北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

神戸高速鉄道

2006年04月30日 | その他の民鉄


私は京都から神戸方面に行くときは大抵JRではなく私鉄を利用していたため(個人的にJRよりも私鉄の方が好きだったので)、神戸高速鉄道の路線を利用する機会というのは度々ありました。
この会社の路線は全線地下路線で、神戸市内を東西に結び(一部の区間だけ南北に走っていますが)、阪急、阪神、山陽電鉄、神戸電鉄の各私鉄の車両が乗り入れています。

実はこの神戸高速鉄道というのはかなり珍しい鉄道会社で、何が珍しいのかというと、路線と駅の施設を保有するだけで、肝心の鉄道列車は一両も保有していないのです。この事情は、会社の誕生の経緯によります。
神戸高速鉄道が開業する以前は、神戸市内を走っていた阪急、阪神、山陽電鉄、神戸電鉄の4私鉄のターミナル駅はみなバラバラに離れた場所にありました。
そのため、市内には4社もの私鉄が路線を敷いて列車を走らせていたにも拘わらず、それぞれの路線が離れていて繋がっていなかったため市内の鉄道の利便性は悪く、かといって、私鉄4社だけで市内の地下を掘って鉄道を建設することは費用面で無理がありました。
そこで、これらの4社と神戸市が出資して第3セクターの鉄道会社を設立し、その新会社に新路線の建設と運営を任せることにしたのです。

こうして昭和33年10月に設立されたのが神戸高速鉄道株式会社で、神戸高速鉄道の所有する路線は、市内西部の山陽電鉄の西代駅と市内東部の阪急の三宮駅を結ぶ5.7kmの路線と、この路線の中間駅である高速神戸駅から阪神の元町駅を結ぶ1.5kmの路線、計7.2kmの東西線と、神戸電鉄の湊川駅から東西線の新開地駅までの400mを結ぶ南北線で、これらの路線はいずれも昭和43年4月に開業しました。
開業時にはまだ運転されていませんでしたが、現在では、阪神の梅田駅と山陽電鉄の姫路駅を、東西線を経て結ぶ直通特急も運転されており、利便性は大幅に向上しています。

このように異なる鉄道会社の路線の接続が実現できたのは、神戸電鉄を除く3社の路線の軌間(レール幅)がいずれも1435mmで、集電方式も架空線方式、車両も19m級と規格が同じであったためです。但し電圧だけは違っていたので、当時600Vであった阪急と阪神は、神戸高速鉄道の開業時に山陽電鉄に合わせて電圧を1500Vに昇圧しています。
しかし、神戸電鉄だけは軌間が1067mmと他の3社とは異なっていたため、神戸電鉄と接続する南北線だけは、神戸電鉄に合わせて1067mmの軌間で作られました。このため南北線と東西線は、新開地駅の構内は同一駅として繋がっているのですが、線路は繋がっていません。

ところで、神戸高速鉄道のような形態の鉄道会社は「第三種鉄道事業者」といいます。
厳密な定義はもっと複雑なのですが、簡単にいうと、鉄道車両と路線を保有している鉄道会社を「第一種鉄道事業者」といい(大部分の鉄道会社はこれに該当します)、鉄道車両のみを保有し路線を保有していない鉄道会社を「第二種鉄道事業者」といい(一部自前の路線を保有してはいるもののJR貨物はこれに該当します)、そして鉄道車両は保有せず路線のみを保有している、神戸高速鉄道のような鉄道会社を「第三種鉄道事業者」というのです。
関西圏では神戸高速鉄道以外にも、大阪市内のJR東西線を保有する関西高速鉄道㈱や、京都市営地下鉄東西線の御陵・三条京阪間の区間を保有する京都高速鉄道㈱、関空のある人工島と対岸を結ぶ関西空港線をJRと南海に貸して運行させている関西空港㈱などが、それぞれ第三種鉄道事業者に当たります。

そしてこの定義に従うと、神戸高速鉄道の場合、同社線に乗り入れる4社の各私鉄は、自社の路線においてはぞれぞれ第一種鉄道事業者なのですが、神戸高速鉄道線に乗り入れる時は、第三種鉄道事業者である神戸高速鉄道に線路使用料を支払い、第二種鉄道事業者として列車を運行している事になるのです。
このため、神戸高速鉄道自身は列車の運行には直接的は関わっておらず、運行は全て4社に任せており、駅の管理も他社との接続駅では接続する私鉄側に任せ、途中駅となる6駅だけに自社の駅員を置くなどし、脇役に徹しています。
なお神戸高速鉄道線内の運賃は、一旦4社の収入としてしまい、各社経費を差し引いた分を線路使用料と業務委託費として神戸高速鉄道に支払うという仕組みになっています。

