北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

京都鉄道博物館の民鉄紹介コーナー

2016年08月02日 | 博物館・記念館等
今回の記事は、先月23日の記事翌24日の記事でアップした、京都鉄道博物館についての補足です。

9年近く前に、当時オープンして間もなかった、さいたま市にある「鉄道博物館」を見学した際に私が思ったのは、「確かにここは鉄道の博物館としてはかなり立派で充実はしているけれど、JR東日本が運営しているだけあって、鉄道の総合博物館というよりは、あくまでも、国鉄とJRについての鉄道博物館だな」という事でした。
展示されている車両や資料等は、いずれもJR、もしくはその前身である国鉄に関するものばかりで、民鉄に関するものはほぼ皆無だったからです。今はどうなのか知りませんが。

しかし、その点、JR西日本が運営する京都鉄道博物館は、ちょっと違っていました。
民鉄に関する資料の数は、実に微々たるものではありましたが、それでもちゃんと、民鉄、すなわち関西の大手私鉄5社を紹介するコーナーが館内に設けられていたのです。
正確には、関西の5大私鉄(近鉄、阪急、阪神、南海、京阪)とJR西日本の6社がそのコーナーで紹介されていましたが、兎も角その姿勢は、私としては高く評価したいです。













これらの写真には写っておりませんが、各社の代表的な鉄道車両の模型も、併せて展示されていました。

京都鉄道博物館に行ってきました(後編)

2016年07月24日 | 博物館・記念館等
今日の記事は、「前編」としてアップした、昨日の記事の続編です。
昨日の記事に引き続き、京都鉄道博物館で私が見学・撮影してきた車両や光景等を紹介致します。


以下の写真7枚は、いずれも、私が本館内(但し昨日の記事で紹介した、本館メインスペースと本館内引込線は除く)で見学・撮影してきた車両の一部です。
昭和の鉄道シーンを彩ってきた沢山の名車達が一同に展示されており(一部、明治・大正期の車両もありましたが)、とても見応えがありました!
















以下の写真2枚は、本館屋上から眺めた京都の景色です。
1枚目の写真には、東寺の五重塔と東海道新幹線が、2枚目の写真には京都タワーがそれぞれ写っております。






以下の写真は、本館から扇形蒸気機関車庫への連絡通路上から見てきた、SL検修庫です。
ここは、京都鉄道博物館の開館に当たり新設された、蒸気機関車の解体検査や修理に特化した専用検修庫で、蒸気機関車を吊り上げる事が出来るクレーンが設置されており、また、修理風景が見学出来るよう、施設の一部がこのようにガラス張りになっています。



ちなみに、この時はD51形蒸気機関車200号機が全般検査(全ての装置や部品などを分解した上での検査)を受けていました。同機は本線走行への復帰が決まっているため、この検査と併せて、本線走行に必要な保安装置や運転記録装置などの取り付け作業も同時に行われているそうです。


以下の写真5枚は、いずれも、私が扇形蒸気機関車庫やその周辺で見学・撮影してきた車両の一部です。梅小路蒸気機関車館だった当時は、ここが本館といえるメイン施設でした。












以下の写真2枚は、扇形蒸気機関車庫で保存・展示されている、私が特に大好きな7100形蒸気機関車「義経号」です。
7100形は、明治期の北海道(幌内鉄道など)を疾走し北海道の開拓にも貢献したアメリカ製の機関車で、車体前面に張り出したカウキャッチャー(排障器)や、筒の一部が大きくふくらんだダイヤモンドスタックの煙突など、日本の他の蒸気機関車にはない際だった特徴的な外観を持っています。





なお、この7100形蒸気機関車(義経号のみならず、弁慶号やしづか号も含む)については、以下の各記事でも紹介させて頂きました。
http://sky.ap.teacup.com/kansai/229.html
http://sky.ap.teacup.com/kansai/250.html
http://sky.ap.teacup.com/kansai/340.html


というわけで、限られた時間ながらも、京都鉄道博物館を一通り見学してまいりました。個人的には、是非また改めて、ゆっくりと来てみたいです。
ちなみに、私は今まで、札幌市にある「北海道鉄道技術館」、さいたま市にある「鉄道博物館」、名古屋市にある「リニア・鉄道館」、北九州市にある「九州鉄道記念館」をそれぞれ見学しているので、これで、JR旅客グループ6社のうち、一応、JR四国の「四国鉄道文化館」を除く各社の鉄道博物館を見学し終えた事になります♪

