北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

賛否両論を伴う京阪8000系のリニューアル

2009年03月30日 | 京阪(京阪線系統)


京阪からの発表によると(今月24日発表)、現在10編成・計80両在籍している京阪の8000系特急用車両(但し旧3000系から改番された8030番代は除く)に、改造が施されことになりました。
この改造に伴う投資総額は13億2千万円で、主な改造点は以下の通りです。

シート等インテリアのグレードアップ
車いすスペースの設置等バリアフリー対策
車端部の座席をロングシート化するとともに、従来なかった吊革を設置
新型3000系車両同様、LCD(液晶ディスプレイ)車内案内表示器を扉上に設置
テレビカーのテレビを撤去(平成23年度内に全廃)

このうち①②④については特に誰も異論はないと思われますが、③と⑤については、京阪ユーザーの間では早速賛否両論の声が沸きあがっています。

もともと8000系は2ドアのためラッシュ時は乗降しにくいことが多く、また、全席クロスシートのため座る場合は乗り心地が良いものの、立つスペースが少なく吊革もなかったため逆に座れなかった人にとっては実に乗り心地が悪く、車内で転倒しそうになる人も少なくはありませんでした。
ですから、乗降口付近がロングシート化され吊革も設置されることは、ラッシュ時の利用者にとってはむしろ利便性が向上し歓迎すべき改造ともいえるのですが、しかし、平成9年以降はダブルデッカー車まで増結し「特別料金不要の車両としては国内最上級グレードの車両」と全国的にも高く評価されていた特急専用車の8000系が、一部とはいえロングシート化されてしまうのは“京阪特急のグレードダウン”という印象も拭えず、そのため一般の利用者よりも、京阪特急に強い愛着を持っている人達から特に残念がる声が出ています。

テレビの撤去についても同様です。
現実問題として考えると、テレビが珍しかった時代ならいざ知らず、携帯電話にワンセグ機能が付いていつでもどこでもテレビが見られるようになった今、車両にテレビが付いていることに付加価値などはなく、備え付けのテレビを見るためだけにテレビカーに乗る乗客はほとんどおらず(しかもチャンネルも自分では変えられないですし)、時代の変化によりテレビカーの役割は既に終わっていたともいえます。
しかし、京阪特急は昭和29年から半世紀以上に亘り歴代特急車両にテレビを搭載し続け、テレビカーの存在は長い間、京阪特急の“豪華さ”の象徴でもありました。

ですから、これは客観的な意見ではなく明らかに感情論になってしまうのですが、テレビカーの廃止は、京阪特急の大きな特徴・歴史が一つ失われることになり、私としても、個人的にはやはり残念な思いがあります。
時代の変化とはいえ(座席のロングシート化も含めて)京阪特急の格調が段々と下がっていくようで、少々寂しいです。

もっとも、「昔の京阪は良かった」と回顧する一部の京阪原理主義者(?)達からは、「特急が中書島や丹波橋に停まるようになり、京橋~七条間ノンストップ運転の原則が崩れた頃から、既に京阪特急の地位は地に落ちていたのだ」という厳しい意見もあるようです…。

8ヶ月間だけ新幹線の線路を走った阪急電車

2009年03月26日 | 阪急(京都線系統)
これは関西の鉄道ファンの間では割とよく知られている話なのですが、逆に関西圏以外の人にはほとんど知られていないような気がするので、今回は、阪急電車が開業前の東海道新幹線の線路を8ヶ月間走ったことがある、というエピソードを紹介させていただきます。

実際に現地を見ていただければ、もしくは地図を見ていただければすぐに分かりますが、阪急京都本線の、大阪府高槻市にある上牧(かんまき)駅の手前から京都府大山崎町に至るまでの区間約3.8kmは、東海道新幹線の路線と隣接して線路が敷設されており、しかも阪急の線路と新幹線の線路との間には簡易なフェンスが張られているだけで、大きな柵や塀などで仕切られていないため、阪急電車の車内からも新幹線の電車がよく見えます。
この区間の阪急京都本線は、東海道新幹線とは一体型の高架に見えるほど仲良く寄り添って走っており、両路線の間に仕切りのフェンスがなければ、同じ鉄道の複々線に見間違えてしまうほどです。

しかも、阪急と新幹線とでは軌間も同じため、もし線路が接続されていたとしたら、この区間だけ、阪急電車が新幹線の路線を走ることも不可能ではありません(但し架線の電圧は違いますが)。
現実問題として考えると、「阪急電車が新幹線を走るなんて、そんなバカなこと有り得ない」と誰もが考えてしまいそうですが、しかし昭和38年4月24日から同年12月28日までの約8ヵ月間、実際に阪急電車は、この区間だけ、隣接する新幹線の線路を走っていました。
東海道新幹線の開業は昭和39年10月ですから、新幹線開業約1年間の珍事でした。

