昔,大学の同僚にU さんという人がいて、ホログラフィを勉強していた。
彼のセミナーにしばらく参加をしていたときに弾性体の力学に出てくるラメの定数が出て来て,その導出について岩波講座の「現代物理学の基礎」の中の「古典力学」に豊田利幸先生の書かれたところをフォローしたことがあった。
この本がまだ初版でミスプリントがあったりするのを訂正しながら、すこしづつ読んで補充の計算をしてこのセミナーで報告をした。
そのノートはどこかに残っているはずなのでいつか計算の詳細を書き留めておきたいと思っている。因に第2版ではミスプリントは訂正されている。
弾性体の応力とひずみの間に成立する、たくさんある比例定数が弾性体の回転不変性とかいったいろいろな性質でだんだんに独立なものが減少していき、最後にたった2つのラメの定数だけになる。
この事実は知っている人は多いと思うが、それを実際にどうやって求めるかを知っている人はそんなに多くはいないと思う。その限定される過程を詳しく書いた本は豊田先生の書かれたものしか私は知らない。
弾性体力学は学生のときにランダウの教科書で学んだのだが、全くもって分かっていなかった。どうやって単位をもらったのだろう。弾性体力学の理解はいまでもまったくできていないが、30年ほど前に少なくともラメの定数の導出はきちんとフォローした。
もっともこの豊田先生の記述はしっかりしているが、数学的でもっと物理的な記述があるとの話をある先生から聞いたが、その文献には接したことがない。