京都鉄道博物館に行ってきました(前編)

2016年07月23日 | 博物館・記念館等
前回の日記で述べたように、私は今月中旬、2泊3日の日程で関西に行ってきたのですが、2日目の午前中は、前々からずっと行ってみたいと思っていた「京都鉄道博物館」へ行き、同館を初めて見学してきました。



この博物館の概要等については、今から4年近く前にアップした平成24年12月22日の記事で解説しておりますので、その詳細は割愛しますが、改めてざっくり言うと、京都鉄道博物館とは、元々京都の梅小路にあった「梅小路蒸気機関車館」に、大阪にあった「交通科学博物館」(平成26年に閉館)の機能を統合・再編させ、それに合わせて展示品も大幅に追加して今年の4月29日にオープンした、鉄道の総合博物館です。
事実上、梅小路蒸気機関車館を大幅に拡張・リニューアルした施設といえ、JR西日本が運営しております。

京都鉄道博物館には、その前身ともいえる梅小路蒸気機関車館に収蔵・展示されていた20両の蒸気機関車を含む、合計53両の車両が収蔵・展示しており、それらの展示車両の中には、営業列車として初めて東海道新幹線を走った0系新幹線電車の第1号車や、時速300kmでの営業運転を実現しギネスブックにも掲載された500系新幹線電車、戦後の特急列車を牽引した国鉄最大のC62形蒸気機関車など、歴史的な価値を持つ車両が多数含まれております。
ちなみに、京都鉄道博物館の展示面積は約31,000平方メートルあり、現時点では、さいたま市大宮区にあるJR東日本の「鉄道博物館」(但し来年に拡張される予定)や、名古屋市港区にあるJR東海の「リニア・鉄道館」を、面積・展示車両数共に上回っており、日本最大の鉄道博物館といえます。


以下は、京都鉄道博物館で収蔵・展示されている車両の一部を、構内の各エリア毎に大雑把にまとめたものです。
但し、ここに掲載したのはあくまでも代表的な車両のみで、全車両(53両)を掲載しているわけではないので御了承下さい。

≪プロムナード≫
●C62形蒸気機関車26号機
●DD54形ディーゼル機関車33号機
●22形制御電動車1号車
(0系新幹線電車の4両編成、鉄道記念物、未来技術遺産)
●クハ103形制御車1号車(103系通勤形電車の先頭車)
●マロネフ59形2等A・B寝台緩急車1号車
●ナシ20形食堂車24号車


≪トワイライトプラザ≫
●EF58形電気機関車150号機
●EF65形電気機関車1号機
●EF81形電気機関車103号機
(トワイライトエクスプレス牽引専用塗装)
●オロネ24形A寝台車4号車
●スロネフ25形A寝台緩急車501号車
●スシ24形食堂車1号車


≪本 館≫
●230形蒸気機関車233号機(現存する最古の国産蒸気機関車、鉄道記念物、国の重要文化財)
●1800形蒸気機関車1801号機(英国キットソン社製、鉄道記念物)
●122形制御電動車5003号車(100系新幹線電車の東京方先頭車)
●521形制御電動車1号車(500系新幹線電車W1編成の博多方先頭車)
●クハネ581形制御寝台車35号車(583系特急形寝台電車の先頭車、ヘッドマークは「月光」)
●クハ489形制御車1号車(489系特急形電車の先頭車)
●EF52形電気機関車1号機(鉄道記念物)
●EF66形電気機関車35号機
●DD51形ディーゼル機関車756号機
●キハ81形制御気動車3号車
(キハ80系ボンネット型特急先頭車、ヘッドマークは「くろしお」)
●ヨ5000形車掌車5008号車(テールマークは「たから」)

≪扇形蒸気機関車庫≫
●8620形蒸気機関車8630号機(構内運転用動態保存機)
●C62形蒸気機関車2号機(構内運転用動態保存機)
●C61形蒸気機関車2号機(構内運転用動態保存機)
●D51形蒸気機関車200号機(構内運転用動態保存機、本線運転復活予定有り)
●C57形蒸気機関車1号機(本線運転可能動態保存機、冬期以外は下関総合車両所新山口支所に常駐)
●7100形蒸気機関車7105号機(義経号、構内運転用動態保存機)
●C62形蒸気機関車1号機
●D51形蒸気機関車1号機
●C58形蒸気機関車1号機
●C59形蒸気機関車164号機



今回は時間の都合上、残念ながらやや駆け足での見学とはなりましたが、一応、館内各所を一通り見学する事が出来ました。
展示品の全てを入念に見学出来たわけではありませんでしたが、私としては、とりえあえずは満足です!

