関西圏の話題ではなくて恐縮ですが、今日の記事は、前々回の記事「
ついに関西にもリニアが走る! ただし二十数年後…」の補足です。
JR東海は、リニア開発本部などを、昨年6月に設置した「東海道新幹線21世紀対策本部」に移管し、将来のリニア強化策を検討してきましたが、昨年9月には、山梨リニア実験線を現在の18.4kmから42.8kmに延伸し、工事などの費用3,550億円全額を自社で負担すると発表しました。
これは、前々回の記事でも少し触れましたが、JR東海は、リニア中央新幹線はJR3社による分割もしくは共同による運営ではなく、何としても自社単独で維持・運営していきたいと考えているためで、JR東海では平成37年に開業を目指している東京~名古屋間のリニア中央新幹線については用地買収を含む建設費を4兆~6兆円と試算し、同社の投資余力を勘案すると自力での建設は可能と判断しています。
1km当たりの建設費は都心部の大深度地下で300億~400億円、山岳地帯のトンネルで80億円、平均で150億~200億円と試算し、東京~名古屋間を最短で結ぶ280kmを前提とすると、総額で4兆~6兆円という計算になるそうです。
とりあえず、実験線の延伸を全額自社負担すると決めたことは、JR東海もいよいよ本気モードになってきたということでしょう。整備新幹線みたいにいつまでも中途半端で延期のまま終わらせず、リニア中央新幹線、何としても実現して貰いたいですね!
ところで、一昨日(11/04)の北海道新聞の記事によると、北海道新幹線の未着工区間である函館~札幌間については、北陸新幹線の金沢~敦賀間と同時着工する見通しとなったようです。
冬柴鉄三国土交通相が、札幌市内のホテルで記者団の質問に応じ、札幌延伸については「やることは誰も否定しないが、財源の問題が大事だ」と述べ、北海道新幹線と北陸新幹線それぞれの延伸について「一緒じゃないと無理だ」と述べ、国交相として初めて両区間を同時着工させる考えを明らかにしたのです。
両区間の着工時期をめぐっては、北海道と北陸三県が以前より激しい要請合戦を展開しており、そのため与党内には「同時着工が妥当」との見方が広がっていましたが、今回の国交相の発言により、その見方が政府の方針として公式に示された事になります。
ところで、新幹線が東京から北海道に乗り入れるには、まずは東北新幹線の全線開業がその大前提となりますが、東北新幹線の八戸~新青森間は平成22年度末に開業する予定です。
そして、今日(11/06)の産経新聞の記事によると、JR東日本は、同区間の開業に伴い、フランス国鉄のTGVと並び世界最速となる営業最高時速320キロの「新型はやて」を同線に投入し、最高時速300キロでの運転により東京~新青森間を3時間10分で結ぶと発表しました。
更に、24年度からは最高時速320キロの運転を開始し、3時間5分で東京~新青森間を結ぶとしています。
ちなみに、現在、東京から青森までは、八戸駅での新幹線から特急への乗り換え時間を含めて最短でも3時間59分かかります。