かっつん・あわー ~小さなアトリエにようこそ~

ヨコハマにある小さな絵画教室『あとりえカツヤマ』での生徒さんの作品や制作風景、自身の作品などを紹介しています。

ラスコー展

2016-12-09 03:23:57 | 展覧会
火曜日、銀座に伺う前に立ち寄ったのは 上野。



上野公園は初冬の景。
イチョウの落ち葉を踏みつつ今回私が向かったのは



美術館ではなく 『 国立科学博物館 』 。
(出た所での撮影なので夜景になってしまいました。)

現在こちらでは “ ラスコー展 ” が開催中。



フランスのラスコー地方はスペインの “ アルタミラ ” などと並ぶ新石器時代の
洞窟絵画で有名なところ。
誰でも美術や世界史の教科書の図版で一度は目にした覚えがあるのでは?
今回の展示では、そんな世界遺産の壁面を剥がして持ってくる訳にはいきません。
実物の “ ラスコー 1 ” に真似て作ったレプリカ “ ラスコー 3 ” です。
( “ ラスコー 2 ” は実物の近くに観光用に作られているそうです。)
はじめ 「 レプリカじゃあなぁ ・・・ 」 という思いもありましたが、現在本物の洞窟は
環境維持のために閉鎖中、現地に行けたとしても実物を見ることは出来ないと
あっては 今、行くしかない。



会場はプロローグ的な解説のあと、暗い館内に大きな原寸大のレプリカが4枚、
そしてさらに “ 科学博物館 ” らしい丁寧な解説が続きます。

肝心の壁画ですが ・・・ レプリカと言っても現代の技術はスゴかった。
レーザースキャンなどの様々な技術を駆使して本物そっくりの凹凸を持って
再現された壁面に、さらに照明の変化や見にくい隠れた線刻がブラックライトで
浮かび上がる仕掛けなどもあっておそらく現地よりも作品は見やすいのではない
でしょうか。



もちろん、本物の持つ圧倒的スケール ( 200mにも及ぶ洞窟内に600体と
言われる動物や記号が描かれています。 ) や空気、緊張感までは伝わるべく
もなく、ラスコー絵画のほんの一端をかじった程度に過ぎませんが、それでも
ぬくぬくと暮らす現代人たちには刺激的であり、忘れている “ 何か ” を思い
起こしてくれるような気もします。

また会場には当時の絵具の展示もありましたが、それは現在 “ 日本画 ” を
描く上で私たちが使っているものとほぼ変わらないもの。
2万年前の人類との接点に感動を覚えると共に、
2万年を経て、人類はどれだけ進化したの ・・・ ?
絵画にとって大切なのは何 ? 

色々と考えさせられる展示でありました。

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