北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

上野界隈を散策してきました

2015年06月03日 | 旅行記
前回の記事で述べたように、私は先週、2泊3日の日程で東京へ行ってきたのですが、3日目の午前中は、浅草から上野にかけての界隈、特に上野駅の周辺を、ブラブラと散策してきました。

上野駅周辺の鉄道関連施設でまず私が最初に見学してきたのは、地下鉄銀座線の踏切です。
この踏切は、本線から上野検車区(銀座線の車両基地)へと通じる引き込み線上にあるため、乗客を乗せた状態の列車が走ることは無い踏切ですが、実はここが、全国で唯一の地下鉄の踏切です。
ちなみに、踏切の奥に見える高架は、昭和通りの首都道路です。



銀座線は、一般の地下鉄のように車両直上に張られた架線から集電する地下鉄ではなく、第三軌条という、地表に直接敷設された専用の給電レールから高圧電流を集電して走る地下鉄であるため、この踏切は特殊で、遮断機が上がっている間は踏切両側の線路にゲートが降りて踏切上を通行する人が絶対に線路内に立ち入ることができないようになっています。
なお、踏切北側の線路は、ビルの1階を貫いて検車区へと通じており、線路を遮断するゲートの存在だけではなく、ビルを貫いているというこの点も、珍しい構造だと思います。







人や車などが直接往来する踏切上はデッドセクションになっており、第三軌条はありませんが、閉まっているゲートから1m数十㎝先の地表には通電中の第三軌条が設置されているので、万一ゲートの内側に侵入などすると、当然、感電することも有り得ます。
以下の写真2枚は、いずれもゲートから撮影した、ゲートの先ですが、線路の脇にはっきりと第三軌条が確認できます。





なお、上野検車区は地上部と地下部に分かれており、この踏切を渡って入線する地上部には6両編成7本が、もう一方の地下部には6両編成13本が、それぞれ留置可能となっています。

ところで、日本の地下鉄における軌道遮断式踏切はここだけで、軌道側の遮断が自動であるのも、日本の鉄道ではここのみですが、手動式の軌道遮断式踏切は、ここ以外にも、運転本数が少ない引き込み線や専用線などにいくつか存在しています。
平成21年3月5日の記事にアップしている、阪神の武庫川駅構内の踏切の写真は、手動式の軌道遮断式踏切です。



銀座線の踏切を見学した後は、上野駅入谷口前には岩倉高校の前を通りました。
岩倉高校には、普通科(特別進学コース、総合進学コース、スポーツコース)と運輸科(鉄道の旅行営業・技術についての専門教科を中心的に学習する)が開設されており、鉄道の専門教育を行う高等学校は、全国でも、この岩倉高校と、池袋にある昭和鉄道高校の2校のみです。

ちなみに、日本で鉄道について学べる学校は、高等学校が2校、短期大学が1校、専門学校が19校で、これらを総称して鉄道学校というのですが、現実には、単に鉄道学校という場合、岩倉高校と昭和鉄道高校の2校を指すことが多いようです。









そして、岩倉高校の前を通って、私は上野駅へとやってきました。上野駅から東海道線の列車に乗って川崎へ向かうためです。今年の3月14日に上野東京ラインが開業したことにより、上野からも東海道線の列車に乗れるようになり、利便性が向上しました。



上野からは熱海行きの列車に乗ったのですが、折角上野駅に来たのでその前に、同駅の13番ホームにも行ってきました。
上野駅13番ホームは、同駅の大多数のホームとは異なる頭端式で、北斗星やカシオペアなどの長距離寝台特急などが発着する、「長距離列車の東京における北の玄関口」とでも言うべき旅情溢れるホームです。

私が見に行った時は、札幌と上野を結ぶ豪華寝台特急の「カシオペア」が停車しておりました。客車の行先表示は「上野」になっており、そもそもこの時間帯(午前9時台)ですから、少し前に上野に到着したばかりのようでしたが、このすぐ後、カシオペアは推進運転で上野を発車していきました。尾久車両センターへ回送されていったのでしょうね。









ちなみに、この時私が上野駅で見かけた寝台列車はカシオペアだけでしたが、上野界隈を散策する前日、高崎線の電車で尾久車両センターの前を通過した際に、尾久で北斗星の専用編成も見かけました。その時見た北斗星の各客車の行先表示は「札幌」になっていました。