物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

鶴見俊輔と思想の科学

2014-07-16 11:31:00 | テレビ番組

NHKの「日本人はなにをめざしてきたか」の第2回は表題の放送が先週の土曜日夜にあった。

元来元気な、鶴見さんもさすがに老齢で病院の入退院を最近はくりかえしているらしい。

それで新しい映像はなかったようだが、思想の科学で見いだされた論客の数人が出演されていた。

映画評論家の佐藤忠男氏、歴史家の山領健治氏、それから野沢さんとか作家の黒川創さんとかである。声なき声の会のメンバーの熊谷順子さんとか他の女性も出てきた。

それともう思想の科学の創刊同人の一人としてまだ健在な武田清子さんとかがおられる。

7人の創刊同人は武田さんと鶴見さんの二人となってしまった。

黒川創さんが言われていた思想の科学の多元主義は武谷三男から来ているというのが、鶴見の発言からわかっている。

創刊同人は丸山真男、渡辺慧、鶴見和子、鶴見俊輔、都留重人、武田清子、武谷三男の7人である。和子、俊輔、武田清子、都留重人はアメリカ留学生であり、渡辺慧はフランス、ドイツへの留学生である。

それで思想の科学の多元主義はそれらのアメリカとヨーロッパの留学生がつくり出したかと思われがちだが、実はそうではなくて外国に行ったことのなかった武谷が主張したことであったと鶴見はいう。

『思想の科学』は50年続いて1995年に終刊になったが、それは生まれて間もなく廃刊になるところだった。それは日本共産党以外の意見を代表する雑誌が一つくらいあってもいいのではないかという武谷の一言であったという。

ここに鶴見は思想科学の多元主義の根幹を見る。マルキストと思われていた、武谷の意外な側面であった。

残念ながら、そいう話はこの放送にはほとんど出てこなかったが、そういうところから「思想の科学」に投稿したり、かかわった人は5000人に及ぶという。


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