敬愛して止まず、我が子達を自分の子供の様に可愛がって下さったKさんの一言に動かされはしたものの・・・。
受験するかどうかは、本人の気持ち次第。
ロサンゼルスの澄んだ青空の下、何の屈託もなく伸び伸びと育ち成長してきたMちゃんは、
小学校6年生になったばかり。
午後3時まではアメリカンスクールに通い、午後の5時から7時まで日本人学校で学ぶ毎日でした。
ですから恐らく、「受験」という言葉すら知らなかったでしょう。
そのMちゃんに、その様な体験ができる事を、どの様に説明すればいいのか、しばらく考え込みました。
そんな時に、ふと私の目に留まったのは、夫が持ち帰った週刊誌の写真。
そこに、合格番号が表示された掲示板の前で、抱き合って喜び合う親子の姿が映っていました、
咄嗟に、この写真で、Mちゃんの動機づけを図ってみようと思った私です。
帰国二年前の想い出写真です。
ロスまで一人で頑張って訪れてくれた母も一緒に。
グランドキャニオンにて
動機づけ。
子育てでは、この言葉をとても私は重要視しました。
大学時代、児童心理学の授業の時、教授が子供には動機づけがとても大切、と言われたからです。
学生の身ながら、その言葉が私の心を強くとらえ・・・。
母親になったら必ず実践しようと、その時、心に誓いました。
長女の受験では、私のちょっとした思い付きで、この動機付けに見事に成功した母親だったのかもしれません。
幼い頃、パパのお仕事に憧れの眼差しを向けているような子供達でしたので・・・。
私は言いました。
「パパのお仕事は、あなた達のお勉強に当たるのよ。
お勉強があなた達のお仕事よ。
だから、パパと同じようにお勉強頑張ってね」と。
この動機付けも上手くいったようでした。
日本人学校から帰宅すると宿題するのが精一杯。
そんな日々でしたが。
成績は、二人共、とても優秀でしたから。
ぼやけていますが、奥に飾ってある小さな家の置物は
恩人のKさんから贈られたものです。
話が逸れてしまいましたので、元に戻します。
合格発表の写真を、早速Mちゃんに見せて、
「日本は今受験シーズンなのよ。
合格したくて一生懸命勉強し、行きたい学校の試験に臨むの。
そして合格すると、この写真の様に親子で抱き合って大喜びするの。
Mちゃん、この写真を見てどう思う。
自分も受験してみたいと思う?」
と私は尋ねました。
するとMちゃんは、真剣な眼差しで、大きく頷き、「受験したい」と応えました。
私の苦肉の策の動機付けが、見事に成功した一瞬でした。
帰国までにまだ2か月くらいありましたから、母に頼んで、「応用自在」或いは「力の5000題」でしたでしょうか。
そんな名前の問題集を送ってもらい、いよいよ受験勉強のスタート」
帰国したのは、6月。
受験するまでに半年少々しかありせん。
本人が受けたいというので、あくまでチャレンジ。
合格は夢のまた夢。
余りに非現実的な事でした。
でもMちゃんの気持ちはその後もぶれることはなく、結構真剣な眼差しでした、
ですから、私もあらゆる協力を惜しまず、Mちゃんと共に頑張ることにしました。
続く
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