大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で「2025年国際博覧会」(万博)が開催される事が昨年11月に正式に決定した事を受け、大阪メトロは、大阪市内を走る地下鉄中央線を、現在終点となっているコスモスクエア駅から、万博の会場となる夢洲まで延伸する事を既に決定していますが、先月19日に報道されたニュースによると、近鉄も、この度、夢洲での万博開催決定を受け、夢洲と奈良方面を、特急で直通運転する検討を始めたそうです。
具体的には、近鉄奈良駅を始点とする近鉄奈良線と、夢洲に延伸する計画の地下鉄中央線(コスモスクエア~長田)に乗り入れている近鉄けいはんな線を、直通運転させるという構想です。
但し、「奈良線」と「けいはんな線・中央線」は、いずれも軌間(レール幅)は同一の1,435mmですが、集電方式は異なっているため、現状のままでは直通運転は不可能です。
奈良線(のみならず近鉄の大部分の路線)は、パンタグラフから架線の電気を取り入れる「架空線方式」(直流1500V)ですが、それに対して、けいはんな線は、相互直通運転先の地下鉄中央線に合わせて、地上に敷設されている給電用レールから電気を取り入れる「第三軌条方式」(直流750V)を採用しており、そのため、奈良線・けいはんな線・中央線を直通運転させるためには、架空線方式と第三軌条方式という2つの集電方式に対応した新型車両を開発しなければなりません。
これら2つの集電方式を備えた車両の開発について、近鉄は既に、グループ会社の近畿車輌などと検討を始めているようで、奈良線とけいはんな線のそれぞれのホームがある生駒駅の付近に、両線を連絡する「渡り線」を新設して、奈良線からけいはんな線を経て中央線への乗り入れを可能にすると見られます。
夢洲での万博開催が決定した事により、前述のように大阪メトロはコスモスクエア駅から夢洲まで地下鉄中央線を延伸させる事をほぼ確定しており、それに加え、大阪府と大阪市は、夢洲にカジノなどを備える統合型リゾート施設(IR)も誘致していて、2024年までの開業を目指している事から、近鉄としては、IRが実現すれば永続的な旅客需要を見込めると判断し、直通特急運転の検討を始めたようです。
技術的には、複数の集電方式に対応する鉄道車両は海外では既に実用化されているので、日本でも同様の電車を開発する事は出来そうですが、コスト的に高くなるのは避けられず、通勤用車両では割に合いません。しかし、特急料金を徴収する特急用車両なら、コスト的にも十分実現可能、と近鉄は判断したのかもしれません。
昨年5月23日の記事で詳述したように、近鉄は現在、軌間の異なる大阪線系統と南大阪線系統を直通出来るFGT(フリーゲージトレイン)の開発も進めていますが、少なくとも、そちらのほうに比べると技術的ハードルは低いと言えるでしょう。
奈良線と中央線が繋がれば、単に夢洲と奈良が結ばれるだけでなく、夢洲と、京都・名古屋・伊勢志摩方面も直通する事になり、万博が開かれる夢洲と、近畿各所の人気観光地を、特急に座ったまま移動出来るようになり、利便性は今よりも格段に向上する事になります。
今の時点では、この構想が本当に実現するのかはまだ分かりませんが、前出のFGT特急と合わせ、近鉄の積極的な“攻め”の姿勢が感じられる計画です。
そして、もし、FGTの技術と、複数の集電方式に対応する技術が融合すれば、本当に近鉄全線を走る事が出来る電車も、もしかしたら登場するかもしれませんね。
具体的には、近鉄奈良駅を始点とする近鉄奈良線と、夢洲に延伸する計画の地下鉄中央線(コスモスクエア~長田)に乗り入れている近鉄けいはんな線を、直通運転させるという構想です。
但し、「奈良線」と「けいはんな線・中央線」は、いずれも軌間(レール幅)は同一の1,435mmですが、集電方式は異なっているため、現状のままでは直通運転は不可能です。
奈良線(のみならず近鉄の大部分の路線)は、パンタグラフから架線の電気を取り入れる「架空線方式」(直流1500V)ですが、それに対して、けいはんな線は、相互直通運転先の地下鉄中央線に合わせて、地上に敷設されている給電用レールから電気を取り入れる「第三軌条方式」(直流750V)を採用しており、そのため、奈良線・けいはんな線・中央線を直通運転させるためには、架空線方式と第三軌条方式という2つの集電方式に対応した新型車両を開発しなければなりません。
これら2つの集電方式を備えた車両の開発について、近鉄は既に、グループ会社の近畿車輌などと検討を始めているようで、奈良線とけいはんな線のそれぞれのホームがある生駒駅の付近に、両線を連絡する「渡り線」を新設して、奈良線からけいはんな線を経て中央線への乗り入れを可能にすると見られます。
夢洲での万博開催が決定した事により、前述のように大阪メトロはコスモスクエア駅から夢洲まで地下鉄中央線を延伸させる事をほぼ確定しており、それに加え、大阪府と大阪市は、夢洲にカジノなどを備える統合型リゾート施設(IR)も誘致していて、2024年までの開業を目指している事から、近鉄としては、IRが実現すれば永続的な旅客需要を見込めると判断し、直通特急運転の検討を始めたようです。
技術的には、複数の集電方式に対応する鉄道車両は海外では既に実用化されているので、日本でも同様の電車を開発する事は出来そうですが、コスト的に高くなるのは避けられず、通勤用車両では割に合いません。しかし、特急料金を徴収する特急用車両なら、コスト的にも十分実現可能、と近鉄は判断したのかもしれません。
昨年5月23日の記事で詳述したように、近鉄は現在、軌間の異なる大阪線系統と南大阪線系統を直通出来るFGT(フリーゲージトレイン)の開発も進めていますが、少なくとも、そちらのほうに比べると技術的ハードルは低いと言えるでしょう。
奈良線と中央線が繋がれば、単に夢洲と奈良が結ばれるだけでなく、夢洲と、京都・名古屋・伊勢志摩方面も直通する事になり、万博が開かれる夢洲と、近畿各所の人気観光地を、特急に座ったまま移動出来るようになり、利便性は今よりも格段に向上する事になります。
今の時点では、この構想が本当に実現するのかはまだ分かりませんが、前出のFGT特急と合わせ、近鉄の積極的な“攻め”の姿勢が感じられる計画です。
そして、もし、FGTの技術と、複数の集電方式に対応する技術が融合すれば、本当に近鉄全線を走る事が出来る電車も、もしかしたら登場するかもしれませんね。