京都と大阪を結ぶ交通路を建設する場合、両都市間には山地があることなどから、建設場所は事実上、天王山と男山とに挟まれた幅約2kmの狭い谷間に限られ、実際、現在京阪間を走っている東海道新幹線、JR東海道本線、阪急京都本線、京阪本線、国道171号、名神高速道路といった各交通の主要幹線は、いずれも束ねられるように近接してその狭い谷間を並行しています。
しかも、その谷間には近畿地方を代表する大河・淀川も流れているため、そこに新たな交通路を建設しようとすると、当然用地の確保には苦労が伴うことになります。

東京と大阪を結ぶ“夢の超特急”として建設が始まった東海道新幹線も、京都~大阪間の線路はやはりこの谷間に敷設されることになったのですが、用地難から建設場所の確保には難儀したようで、最終的には、当時阪急の京都本線が走ってた土地を譲ってもらい、そこに新幹線の路線を建設することになりました。
つまり、現在上牧から大山崎町辺りにかけて新幹線が走っている区間は、元々は阪急電車が走っていた場所だったのです。
このため阪急は、新幹線建設のために京都本線の線路をそのすぐ北側に移設しなければならなくなりましたが、しかし阪急としても、その頃丁度、その区間を高架化したいと考えていたことから、自社の線路を高架の新線に移設して新幹線に場所を譲ることに同意したのでした。

ところがその後の調査で、阪急の高架橋を先に造ってから新幹線の高架橋を造ると地盤沈下が生じることが判明し、そのため、まず先に新幹線の高架橋を建設し、続いて阪急の高架橋を建設する工事が行われることになりました。
しかしそうなると、問題となるのは、工事期間中、阪急電車をどこに走らせるかです。
そして協議の結果、阪急と新幹線とではたまたま軌間が全く同じだったことから、開業前の新幹線の線路を一時的に京都本線の列車に使用させることが決まったのです。

但し新幹線と阪急とでは架線の電圧は異なっていたため、その区間を阪急電車が走る期間だけ、新幹線の交流25,0000V・60Hz用に張られた架線には阪急用に直流1,500Vが流され、また、上牧・水無瀬・大山崎の各駅では木造の仮設ホームが新幹線の線路に沿って設置されたのでした。
こうして、僅か8ヶ月という短い期間とはいえ、阪急電車は東海道新幹線の線路を走ったのです。

なお、下の写真は、先週関西を旅行した際に、この記事にアップする写真を撮るためだけに下車した(笑)阪急京都本線上牧駅のホーム西端から撮影した、京都方面に向けて疾走する東海道新幹線N700系です。



そして下の写真は、上の写真を撮った所と同じ場所から撮影した阪急電車です。
この電車は河原町行きの特急で、阪急電車の中では特に私が個人的に好きな6300系です。



こうして両写真を見てみると、阪急電車と新幹線は、線路こそ違うものの、今でも同じ路盤を走っていることが分かり、その蜜月ぶりが実感できます。

阪神なんば線開業!

2009年03月20日 | 阪神


今までこのブログでも度々取り上げてきた、西大阪高速鉄道(大阪府や大阪市などが出資する第3セクター)が建設工事を進めていた阪神なんば線の西九条~大阪難波間(3.4km)が、今日、ついに開業しました!

同区間は、阪神が昭和42年に建設を開始していた路線で、長かった工事中断期間を挟んで(鉄道の建設により街が分断されるとして沿線の住民や商店街などから建設反対の運動が起こり工事中断に追い込まれていたのです)、約40年もかかってようやく開業したことになります。
工事が始まった時に小学生だった人も、今ではもう40代後半以降になっているはずですから、関西の人達も、近年になって工事が再開されるまでは「この路線、本当にできるのか?多分もう無理なんじゃないか?」と半ば諦めていたのではないでしょうか(笑)。

この開業に合わせて、昨日まで西大阪線と称されていた阪神の尼崎~西九条間は阪神なんば線に編入され(ちなみに同線の開業に合わせて近鉄では近鉄難波は大阪難波に、上本町は大阪上本町に、それぞれ駅名を改称しました)、これにより、新たに尼崎~大阪難波間(10.1km)の路線が誕生したことになり、そしてそれは、単に、阪神の路線延長距離が増えた、大阪の都心部を東西に貫く路線が誕生した、などという小さな意味に留まるものではなく、山陽姫路~近鉄名古屋及び賢島までが一本のレールで連結され、関西に画期的で新しい鉄道ネットワークが誕生したことを意味します(昨年10月6日の記事で詳しく紹介させていただいたように、将来的には姫路と名古屋、伊勢志摩を結ぶ最長約280kmの特急運行も期待されています)。
そういった意味では、昨年の10月に開業した京阪中之島線の開業よりも阪神なんば線の開業の方が、関西の鉄道ネットワークに与える影響や効果はかなり大きいであろうと思われます。