以下の写真3枚は、京都鉄道博物館に入場した私が、まず、同館を構成するエリアのひとつであるプロムナードで見学・撮影してきた車両の一部です。入場者がまず最初に見る光景がこれです。








以下の写真2枚は、私がトワイライトプラザで見学・撮影してきた車両の一部です。
御覧のように、今年の3月まで札幌~大阪間を走っていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」に使用された車両の一部が展示されております。






以下の写真は、博物館の構内路線と、JRの営業路線とを直接結んでいる連絡線(引込線)です。
この引込線を介して館内の展示車両を入れ替える事が出来るのも、京都鉄道博物館の大きな特徴のひとつで、現役で運行している車両も臨時(期間限定)で館内に展示出来るようになっています。




以下の写真3枚は、本館1階の、メインスペースの様子です。
メディアなどで京都鉄道博物館が紹介される時は、大抵ここで撮影した写真がよく使われており、同館の“象徴”ともいえる空間・車両です。








以下の写真2枚は、私が本館1階の引込線で見学・撮影してきた車両の一部です。
1枚目の写真に写っている電源車(トワイライトエクスプレス仕様のカニ24形電源車12号車)はここで静態保存されているもので、恐らく当分の間ここから動く事は無い思われますが、2枚目の写真に写っている軌道モーターカー(保線作業用の車両)は、昨年末に製造されたばかりの現役の新型車で、数日間の期間限定でここで公開されていました。






後編に続く)

横浜の原鉄道模型博物館に展示されている、関西私鉄の鉄道模型

2016年01月29日 | 博物館・記念館等
あとちょっとで2月になるので、かなり遅くなってしまいましたが、今日の記事は、このブログにとって平成二十八丙申年、一回目の記事となります。
プライベートな報告で恐縮ですが、先月私の祖母が亡くなったばかり(老衰のため102歳で亡くなりました)であり、そのため、毎年恒例の新年祝賀の御挨拶は遠慮させて頂きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本年も、どうか宜しくお願い致します!

さて、昨年5月30日の記事や、その翌月3日の記事で述べたように、私は昨年の5月下旬、関東(東京・川崎・横浜方面)を旅行してきたのですが、今回の記事では、その時の旅行で立ち寄った、横浜市内にある「原鉄道模型博物館」で見学・撮影してきた、関西私鉄車両の模型を紹介させて頂きます。

原鉄道模型博物館には、世界的に著名な鉄道模型製作・収集家の原信太郎氏が、自ら製作したり世界各地から取り寄せるなどした、膨大な鉄道模型コレクションが展示されているのですが、関西圏私鉄の歴史的な名車両も意外と多く、個人的にはかなり楽しめました♪



▲ 京阪電気鉄道 60形「びわこ号」


▲ 阪神電気鉄道311形


▲ 大阪市交通局3001形


▲ 大阪鉄道デイ形2


▲ 阪神電気鉄道851形


▲ 阪神電気鉄道71形 & 神戸市交通局700形


▲ 京阪電気鉄道1550形 & 参宮急行電鉄デ2200形など


▲ 新京阪鉄道P-6形 & 阪神急行電鉄900形


ちなみに、今回の記事では取り上げませんでしたが、原鉄道模型博物館の目玉でもある、1番ゲージの室内レイアウトとしては世界最大級の面積を誇る「いちばんテツモパークジオラマ」は、圧巻でした!

