月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

村岡花子さんのこと

2013-06-26 | 
ネットの急上昇人気検索ワードの中に「村岡花子」の文字を見つけ、一体何なんだろうかと不思議に思っていた。
翌日のネットのニュースで、春からの朝ドラが「花子とアン」という村岡花子さんの半生を描いたドラマに決定したということで、取り上げられていたからだと知った。

村岡花子さん。
私が生まれるもっと前に活躍されていた児童文学の翻訳家だ。
モンゴメリ、オルコット、エレナ・ポーターなどの翻訳でよく知られている。

「村岡花子」という名前を目にするだけで、なんだかドキドキして胸が熱くなってしまう、そういう40代女子は少なくないのではないだろうか?
少なくとも私はそうだ。
彼女の名前と同時に、少女の頃に読み続けてきた愛すべき作品が浮かんできて興奮してしまう。

村岡花子さんとの出会いは、中学生だったと思う。
お向かいに住んでいるおばちゃんが家の片づけをした際に出てきた本をたくさん私にくれたのだった。
古い、カバーもない文庫本がほとんどで、その中にモンゴメリの『可愛いエミリー』『パットお嬢さん』、エレナ・ポーター『少女パレアナ』、オルコット『若草物語』などもあった。

とにかく夢中になって読んだ。
中でもモンゴメリは、「もしかしたら、私はモンゴメリの生まれかわりなんじゃ?」とイタイことを考えるくらい、書いていること、世界観、すべてに共感できた。
それ以来、モンゴメリを敬愛し、売っているすべての本を買って何度も何度も繰り返し読んだ。
高校以降は、村岡花子さんの訳ではないし、一般の書店では販売されていなかったけれど、モンゴメリのほかの作品まですべて取り寄せて読んだ。
そして、大学時代には、どうしても死ぬまでに行きたいと、カナダへ。
モンゴメリの故郷、プリンスエドワード島まで飛んで、お墓に手を合わせた。
それくらい好きだった。
好きという言葉では軽い。心から敬愛していた。

モンゴメリを語るときに、村岡花子さんは必ずついてくる。
他の翻訳家が訳したものもいくつか読んだが、やはり何かが違う。
独特の文体ではあるけれど、子供の頃から慣れ親しんだ彼女の訳が一番しっくりくる。

久しぶりにエミリーを読みたくなってきた。この数年読んでいなかった。
ページをめくれば、いつでも心は少女に帰ることができる。
これらの本と、読んでいたあの頃の気持ちは、今でも私の大切な宝もの。

朝ドラで村岡花子さんの半生を見られるのはとても嬉しい。
ただ、演じるのが吉高由里子ってのがなぁ・・・