ちなみに、平成14年4月、神戸高速鉄道は北神急行電鉄から北神線の鉄道施設を譲り受け、この路線における第三種鉄道事業者にもなりました。

梅田となんば

2006年04月25日 | ノンジャンル




私が関西に在住していたとき、当時の生活圏は京都であったため、京都以外の場所に行くことはそれほど多くはなかったのですが、それでもときどき、大阪や神戸などに足を運ぶことはありました。
特に大阪には何度も遊びに行きましたが、大阪市内の私鉄の起点駅(ターミナル)は主に「梅田」と「なんば」の両地区に分かれており、これらの私鉄のターミナルはよく利用していました。

梅田は、JR大阪駅周辺の地域で、俗に「キタ」といわれている地域の中心地です。
JRの大阪駅や北新地駅、阪急や阪神の梅田駅近辺がキタの中心部で、明確な線引きがある訳ではないので微妙なところですが、一応、京阪の淀屋橋駅周辺もキタの範疇に含まれると思います。しかし、新大阪駅の方までは、たぶんキタには入らないと思います。
大阪駅や梅田駅近辺には大きな店が多く、駅の地下には巨大な地下街もあり賑やかですが、しかしキタは、大阪一の歓楽街を抱えるミナミに比べると、商業の中心地というよりはむしろ企業のオフィスなどの多いビジネス街的な要素の強い地域です。
キタは、札幌でいうと(地区の性格としては)札幌駅から大通にかけての区域に当たります。

また梅田は、阪神や阪急の大阪における起点駅でもあるので、神戸方面へ行く際のターミナルとしても機能しています。キタは今も昔も、ミナミとともに大阪における重要な交通の要所なのです。
ちなみに、阪急の梅田駅(上の写真)は私鉄のターミナルとしては最大の規模を誇る駅で、乗降客数も私鉄の駅単独としては日本第2位です(第1位は東急の渋谷駅ですが、東横線と田園都市線のホームが分離しているので、実際には一つの駅とはいえません)。

一方、なんば(難波)は、俗に「ミナミ」といわれている地域の中心地で、大阪では最も「濃い」地域の一つです。
お笑い(吉本)、道頓堀、食い倒れ、戎橋(阪神が優勝したときにファンがよく川に飛び込む橋)、法善寺横丁など、全国の人々が大阪をイメージする代表的・有名なものは、だいたいミナミにあります(ただし大阪城はミナミではありませんが)。かつては、南海ホークスの本拠地 大阪球場もありました。

ミナミとされる地域には、なんば以外にも、心斎橋、千日前、日本橋などが含まれます。今宮戎あたりも一般的にはミナミに含まれるでしょうが、キタ同様、ミナミの区域の定義も人によって違うため(実際にキタやミナミという名の住所がある訳ではないので)、新今宮や新世界(通天閣で有名なところ)までミナミに含まれるかどうかは微妙なところです(新世界はミナミというよりは天王寺地区の方に含まれるのかもしれません)。
ミナミは、もし札幌に当てはめて考えるとすると(その都市における商業の中心地と歓楽街という位置付けにおいて)多分、大通からすすきの一帯にかけての区域がそれに当たるでしょう。

ところで、ミナミの日本橋は、東京の秋葉原に次ぐ日本有数の大規模な電器店街があることでも知られています。日本橋は、パソコン好きなら一日中いても飽きない場所かもしれません。
ただ、最近の日本橋の電器店街は、関東から進出してきた大型の家電量販店に押され気味で、以前に比べると少し元気がないようです。また秋葉原同様、実は日本橋の電器店街も、最近はオタク文化に侵食されつつあります。
ちなみに、東京にも「日本橋」という同じ表記の地名がありますが、東京の日本橋は「にほんばし」と読むのに対し、大阪の日本橋は「にっぽんばし」と読みます。