樟葉に開設された京阪電車のミュージアムゾーンを見学してきました

2014年08月12日 | 博物館・記念館等
先月中旬、2泊3日の日程で関西(京都・大阪・和歌山方面)を旅行した際、私は2日目のお昼過ぎ頃に、京都の鹿苑寺(金閣)を参拝・見学してから(金閣を訪れたのは高校の修学旅行以来でした)、出町柳駅から淀屋橋駅まで京阪特急に乗って、京都から大阪へと移動しました。

その移動の途中、私は、京阪間のほぼ中央に位置する樟葉駅で一旦下車して、同駅に隣接しているショッピングモール「くずはモール」に立ち寄ってきました。そして、くずはモールの南館ヒカリノモール内にある、本年2月12日の記事で紹介した「SANZEN-HIROBA」を見学してきました。
「SANZEN-HIROBA」は、今年の3月にオープンしたばかりの京阪電車のミュージアムゾーンで、京阪曰く「京阪電車を、見て、知って、体感できる」施設であり、その名称は、旧3000系特急の実車(先頭車)1両がこの施設の象徴として展示・保存されていることに因ります。





この旧3000系の実車は、館内に固定して保存・展示されているため、実態としては静態保存なのですが、運転室のすぐ前や横に設置されている大型スクリーンに、運転席から見える情景が動画として表示されるため、運転席に座ってハンドルを握ると実際に線路を走行しているかのようなリアルな運転体験を楽しめます。
そのため京阪では、このシステムを、「世界に例をみないデジタル動態保存を実現」と謳っています。





この旧3000系での運転体験は有料で、原則として事前の申し込みが必要ですが、運転室以外の部分(客室内)は無料で公開しており、予約無しで誰でも自由に立ち入ることができます。









旧3000系のデジタル動態保存車とは別に、8000系特急車の先頭部モックアップ付きの運転シミュレーターも設置されていました。
このシミュレーターでの運転は、それぞれ異なるタイプの実車のハンドルを使う、8000系か2600系のどちらかを選択できるようになっています。





京阪沿線(大阪・京都・滋賀)をデフォルメして再現した、HOゲージのジオラマもありました。私には馴染みが深い男山ケーブルも再現されていました。









その他、京阪電車の各種の貴重な資料(パネル、ポスター、車両の模型など)が展示されていました。





私が訪れた時は、「SANZEN-HIROBA」では特にイベントは行われておらず、また、この施設の目玉といえる旧3000系(デジタル動態保存車)での運転体験や、8000系特急車モックアップ付きの運転シミュレーターなども私は体験してこなかったため、正直なところ、今回私はここで十分満喫してきたとまではいえず、そのため、私としては機会があれば、ここには是非また訪れてみたいと思っています。

大阪の交通科学博物館、今日をもって52年の歴史に幕

2014年04月06日 | 博物館・記念館等
昭和37年に当時の国鉄が大阪環状線の開通を記念して「交通科学館」として開設して以来、半世紀以上の長きに亘って全国の鉄道ファンや子供達などから親しまれてきた、大阪市港区波除(大阪環状線の弁天町駅に隣接)の「交通科学博物館」が、惜しまれつつも本日をもって閉館しました。

交通科学博物館は、鉄道を中心に交通に関する各種資料約62,000点を収蔵し、交通に関する西日本最大級の博物館として知られてきましたが、施設の老朽化と、再来年京都市下京区に開館する予定の「京都鉄道博物館」に収蔵品の大半を集約させることなどから、昨年7月に正式に閉館が決まりました。

報道によると、営業最終日の今日、交通科学博物館は朝から大勢の鉄道ファンや親子連れなどで賑わい、今日一日の入館者数は、国鉄がJRに移行してからは過去最多となる10,043人を記録したそうです。
また、今日は閉館のセレモニーも開かれ、交通科学博物館の兵東勇館長は、「開館以来、1,800万人以上の方に来てもらいました。長年、大事にしてもらって感謝しています」と、挨拶をしたとのことです。

交通科学博物館の閉館を記念して、以下に、平成23年3月に神戸・大阪・京都方面を旅行した際に私が交通科学博物館で撮影してきた写真の一部(12枚)をアップさせていただきます。
閉館が決まってからは入館者が急増し、かなり混雑する日もあったようですが、私が見学したこの時(3年前の平日の午後)は、入館者は疎らで、ほとんど貸切に近い状態でした。

























以下の写真(6枚)は、大阪府内在住の友人Fさんが撮影し私に提供して下さった、交通科学博物館の閉館が発表されて以降に同館で撮られた写真です。やはり、この時は結構混んでいたそうです。













なお、交通科学博物館に収蔵されている7100形蒸気機関車「義経号」(この記事では、下から3枚目の写真に写っている、ガラスケース内に格納されている機関車)については、平成23年4月29日の記事で詳しく解説をさせていただきました。

