月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

まだ夢を見ているような

2019-11-15 | 癌について
夫が「風邪をひく」という失態をおかした。
抗がん剤による骨髄抑制で免疫力がとんでもなく減少している私は、すぐにうつった。
とはいえ、夫の風邪自体は、高熱が出るようなものではなく、いわゆる「鼻風邪」だったので、私も特に熱を出したりしんどくなったりすることはなく、ただひたすら鼻水と闘っているだけで済んだことは幸いだった。

金曜は高濃度ビタミンC点滴を受けた。
点滴前にドクターと今回の抗がん剤の副作用について聞かれたとき、私が「入院中も瞑想をして、サイモントン療法の本にあったように抗がん剤を自分の味方につけるイメージをもった」という話をした。
そして、その効果かどうかはわからないが、副作用がほとんどなかったと言うと、ドクターはとても喜んでくれた。

その後、点滴を受けるために部屋を移動すると、看護師であり瞑想の先生であるNさんが私とドクターの話を聞いていて、「副作用なくてよかったですね」と私に囁いた。
ベッドに寝ながら、「はい。瞑想したのがよかったのかも」と言うと、「それを経験するようになっていた、という気がします」とNさん。「私もそう思うんです」と同意した。
そして、「副作用がなくて本当によかった。うれしい、うれしい」と、心からの言葉で喜んでくれたのを聞いて、なんだかうるっときてしまった。「よかったですね」というのではなく、「うれしい」と自分ごととして言ってくれたことが心にぐっときたのだ。

ベッドに横になり点滴を受けながら、このクリニックに出会えて本当に幸運だったなとしみじみ思った。
点滴がポタポタとリズムよく落ちるのをぼんやりと眺めながら、いろんなことを考えた。
風邪ひとつひかなくて、健康だけがとりえのような自分が、いつからかこうやってたびたび病院に通い、何度も採血と点滴を繰り返している。
失敗も含めて、右腕も左腕も、血管にはいくつも針の跡が残っている。
誰がこんな人生を想像しただろう。
不思議なものだなぁと、現実なのにまだ夢を見ているような気持ちになることもある。
痛くもつらくもない。悲しくもなかったが、時々涙がツーと流れた。
最近、こういう涙がよく出るようになった。

今回はビタミンCを50gまで上げたのと、なかなか落ちなかったのとで、終わるまでかなり時間がかかった。
午後から瞑想のレクチャーを受ける予定だったが、点滴で寝ている間も鼻水が出るので、とても瞑想など静かにできるような状態ではなく、やむなくキャンセル。
少し買い物をしてから帰宅した。

鼻水が出る以外は、とても元気だ。

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