そして、キタが交通の要所であるのと同様、ミナミも大阪における重要な交通の要所です。
なんばには、近鉄や南海の起点駅(難波駅)があり、南海の難波駅(下の写真)は、和歌山、関西空港、高野山の各方面へ行く際のターミナルとして、また近鉄の難波駅は、奈良や名古屋方面へ行く際のターミナルとして機能しています。
近い将来には、阪神も西九条から路線を延伸して近鉄の難波駅に乗り入れてくるので、そうなると、梅田を経ずに難波駅からも直接神戸へと行けるようになります。
そして阪神が近鉄に乗り入れるようになると、近鉄の名古屋駅から山陽電鉄の姫路駅までが一つの線路として繋がることになり、(実際にそういう列車を走らせる必要があるのかどうかは別にして)この区間に直通特急を走らせることも可能になります。もし名古屋と姫路を結ぶ直通特急が実現すれば、私鉄最長距離を走る列車になるでしょう。
ちなみに、JRの難波駅は、再開発前までは「湊町」という名の駅で、ミナミの繁華街からは微妙にズレています(徒歩圏内ではありますが)。

私は関西在住時、京阪の沿線(八幡市内)に住んでいたため、梅田やなんば方面に行くときは、まず八幡市駅から大阪方面の終点・淀屋橋駅に行き(八幡市駅は距離的には京都と大阪の丁度中間にあり、京都・大阪それぞれの中心部へは急行を使えばともに約30分で着きます)、終点・淀屋橋で地下鉄御堂筋線に乗り換えて、梅田もしくはなんば方面に向かっていました。
なお淀屋橋へ向かう京阪の車両は、先頭車両(大阪方面)に乗っていると、御堂筋線に乗り換える時に歩く距離が少なくてすみ、比較的スムーズに乗り換えられます。とはいっても、御堂筋線は東京の山手線並みに列車がほとんど間隔を置かずに走っている路線なので、乗り遅れたとしても待つことなくすぐにまた乗れますが。

このときに乗る御堂筋線の列車は、梅田に行く場合は「千里中央」方面、なんばに行く場合は「なかもず」方面です。そして梅田に行くときは「梅田」駅で、なんばへ行くときは「なんば」駅で降ります。
ただし、淀屋橋と梅田は一駅分しかないので、歩こうと思えば実は普通に歩ける距離です(実際に私は何度も歩きました)。

京阪ダイヤ改正

2006年04月24日 | 京阪(京阪線系統)


今月16日、京阪は3年ぶりにダイヤ改正を実施しました。
このダイヤ改正は、中之島線建設工事に伴う天満橋駅(大阪市北区)の線路の一部切り替えと、淀駅付近(京都市伏見区)の立体交差化事業が本格化するため、それに合わせて行われるダイヤ改正です。

前回の京阪のダイヤ改正は、私が京都で暮らしていた当時(3年前)に実施されたのですが、当時、ダイヤが改正されたことにより、それまで八幡市駅からよく利用していた急行が昼間はほとんど走らなくなってしまい、そのため私にとってはダイヤ改正によりかえって不便になり、これは“改正”ではなく“改悪”だな、と思ったものです。

全ての利用者の要望に応えることは不可能なので、今回のダイヤの改正についても「便利になった!」と感じる人がいる一方、「不便になった!」と感じている人も必ずいるはずですが、しかし今回のダイヤ改正はあくまでも、3年後の中之島線開業時に再び実施される白紙ダイヤ改正までの、暫定ダイヤ改正なので、私としては3年後の新ダイヤの設定に期待しています。
今回は、利用者の便宜を図るために行われている工事のために実施されるダイヤの改訂なので、それにより多少の不便を強いられるのはやむを得ないことでしょう。

しかし、淀駅付近の立体交差化事業って、確か当初の計画ではもうとっくに完成しているはずですよね。
私が京都で暮らしていた頃から淀駅周辺は工事が行われておりましたが、その進捗は遅く、昨年の秋に京都に行ったときも相変わらずスローペースで工事が行われており、正直言って本当に完成させる気あるのか?と感じましたが(土地買収がうまく進まなかったせいかもしれないですけど)、この工事もやっと本格的に動き出すようです。
先月の発表では、淀の立体交差化事業は平成22年度の完成を目指しているそうで、完成時には、高架化により3つの踏切が廃止され、新しい淀駅は2面4線のホームを持つ高架駅に生まれ変わるそうです。

ちなみに、今回貼付の写真は、今回のダイヤ改正に合わせて今月10日に京阪から発売された「2006 京阪時刻表」(700円)です。
この時刻表の大半は、京阪の主要駅や京阪沿線のアンスリー、京阪百貨店など、関西圏で発売されるため、関西圏以外の場所では入手が難しいのですが、幸いにも札幌市内の旭屋書店の店頭には並べられていましたので、私は札幌で買うことができました。