義経号は、交通科学博物館の閉館後、他の車両に先駆けて直ちに、同館から京都の梅小路蒸気機関車館へと搬送され、半年程かけて、ボイラーを改修するなどの動態復帰のための整備を受けることになっています。
そして本年10月頃に、17年ぶりに自走できる状態に復元されて、梅小路蒸気機関車館の構内線で運転されるそうです。
義経号の復活運転、今から楽しみです♪

ちなみに、交通科学博物館に展示されていた、鉄道車両以外の実車(二輪車、三輪車、四輪車)については、違うブログですが、以下の記事で紹介をさせていただきました。
http://yaplog.jp/syouwa-scene/archive/71

京阪電車初のミニ博物館が枚方にオープンします

2014年02月12日 | 博物館・記念館等
京阪からの発表によると、京阪は、大阪府枚方市の樟葉駅前に構える商業施設「KUZUHA MALL」(くずはモール)を、3月12日に改装オープンするとのことです。
店舗数は、改装前の175店舗から236店舗に増え、営業面積は1.4倍の7万2千平方mに拡大し、大阪府下では最大級のショッピングセンターに生まれ変わることになります。

そして、くずはモールのこのリニューアルオープンに合わせ、京阪はモール内に、京阪電車のミュージアムゾーン(ミニ博物館)を開設します!
「テレビカー」として長年親しまれ昨年3月に引退した旧3000系特急電車の実物車両(先頭車1両)を施設の目玉として展示することから、このミュージアムゾーンは「SANZEN―HIROBA」と命名されることになりました。





展示される3000系電車では臨場感あふれる運転体験を楽しむことができ、運転席での操作に合わせて前方と右側面のモニターに車窓の風景が映し出され、モーターや機器の音も流れて走行中の様子が再現されるそうです。
他にも、京阪沿線のジオラマや、京阪全線全駅や歴史を紹介するパネルなどを設置され、京阪電車としては、史上初の常設ミュージアムとなります。

これは、見に行かねば!!

国内最大級の鉄道博物館が京都市に建設されます!

2012年12月22日 | 博物館・記念館等
昭和47年に日本の鉄道開業100周年を記念して当時の国鉄により開設された「梅小路蒸気機関車館」に隣接させて、京都に新しい鉄道博物館を造るという構想は、以前からJR西日本より発表されておりましたが、今月19日、改めて、その計画の具体的な内容がJR西日本から発表されました。

新しい鉄道博物館(博物館名は公募するとのこと)は、JR京都駅から西に約1.5km、京都市下京区の梅小路公園内に建設し、現在梅小路蒸気機関車館を運営している公益財団法人交通文化振興財団が、同機関車館と共に一体運営をします。





コンセプトは「みる、触る、体験する」で、3階建ての本館と、車両展示専用のプロムナード棟によって構成され、約3万1000平方メートルの敷地に鉄道車両約50両(蒸気機関車23両、ディーゼル機関車4両、電気機関車4両、新幹線車両6両など)が展示される予定です。
また、JR京都駅周辺の留置線から展示専用の線路を本館内に引き込み、営業車両の展示場も設置されます。

総事業費は約70億円で、来年度中に着工し、開業は、平成28年春となる予定です。









JR西日本では「車両数、展示スペースともに国内最大級。関西の活性化にも貢献したい」「日本の経済とともに発展した鉄道の歴史を伝えて鉄道ファンを増やし、京都市や京都水族館と協力し合い、梅小路をより魅力的な場所にできれば」としており、年間来場者数は、JR西日本の既存2施設(大阪の交通科学博物館と京都の梅小路蒸気機関車館)合計の約60万人を上回る、約80万人を目標としています。

なお、現在交通科学博物館に展示されている鉄道車両は、新しい博物館に集約させることになるため、大阪環状線全通記念事業の一環として昭和37年に開設された交通科学博物館は、新しい博物館が開業する前に閉館されることになりました。

リニア・鉄道館を見学してきました

2011年07月25日 | 博物館・記念館等
今月はいろいろと忙しくて、前回アップした記事から一ヶ月以上も更新が滞ってしまいました。スミマセン…。

私は今月上旬、三重県伊勢市で開催された4泊5日の研修を受けるため、札幌から名古屋経由で伊勢へと行ってきたのですが、研修前日(札幌から伊勢への移動日)は職場からお休みを貰っていたため、折角なのでこの機会を利用して、今年3月に名古屋市港区金城ふ頭に開館したばかりの、JR東海が運営する鉄道保存展示施設「リニア・鉄道館」を見学してきました。
遅ればせながら、今回はこの件について報告させて頂きます。



