東大寺南大門。治承の兵火を逃れ、
古材を用いて正治元年(1199)年に改造再建されたと言う。
仁王像は天下無比の名作。阿形と吽形の配置が通常とは逆で、
東(画像右側)が吽形で密迹(みしゃく)力士、西が阿形で金剛力士とされた。
吽形を運慶の子の湛慶、阿形を運慶の作と言う説明をされていたが、
美術史では吽形を運慶と湛慶、阿形を快慶と常覚の作とするのが通説であった。
平成5年に終了した解体修理で、
吽形から湛慶と常覚、阿形から運慶と快慶の名が見つかった。
門の北側の宋風の石狛犬もすこぶる名作で、中門から移され、
石材は中国寧波(にんぽー)のものとされている。
また柱には永禄10(1567)年、三好、松永の合戦時の刀傷や弾痕がある。
今日の暦:昭和33(1958)年、3003㍍の新笹子トンネル(R20号線)が開通。