京都市営地下鉄東西線の延伸

2006年04月23日 | 地下鉄
一昨年(平成16年)の11月26日、京都市営地下鉄東西線の、醍醐駅~六地蔵駅間の延伸区間2.4kmが開業しました。
この区間が開業したのは私が札幌に帰ってきてから8ヶ月程経ってからのことであり、私が京都に住んでいたときはまだ工事中であったため未だに私はこの延伸開業区間を利用したことはないのですが、この路線延伸工事の進捗状況には、京都に住んでいた頃からずっと関心を抱いておりました。
というわけで、今日はこの路線延伸について少しお話しさせていただきます。

京都市は、 平成10年5月に東西線の六地蔵~醍醐間の鉄道事業免許を取得し、翌11年10月からこの区間の延伸工事を始めました。
掘削工事中に石田駅工区で異常出水が発生するなどのアクシデントがあったものの、レール敷設などの軌道工事の際に夜間作業を行うなどして25日間工期を短縮することに成功し、一昨年11月、無事開業しました。
開業区間の新設駅は、中間駅となる「石田」と、新しい終点駅となる「六地蔵」の2駅で、両駅ともホームドアを備えた島式ホームの駅です。

この開通により、六地蔵駅~二条駅間(15.1km)は約30分で結ばれることになり、また、新設駅の六地蔵駅ではJR奈良線や京阪宇治線とも乗継連絡されることになり、今までよりも広域的な鉄道ネットワークが形成され、利用者の利便性が大きく向上されることになりました。

ところで、この開業区間2.4kmのうち、六地蔵駅周辺の0.5kmは宇治市域で、京都市営地下鉄は初めて京都市域を出たことになります。
ちょっとややこしい話なのですが、例えば大阪市営地下鉄・御堂筋線の場合、大阪市域から他市の市域に入っている区間については、実は大阪市交通局は(建前上)その区間の運行や管理には直接関わってはおりません。
御堂筋線の大阪市外区間については、大阪市は阪急などの出資によりわざわざ別会社(北大阪急行電鉄)を設立してその区間の運営に当たらせており、自治体(市の交通局)が運営している鉄道は、原則としてその自治体の市域を出ることができないのです(一部に例外もありますが)。
こういった状況は東京の地下鉄もほぼ同じで、例えば東京メトロの南北線が東京都を出て埼玉県内に入っている区間については、東京メトロとは別会社である埼玉高速鉄道がその運営を担当しています。
しかし一昨年延伸開業した京都の東西線の場合は、京都市から宇治市市域に入っている区間については、同線の他区間同様、京都市交通局が運営を担当することになっており、全国的にみれば、これは少し珍しいケースかもしれないです。

なお、東西線の延伸計画は、六地蔵駅までの延伸で終わりではありません。東西線は今後さらに延伸します。最終的には六地蔵から長岡京までを結ぶ半環状線となる予定なのですが、まずは、二条駅から西に2.4km延伸します(この延伸区間は来年中に開業する予定です)。
この延伸による新設駅は、西大路駅(JRの同名駅とは全然別の場所)と天神川駅の2駅で、終点駅となる天神川駅の北西約200mには嵐電(京福電鉄嵐山線)の蚕ノ社駅があるため、市では既に早くから、京福と接続協議に入っていました。
蚕ノ社駅の移設または接続地点への新駅設置が検討されているようですが、一部で期待されている嵐電への乗り入れについては、現時点ではまだ考慮されていないようです。

もし嵐電への乗り入れが実現すれば、六地蔵駅、もしくは京阪の京津線終点である浜大津駅から、嵐電の嵐山駅までの直通運転が可能となり、さらに利便性は大きく向上することになります。
そして、その直通列車が京津線の浜大津駅まで乗り入れるようになれば、浜大津駅は石山坂本線との共用駅でもあるので、(これは夢物語に近い範疇の話になりますが)将来的にはさらに石山坂本線の坂本駅や石山寺駅まで、嵐山駅からの直通電車が走るようになるかもしれません。

ちなみに、1989年5月の運輸政策審議会答申では、二条~西大路を「2005年までに整備するのが適当な路線」、西大路~洛西を「2005年までに整備に着手することが適当な路線」、さらに洛西~長岡京を「今後整備について検討すべき路線」としています。
京都の地下鉄ネットワークは、今後さらに拡大することになりそうです。(でも京都の地下鉄は、実は大赤字なんですけどね。)

