ここでいうマイヤーは統計力学の古い本で、マイヤー=マイヤーという通称で知られているマリヤ・ゲッペルト=マイヤーのことではなくて、熱力学第一法則の提唱者としてのマイヤーのことである。
このマイヤーを「ドイツ語圏とその文化」第2号で紹介したのだが、これはちょっとした数式が含まれていた。
それで3回目としてここにコピーをしようとしたが、うまくいきそうにないので、コピーはやめることにした。私自身は数式を少し含んでいるエッセイのほうが私が書いたらしくていいと思っているのだが。
力学で知られている力学的エネルギー保存の法則がある。もちろんこのときに熱エネルギーを含めたエネルギー保存則を考えられてはいない。その力学的エネルギーが熱エネルギーを含めて考えられるのではないかと考えた、始めの人が船医だったマイヤーだった。
マイヤーはあまり数学とか物理の知識が十分でなかったために、その論文は論旨がはっきりせず掲載拒否にあったという。しかし、いま言った熱エネルギーを含めたエネルギー保存するという考えは明白だったらしい。力学的仕事と熱エネルギーが互いに変換するという考えはその当時もすでにあったそうだ。
一時は精神を病んで精神病院にまで入院したとまで言われる。しかし、病気が癒えて退院して、その後、彼の論文のプライオリティは認められた。いくつかの賞を受賞したりするが、彼の研究生命はもう終わっていたという。
昨日紹介したレントゲンは研究では成功したが、晩年は第1次世界大戦のインフレで破産したというから、どの科学者も時代の波にもまれて苦労している。
レントゲンはノーベル賞の賞金はヴルツブルグ大学にすべて寄贈したそうだし、X線でパテント(特許)を取りませんかと、どこかの会社から勧められたが、取る気はないと経済的に恬淡としたところは、私たちには容易に見倣えないところだ。
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