月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

充実したゴールデンウィーク 前半

2016-05-09 | 生活
ゴールデンウィークを名残惜しく思いながらも、日常が始まった。
実はまだ気持ちは日常へ戻っていない。もっと遊んでいたい気持ちだ。

4月中は入院、退院、自宅療養で仕事をほとんどしていないまま、GWへと突入。
およそ40日間にわたって仕事を休んでいたことになる。
社会人になってからは当たり前だが、学生時代から考えてもこんなに仕事をしていなかったことなどなかったのではないか。
大学時代の長期休暇もアルバイトばかりしていたし。
そう思うと、本当に「人生の休日」だ。
夫もGWは10連休だったので、とにかく2人でひたすら遊んだ。

29日の結婚記念日は、私が(半分仕事で)整体へ行くことになっていたので、帰りに夫と梅田で待ち合わせてゴハンを食べた。
夫は友人の結婚式二次会に参加することになっていたので、特に記念日らしいことはできなかった。

30日は京都市美術館へモネ展とルノワール展を見に行った。


モネはもともと好きで、特に後期の失明しかけてからの鬼気迫る感じが心に来る。
一方、ルノワールは愛らしい少女や美しい女性たちがいきいきと目を輝かせている姿に癒された。
自分は絵心も絵に関する知識もないが、ただ「絵を見ること」は好きだ。
若い頃、スペインのプラド美術館へ行った時に、「ああ、やっぱり本物を見るということはすごいことなんだな」と思った。
画集やモニターではダメなのだ。
音楽と一緒で、「生(なま)」だからこそ感じられるものが確かにあると思う。
特に感受性の豊かな20代前半にそういうものに触れる経験ができたのはよかった。
あの経験がなければ、今、美術館へ足を運ぼうという気持ちにはならないと思うから。

美術館の後、最近知り合った日本酒関連の人がイベントで1日店長みたいなことをされていたので、そこへお邪魔した。
手術後、初めての日本酒。
そこでは「きき酒セット」を1つだけ頼んで、夫から少し分けてもらった。
飲まずに「きく」だけにしようと思っていたのだが、調子に乗って、その後、普通に居酒屋に入って日本酒を注文した。
たくさんあるメニューの中から選んだのは「安芸虎」。しっかり旨みとキレのあるタイプのお酒だ。
夫は「風の森」を頼んだ。
「ちょっとちょうだい」と風の森のグラスを傾けたら、華やかなフルーティーな香りが鼻腔をついて、なぜか涙がじわっとにじんだ。

清々しい風に乗ってやってきたような香り。
これが米からできているなんて信じられない。
一瞬で、タンクの中の宇宙がよみがえってきて、ああ、本当に日常に帰ってきたんだなぁと、死の淵を覗いてこちらへ帰って来れたんだなぁと、そんな気持ちになって涙が浮かんだ。

夫や友達、仕事仲間と、美味しいお酒を美味しく飲める。
そんなことが幸せで仕方がなかった。

1日は夫と2人でサンドイッチを持って万博公園へ。


色とりどりの花や生命力あふれる若葉をいっぱい目にして、どんどん力がみなぎってくるようだった。




2日は朝からピザを焼いたり、花壇のハーブを植え替えたりと、家で好きなことをやって過ごした。

3日は書家・秀蓮さんの個展へ。
今回は京都の法然院での開催で、美しい新緑としっとりした雰囲気の中で、心洗われるようだった。


彼女の書の「志」にはいつも静かに魂が揺さぶられる。


良寛さんの漢詩も素敵だった。


その足で烏丸へ行き、親しくしているカメラマンMさん(男性・夫とも面識あり)と、その友人カメラマンTさん(女性・初対面)と一緒に飲んだ。
夫と私と入れて4名。
Tさんは同世代でお酒好き。アイラ島でウイスキーの蒸溜所もめぐったことがあるというのを聞き、私も夫も食いついた。
この日は手術後初めて「普通に」飲んだ。
ビール1杯と日本酒2合。
少しも酔うこともなく、完全復活を実感。
楽しかった。

それにしても、なんと充実したゴールデンウィーク!
まだこれで前半が終わったところ。
夫は「さすがに10連休は長いなぁ」と、やや息切れ(笑)