リニア・鉄道館は、『現在の東海道新幹線を中心に、そこに至るまでの経緯、次世代の超電導リニアまでの展示を通じて「高速鉄道技術の進歩」を紹介します。鉄道が社会に与えた影響を、経済、文化および生活などの切り口で学習する場を提供します。模型やシミュレータ等を活用し、子どもから大人まで楽しく学べる空間とします』というコンセプトのもと、平成21年8月に着工し、今年3月に開館しました。
JR東海が保有する鉄道車両39両とバス1台が保存・展示されている他、各種鉄道関係資料や、日本最大級の鉄道ジオラマ(国内では、京都の嵯峨野観光鉄道ミュージアムに展示されているジオラマの次に大きいジオラマらしいです)が展示され、また、体験設備としてかなり本格的な鉄道運転シミュレータも複数設置されています。

以下に、特に私の印象に残った車両や館内の風景等を紹介させていただきます。




▲ C62形式蒸気機関車

日本最大・最速の旅客用大型蒸気機関車で、高速鉄道のシンボルとしてエントランスホールに展示されている3両の車両のうちの1両です。
C62は、貨物用として製作されながら余剰となっていた既存のD52形式蒸気機関車のボイラーを流用して、昭和23年から総計49両が製造されました。この17号機は、昭和29年に、木曽川橋梁の強度試験で129km/hという、狭軌の蒸気機関車として世界最高速度を記録しました。

ちなみに、リニア・鉄道館には、蒸気機関車はこの他に2両展示されています(お召し列車も牽引した「C57-139号機」と、軽便鉄道用の「ケ90」です)。




▲ 955形式新幹線試験電車 & 超電動リニアMLX01-1

高速鉄道のシンボルとしてエントランスホールに展示されている3両の車両のうちの2両で、手前が955形式新幹線試験電車(通称:300X)、奥が超電動リニアMLX01-1です。

300Xは、最新・最良の高速鉄道システムを追求するため平成6年にJR東海が製作した6両編成の試験電車で、7年間にわたり約600回の試験運転を実施し、高速化のための様々な課題を克服するためのデータ収集を行い、平成8年には、電車方式では当時の世界最高速度となる443km/hを記録しました。

MLX01-1は、平成7年に製造された、磁力により車体を浮上させて走る超電動リニアで、平成15年には山梨のリニア実験線で581km/hという、鉄道による世界最高速度を記録しました。




▲ 0系新幹線電車 & 100系新幹線電車 & 300系新幹線電車

かつて東海道新幹線で主役として活躍した車両たちで、右側から順に、0系21形式新幹線電車、100系123形式新幹線電車、300系322形式新幹線電車です。

0系は、世界で初めて210km/hの営業運転を行った、新幹線の代名詞ともいえる車両で、昭和39年の東海道新幹線開業から20年以上に亘って総計3,216両もが製造され、“シンカンセン”の名を世界に広めました。東海道新幹線では平成11年まで使用されました。

100系は、0系の後継車として、東海道新幹線開業から21年後の昭和60年に営業運転を開始し、平成4年までに1,056両が製造されました。編成には2階建て車両も組み込まれており、この展示車両も、先頭車のすぐ後ろに、8号車として使われていた2階建ての食堂車を連結しています。

300系は、0系、100系に次ぐ3代目の東海道新幹線電車として、270km/h運転を実現するために開発されました。この電車は、平成4年から営業運転を開始した「のぞみ」用の300系量産型電車に先立って、平成2年に製造された、300系先行試作車です。




▲ 車両展示エリアのほぼ全景

2階まで吹き抜けになっているこのエリアには、新幹線や在来線などで活躍した、32両の鉄道車両がV字配列で展示されています。いずれも、それぞれの時代で主役として活躍してきた鉄道車両たちです。
ちなみに、一番手前の車両は、大正12年にアメリカから輸入されたED11形式直流電気機関車で、そのすぐ後ろは、イギリスから輸入されたED17形式を改造して誕生したED18形式直流電気機関車です。




▲ クハ381形式電車

曲線区間を通過する際に車体を内側に傾けることで、より高速の運転を可能にした「振り子式」システム(曲線通過速度をそれまでより25km/h向上させました)を初めて採用した特急形電車で、昭和48年に、名古屋~長野間の特急「しなの」としてデビューしました。




