月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

とにかく寒いのです・・・

2019-11-06 | 癌について
だんだん寒くなってきた。

気温のことではない。懐の話だ。
病気をすると治療にお金がかかるうえ、仕事をする時間は減るので、懐事情はどんどん厳しくなってくる。
ぴゅーぴゅーと、冷たい風が吹いている。

もちろん個人事業主ゆえ国民保険に加入しているわけで、医療費は3割負担でいい。
だけどこれまでの社会人生活で支払ってきた膨大な保険料を考えると、これでも高いなぁとは思う。
ただ、今は限度額適用認定があるため、高額な医療費がかかったとしても(保険の適用範囲で)月に支払う限度額は決まっている。
さらに、私は民間のガン保険と入院保険に入っているので、ガンと診断されたら100万円のほか、手術、入院、通院とそれぞれ結構な金額を支払ってもらえる。(月々支払っているのは5000円以下なのでかなりお得?)

入院する時は贅沢だなぁと思いながらも、いつも個室をとっている。
4人部屋なら無料、個室なら一番安くて9000円ほど。
手術ならともかく抗がん剤くらいで個室をとっている人は少ないように思うが、これまでずっと働いてきた自分のお金で支払うのだし、それくらいの贅沢は自分に許してやりたい。
何にしろ、ストレスがないのが一番なのだから。
それに、入院保険のおかげで個室をとってもマイナスにはならない。

とはいえ、水素ガス吸入器、ウィッグ、高濃度ビタミンC点滴、瞑想、ガンの本などは自費だし、毎週神戸まで通う電車代(往復2000円近く)だってバカにならない。
まあ、食事代も増えたが、それは飲み代が減った分だと思えばいいか・・・。

治療と療養で忙しく、仕事も満足にできないので、先日夫が「かおりも俺の扶養家族に入る?」と聞いてきたが、扶養家族になるということは年収を103万円以下に抑えなければならないということだ。(社会保険だけで考えても年収130万円に抑える必要がある)
いやいやいや・・・
さすがに個人事業主としてまだ「フリーライター」を名乗っている以上、年収103万円以下というわけにはいかない。
このままどんどん仕事が減って収入も減って、どうしようもなくなったら、その時にまた考えよう。
フリーライターなど名乗らず、「夫に養ってもらいながら、時々ライティングの仕事をして、自分のお小遣いくらいは稼いでいます」という暮らしも、別に悪くないと思えるかもしれない。
うん、そうだ。そういうのんびりした暮らしだって、私の人生の選択肢にあってもいいはず。
最近はそんなことも思えるようになった。(すごい心境の変化だ)

しかし、さっき「ガン保険が100万円」と書いたが、実はまだこれが振り込まれていない。
振り込むどころか申請すらできていないのが現状。というのは、うちの病院がとにかく診断書を書くのが遅くて、なんと1ヶ月もかかるというのだ。
そんなん10分程度のことやん・・・と思うのだが、窓口の人に言っても「主治医しだいなので私にはわかりません」という返答なので仕方がない。これだから大学病院は・・・。

そのうえ、レギュラーの仕事以外の単発案件を夏の終頃にいくつかやっていたのだが、それが私の役割は終わって納品しているのに、案件自体がFIXしないものばかりで、何十万円もまったく支払われていない。
というわけで、この2ヶ月ほど、お金が出ていくばかりで収入がほとんどないという状況。
そりゃ、懐も寒いわ・・・

そして今!!
このブログを書いているまさに今!!
病院から電話があり、明日から入院なのだが、いつもの個室がいっぱいで取れないとのこと。「ワンランク上の少しお高いお部屋なら1つ確保できるんですが・・・」と。
抗がん剤くらいでそんな上等な部屋に入るのも恥ずかしいし、「じゃあ、大部屋でいいです」と言うと、「婦人科病棟は大部屋もいっぱいで、他の病棟の大部屋になりますけどいいですか?」と。
大部屋は構わないけれど、全く違う病気の人と同室で、看護師さんも変わるし、慣れた病棟からいろいろ勝手が変わってしまうのは嫌なので、悩んだあげく、「じゃあ、そのワンランク上の個室で・・・」とお願いした。

電話を切ってから、がっくり。
え~?!
またお金かかるやん・・・
もう・・・、それなら早く診断書出してよ・・・

そんな金持ちでもないし、たいした治療でもないのに、そんな部屋に泊まるのは分不相応というか・・・なんか恥ずかしい。
一番安い個室でも、私の最大の贅沢のつもりだったのに。

ここで「わーい、この贅沢な部屋を楽しんじゃえ!」と思えないのが、わたし。
なんか偉そうだなぁ・・・、もっとしんどいのに大部屋で耐えている人もいるのに・・・、罰が当たりそう・・・、看護師さんに「この人、抗がん剤くらいでこんな贅沢な部屋に入院するなんて」と思われないかしら・・・などと考え出して憂鬱になってしまう。(こんな性格だからガンになるのだ!)

あーあ・・・私は身の丈に合った入院でいいのに・・・。