ところで、私の暮らす札幌にも地下鉄が3路線走っておりますが、札幌の地下鉄は今のところ路線の延伸計画はありません。
東豊線が着工される前の計画では、東豊線は福住まで開通後、福住からさらに東方面(北野)に延伸される予定だったはずなのですが、今のところは全く動きなしです。
南北線も、真駒内から藤野方面、麻生から屯田方面へ延伸させようとする声が地元の一部からは聞こえてはいるものの、これも具体的には全く動きなしです。

南海ラピート

2006年04月19日 | 南海




札幌から関西へ向かう際、一度はトワイライトエクスプレスに乗って豪華な旅気分を満喫したいなと思っているのですが、時間や費用の観点から、札幌から関西に向かうときは、結局いつも飛行機を利用しています。

札幌(新千歳空港)から飛行機で関西へ向かうと、当然その行き先は、関空、伊丹、神戸の3つのいずれかの空港になります。
そのため、神戸空港に関してはまだ開港して間もないので一度も利用したことはないですが、関空や伊丹は、今までに何度も利用しました。

私は、伊丹に着いたときは大阪モノレール、関空に着いたときはJRか南海を利用していますが、これらの空港アクセス列車のなかでは、未だに南海のラピートにだけは乗ったことがありません。
関空から難波まで南海を利用したことは何度かありましたが、そのときはいずれも急行に乗っており、結局ラピートにはまだ乗っていないのです。

しかし、私としてはそれだけに、今度こそ何としてもラピートに乗りたい!と思っています。
南海は、関空への輸送ではJRの関空アクセス特急「はるか」にかなり押されていますが、私は「はるか」よりもラピートの方が好きです。
その理由は単に個人的な趣向で、あの鉄仮面のような先頭部の斬新なデザインと、高級感溢れる雰囲気に結構惚れています。「はるか」なんかよりもずっとカッコイイじゃないですか!

次回関空行きの飛行機に乗ったときは、今度こそラピートに乗ります。ちなみにこの写真は、南海の関西空港駅で撮影したものです。乗ったことはないですが、ラピートは好きなので写真は何枚も撮っています。

京阪鴨東線

2006年04月14日 | 京阪(京阪線系統)


関西在住時、私はほぼ毎日京阪の丸太町駅を利用していましたが、この丸太町駅が京阪本線の駅なのか、鴨東線(おうとうせん)の駅なのかは、地元の人でも結構知らない人が多かったようです(というか、鴨東線という名称自体を知らない人が多いようです)。
実際、印刷物によっては、丸太町駅は本線の駅と書かれていたり鴨東線の駅と書かれたりしていました。

では、丸太町駅は一体どちらの路線の駅なのかというと、正確には鴨東線の駅です。鴨東線は、三条駅と出町柳駅間の路線を指すので、その中間駅である丸太町駅は、当然鴨東線の駅ということになります。
京阪本線とは淀屋橋~三条間の49.3km、鴨東線とは三条~出町柳間2.3kmの路線のことをいい、両路線は正式な線区分けでは厳然と分けられています。
ただ、一般利用者の大半は、両線を合わせた淀屋橋~出町柳間51.6kmを「本線」として認識しており、京阪でも、一般の利用者に対しては本線と鴨東線が別路線であることはあえて積極的にはアナウンスしておりません。

実際、駅構内や車内に掲示されている路線図では、本線と鴨東線の路線は同じライン・色で記されておりますし、また、本線を走る列車の大半はそのまま鴨東線の出町柳まで乗り入れており、鴨東線のみを走る列車というものほとんど存在しないため(厳密にいえば始電の1本のみ存在します)、鴨東線はひとつの独立した路線としての印象は実に薄いです。
今回はこの、京阪の大動脈として機能していながら独立した路線としては全く存在感のない鴨東線について、詳しく述べさせていただきます。

京阪本線の京都側の終点は今も昔も三条ですが(ただし明治43年の本線開業当初は五条でした)、平成元年10月、その三条から出町柳まで路線が延伸されました。このとき開業した三条駅~出町柳駅間2.3kmの路線が鴨東線です。
鴨東線の駅は、三条、丸太町、出町柳の3駅で、路線は全線地下で、複線です。本線との直通運転を前提に造られた路線なので、軌間は当然本線と同じ1435mmの標準軌(新幹線とも同じです)で、架線の電圧も本線と同じ直流1500Vです。

鴨東線起点の三条駅は、島式ホームが2つ設置され4番線まである、京阪の京都におけるターミナル駅ですが、丸太町と出町柳の両駅は、ともに島式ホーム1つのみを持つ、2番線までしかない小規模な駅です。