▲ キハ82形式気動車

昭和36年から運転を開始した特急型気動車キハ82系の先頭車です。特急車両に相応しい高い信頼性と優れた居住性を備え、瞬く間に全国の非電化区間に進出し、特急列車の運転網を構築しました。




▲ EF58形式電気機関車

昭和21年から製造された旅客用直流電気機関車で、昭和27年製造の後期型から流線形車体が採用され、のちに前期型も流線形車体に改造されました。
EF58は戦後の花形機関車として活躍し、東海道本線の全線電化完成時には、特急「つばめ」「はと」を牽引し、その後はブルートレインなども牽引しました。
この157号機は、晩年は飯田線などで使われ、廃車時は新標準色(青色)でしたが、現在は登場時の塗色に復元されています。




▲ ホジ6005形式蒸気動車

蒸気動車とは、車体の片側に蒸気機関車と同様の走行装置(蒸気機関)を供え、蒸気機関車と客車の機能を1両に集約して、1両だけでの運転を可能にした車両です。
蒸気動車は明治末期からローカル線で使用され、このホジ6005は、大正2年~昭和18年まで、主に関西本線などで使用されました。国内に現存する唯一の蒸気動車といわれています。


リニア・鉄道館は、全国的にお祝い事の自粛ムードが蔓延していた時期(東日本大震災発生の3日後)に開館したため、あまり積極的な広報活動を行っておらず、どちらかというとひっそりとオープンした感じですが、実際には、さいたま市大宮区の鉄道博物館、大阪市港区の交通科学博物館、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館、群馬県安中市の碓氷峠鉄道文化むら、北海道小樽市の小樽市総合博物館、北九州市門司区の九州鉄道記念館など国内有数の巨大な鉄道ミュージアムと比べても、それらに優るとも劣らない、大変立派な施設です。
名古屋へ行く機会がありましたら、是非ここへも訪れてみて下さい!

嵯峨野観光鉄道ミュージアムを見学してきました

2011年04月20日 | 博物館・記念館等
先月関西を旅行した際、京都を代表する観光地、嵐山・嵯峨野地区にある、嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」へ行き、同駅に併設されている「嵯峨野観光鉄道ミュージアム」を見学してきました。

トロッコ嵯峨駅は、単式ホーム1面1線の地上駅で、嵯峨野観光鉄道の京都側の終端駅(一応ターミナル)ですが、実は運転取り扱い上は独立した駅ではなく、親会社であるJR西日本の山陰本線と線路を共用する都合上、JRの嵯峨嵐山駅と同一駅扱いとされ、運転取り扱い上は同駅の「5番線」として扱われているそうです。
しかし、駅の施設はJR嵯峨嵐山駅よりも立派で、鐵風感やジオラマ館など鉄道ミュージアムの施設が駅舎と連結しており、大勢の観光客で賑わっています。

下の写真は、「19世紀ホール」と称される、鐵風感の1階で、同フロアの駅舎手前側には「SL喫茶」が、そしてその奥にはピカピカに磨き込まれた4両の実物機関車(D51、C58、C56、若鷹号)が展示されている「SL展示場」があります。
なお、写真には写っていませんが、鐵風感の2階には、鉄道模型やその関連商品の販売コーナー「鉄道模型ランド」があり、店内ではNゲージとHOゲージ2種類のレイアウトも展示されています。





下の写真は、HOゲージの鉄道模型を使用した日本最大規模のジオラマ(縦17.3m、横12.3m、面積212平方m、線路延長約2,700m)で京都の街並みが演出されている「ジオラマ館」です。

清水寺、東寺の五重塔、金閣なども再現されているこのジオラマは、嵯峨野観光鉄道の開業20周年を記念して製作され、先月1日に公開されたもので、その面積は、先月14日に名古屋市内に開業したJR東海の鉄道博物館「リニア・鉄道館」に開設されているジオラマとともに、現時点では日本最大級のジオラマとされています。











このジオラマには、入館者が自由に運転操作できる路線が計10線設けられており、そのうちの2線は、館内に設置されている実物のEF66型電気機関車の運転台でカメラ付き模型列車からの映像を見ながら操作し、残りの8線は、ジオラマ脇の操作盤で操作します。