千川上水の助水を得た井草川は、切通し公園下で三筋の流れとなり、西山田圃を潤しながら東に向かいます。今回からしばらく、その三筋の流れを個別に追いますが、まずは中央を流れる本流です。前々回は切通し公園下でカーブ、ワンブロック先で右折した後、杉並工高に突き当たったところまででしたが、同キャンパスを横切り、正門前に設けられた三谷公園から井草川緑道へと連続します。なお、公園や小学校の名前に残る三谷(さんや)は、「新編武蔵風土記稿」で「青梅道の北の方にあり」とされる一帯の小名で、昭和7年(1832年)に成立した杉並区内の町名として採用されたものです。文字からは三つの谷との地形由来になりそうですが、「新編武蔵風土記稿」や「東京府志料」では三家と表記されていて、開拓当時三軒家だったためと考えられています。(この辺の事情は四谷、四家と同じです。)
- ・ 三谷公園 杉並工高正門前に、道一つ挟んで向かい合う区立公園で、昭和43年(1968年)に開園しました。3000㎡弱の園内には遊具や噴水などが設けられています。
- ・ 三谷公園 その北縁が井草川の流路にあたり、公園内から東に抜ける道路が、そのまま井草川緑道へと連続、妙正寺公園までほぼ途切れることはありません。
- ・ 井草川緑道 三谷公園を離れてすぐの井草川緑道です。左手から合流する道路が、左岸段丘沿いをめぐる分流跡と重なります。
- ・ 井草川緑道 上掲写真から70mほどのところです。今度は右手から合流する道路がありますが、こちらは右岸段丘沿いの水路跡と一致します。