鴨東線唯一の中間駅である丸太町駅は特急の通過駅なので、特急はすべて通過していきます。このときの特急の通過速度は55kmです。
丸太町駅は、駅の構造上85kmまでの速度で列車の通過が可能なのですが、本線の五条駅がホームのふくらみの関係から55kmでしか通過できないため、丸太町駅でも同一の速度で通過するようにしているのです。

鴨東線終点の出町柳駅は、島式ホーム1本のみという、終点のターミナル駅としては少々寂しい駅です。というよりも、京阪本線の実質的な終点駅としては明らかに能力不足でしょう。
実際、出町柳駅は島式ホーム1本のみのため多数の電車が発着する時間帯は電車がホームに入りきれなくなる事態も発生しており、その際は駅構内の三条寄りに設置されている留置線にいったん電車を留置しているようです。
なお、鴨東線の出町柳駅は地下駅ですが、地下通路で、地上にある叡山電鉄の出町柳駅と連絡しており、鞍馬や八瀬方面に行くときはこの地下通路を歩いて、叡電の電車に乗り換えます。
鴨東線の着工当初は、鴨東線と叡電を直通運転する計画があり、鴨東線の出町柳駅のホームの端が曲がっているのは、この直通運転に備えていたためのようです。
ちなみに、今回貼付の写真は出町柳駅のホームで撮った写真です。

鴨東線は、もともとは京都電燈(叡山電鉄の前身である京福電鉄の、さらに前身)の免許線で、大正時代から計画されていた路線でしたが、経済的な事情などからなかなか着工されず、昭和47年になってようやく、京阪が主体となって設立した鴨川電気鉄道が着工し、そして平成元年、京阪が鴨川電気鉄道を合併し、同年10月に京阪の路線として開業しました。
そういった歴史的な経緯から、京阪では、本線と鴨東線は実質的には一つの路線として機能しているにも関わらず、あえて本線と鴨東線は別路線として区分しているのですが、しかし京阪が頑なに別路線とするのは、同一路線ではないとすることで普通運賃に60円を追加するため、ともいわれています。

男山ケーブル

2006年04月10日 | 特殊軌道


京都に住んでいた頃、私は男山ケーブル(京阪鋼索線)を頻繁に利用していました。
男山山上駅のすぐ近くには、全国の三大八幡の一社とされる石清水八幡宮が鎮座しておりますが、私は別に八幡宮参拝や観光のためにケーブルカーを利用していたわけではなく、当時は男山の山上に住んでいたため、“生活の足”としてよく利用していたのです。

男山ケーブルは、男山山上駅~八幡市駅の400mの短い路線で、高低差も僅か82mと全国のケーブルのなかでは最も低く、所要時間も僅か3分程です。そのためケーブルを使わずとも、表参道を使えば徒歩約15分、裏参道を使えば徒歩約10分程で下山することもできます。

しかし、ケーブルカーの路線自体は短いものの、その沿線の地形は起伏に富んでおり、路線上にはトンネルや鉄橋もあります。
ケーブルカーの鉄橋としては日本一の高さを誇る男山橋梁(高さ43m、全長111m)からの眺めは特に素晴らしく、八幡市北部から京都市方面にかけての眺望が広がります。

ケーブルカーの車内は大抵空いており、七五三や正月の時期、あるいは団体での参拝があるときなどは混雑しますが、それ以外の時期で座席に座れないというようなことはまずほとんどありません。人事ながら、よく路線を維持できるなと本気で心配になるほど、利用者は少ないです。自分一人しか乗っていない、ということもよくありました。
正月の初詣の時期だけはとても混雑するので(乗車するまで1時間も待つことがあるそうです)、恐らく正月で元を取っているのでしょう(いや、本当に取れているのかどうかは心配です)。

ブログ開設

2006年04月02日 | ノンジャンル
私は現在北海道の札幌に住んでいますが、かつて2年間だけ、京都に住んでいたことがありました。
その2年間の京都滞在中、近隣の鉄道を利用する機会が多かったので(特に京阪本線と男山ケーブルはほぼ毎日利用していました)、そのときの経験や当時個人的に調べたことなどを中心に、関西圏の鉄道事情について記していきたいと思い、このブログを開設しました。

昔から鉄道は好きでしたが、好きなだけであまり知識はないので、いい加減なことを言っている様だったら容赦なくツッこんで下さい!