浜大津駅は、滋賀県の県庁所在都市・大津市の中心部に位置する、京阪電車における大津側のターミナル駅です。
上の地図を見ていただければ一目瞭然ですが、同駅は京津線(御陵~浜大津間7.5km)と石山坂本線(石山寺~坂本間14.1km)が合流する地上駅(橋上駅舎)で、両線は、駅前にある道路の交差点上で接続しています。
この交差点は、4両編成の京津線の電車と、2両編成の石山坂本線の電車が、車と一緒に普通に道路を走る、全国的にも大変珍しい光景が見られる場所なのです。
浜大津駅は大津線(京津線と石山坂本線の総称)系統の拠点になっている駅でもあり、大津線の中では特に私の大好きな駅の一つです。
ちなみに、同駅は「第3回近畿の駅百選」にも選定されています。
▲ 京津線と石山坂本線が分岐する交差点で、この写真は、地下鉄東西線と直通運転している800系電車が浜大津駅から京都方面に向かって走り出すところです。
ご覧のように、京都方面行きの電車は、同駅を出るとすぐに併用軌道(道路上に敷設された線路)の左カーブに入ります。逆に、京都市内から浜大津に向かって走ってくる京津線の電車は、大津市内の併用軌道区間(約600mの)の終わり近くで右カーブして終点の浜大津駅に入ることになります。
▲ 京津線と石山坂本線の分岐地点を歩道橋から撮影しました。石山坂本線の700系電車が、浜大津駅から坂本方面に向かって走り出したショットです。
なお、現在の浜大津駅は1面2線のホームを持つ単純な構造ですが、昭和56年以前は、京津線の浜大津駅と石山坂本線の浜大津駅は分離しており、京都市内から大津方面に向かってくると、京津線の浜大津駅は左カーブして石山坂本線と交差した向こうにありました(頭端式のターミナル駅でした)。そのため、当時両線を直通していた電車(石山直通急行)は、京津線の浜大津駅に着いた後、スイッチバックして石山坂本線の浜大津駅に入り、そこで一度停車してから、石山寺まで行っていたそうです。
現在のように駅の構造が単純化されたことにより、両線の乗り換えは楽になりましたが、両線の直通電車が無くなってしまったのは残念なことです。
現在でも石山坂本線の石山寺側から京津線には直通できる構造になっており、坂本側からも、京津線か石山坂本線にシーサスポイントなどを設置すればスイッチバックによって直通電車を走らせることは可能なので、なかなか難しいとは思いますが、いずれは両線の直通電車を復活して貰いたいです(但し、浜大津駅以外の石山坂本線のホームはいずれも2両分の長さしかないので、4両で走っている京津線の電車が走るためにはホームの延伸が必要になります)。
▲ 京津線と石山坂本線の分岐地点を歩道橋から撮影しました。石山坂本線の電車が併用軌道上で擦れ違うショットです。
この交差点から右にカーブしている線路は、地下鉄東西線に繋がっている京津線の線路です。
▲ 浜大津駅1番線に停車中の、地下鉄東西線・太秦天神川行きの800系電車。
京津線は浜大津駅が終点であり、現在、石山坂本線への直通運転は行われていないため、同駅(終点)に到着した京津線の電車は2番線で乗客を降ろした後、そのまま直進して一旦、上下線の間に設置されている折り返し線に入り、そこで折り返して1番線に入り、京都方面へと向かう乗客を乗せます。
▲ 浜大津駅1番線に停車中の、石山坂本線・坂本行きの600系電車。
浜大津駅は石山坂本線のほぼ中央に位置しており、同線を走る電車は京津線のようにここで折り返し運転は行っておらず、大半の電車が石山坂本線の全区間(石山寺~坂本間)を直通しています。