくださいます。
「主よ。今も、イエス様が私達を導き、約束に預からせてくださることを感謝します。あなたが本当に神であり、あなたの祝福が確かにあると信じるために、私達は時として大きく遠回りをします。今この時も長い間、待ち続け、じれったいを思いをしています。どうぞ、その中でもあなたを信頼し、忍耐を戴いて、今日の勤めを、心込めてさせてください。あなたの不思議な、長い物語が一日一日進んで行くことを信じさせてください」
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