開業に先立って昨日、阪神なんば線のドーム前駅で行われた発車式では、加納時男国土交通副大臣や平松邦夫大阪市長らがテープカットし、続いて北区のホテルで開かれた開通式典と祝賀会には、約1,000人が参加したそうです。
そして開業日の今日、近鉄では大阪難波駅や近鉄奈良駅で、阪神では三宮駅や尼崎駅で、それぞれ出発式を行い、テープカットの後、沿線住民や鉄道ファンらを乗せた一番列車が駅員らの拍手を受けて発車しました。
報道によると、尼崎を出発した近鉄奈良行きの一番列車に乗った阪神の坂井信也社長は、大阪難波駅で列車を降り、同駅で出迎えた近鉄の野口満彦副社長と固い握手を交わし、「感慨深い」と笑顔を見せたそうです。

また、この時近鉄の野口副社長は、「阪神電鉄沿線や山陽電鉄沿線の方に来ていただきたい。伊勢や名古屋にも特急列車を運行しているので、ぜひ足を運んでいただきたい」と近鉄線をPRすると共に、神戸方面からの直通特急についてもコメントし、「まだ相談段階」とした上で、「相互直通運転が始まったので、確実にある話。2015年の伊勢神宮式年遷宮がベストのタイミング。時間はかかるが積極的に取り組んでいきたい」と述べ、近鉄としての今後の方向性を示したそうです。
ちなみに、阪神なんば線開業の6日前(3月14日)に、読売新聞から『伊勢志摩─姫路250キロ、4社横断最長特急に近鉄乗り気』というタイトルで以下の記事がネットで配信されており、やはり近鉄としては直通特急の実現に、かなり本気のようです。

3月20日の阪神なんば線(尼崎―近鉄難波)開通で、私鉄では国内最長の約250キロを走破する特急が実現に向けて踏み出す。
三重県・伊勢志摩と兵庫県姫路市を結び、4府県と鉄道4社にまたがる〈近畿横断特急〉。近鉄は各社に熱いラブコールを送り、早ければ数年後の運行を目指す。

特急は近鉄の賢島駅(三重県志摩市)から近鉄大阪線や阪神なんば線などを通り、神戸市の第3セクター神戸高速鉄道が運営する神戸高速東西線(5キロ)を経由。さらに山陽電鉄本線を通って山陽姫路駅(兵庫県)に乗り入れる。なんば線開通時は、賢島―姫路は各線を乗り継いで約4時間かかる。
伊勢志摩方面の近鉄の乗客は志摩スペイン村(志摩市)の開業した1994年度の約553万人から、2007年度は約254万人に激減。13年の伊勢神宮式年遷宮を控え、兵庫県との直通運行で修学旅行など新たな乗客の開拓を図る近鉄は「各社の理解を求めたい」と意欲を見せる。

ただ、現在の近鉄特急は自動列車停止装置(ATS)が他社路線に対応しておらず、大幅な改造や新型車両の導入が不可欠。「ダイヤの調整や設備更新も必要」(阪神)、「乗客増につながる」(神戸高速鉄道)と各社に微妙な温度差もあるが、なんば線開業に合わせて阪神三宮駅(神戸市)に近鉄特急の券売機がお目見えするなど、実現への〈布石〉は着々だ。


阪神なんば線の開業により、尼崎~大阪難波間は最速14分で結ばれ、阪神電鉄はキタ(梅田)とミナミ(難波)の大阪両都心にアクセスできる電車となります。
また、同線の開業により阪神と近鉄が相互乗り入れを行い、三宮(神戸市)~近鉄奈良(奈良市)間を快速急行が最速76分で走り、1日約67,000人の利用が見込まれています。
開業初日なので当然といえば当然なのですが、今日は、同線を走る電車はどの車両も軒並み混雑し、各駅のホームでは、列車にカメラを向ける人なども沢山見られたそうです。
阪神なんば線は今後も目が離せない、関西圏でも特に注目度の高い路線といえます。

なお、今日実際に阪神なんば線の電車に乗った人からの報告によると、阪神と近鉄の乗務員交代は、大阪難波駅ではなく阪神なんば線に新たに設けられた桜川駅で行われ、近鉄特急は大阪難波を越えて桜川駅構内まで入線し、同駅の引込線で折り返すという運転を行っているそうなので、桜川駅でもアーバンライナーやビスタカーなどを見ることができるようです。



上の写真は、今月17日(阪神なんば線開業の3日前)に大阪難波駅のホーム西端から尼崎・三宮方面を撮影したもので、昨日までは、この写真で電車が停まっている地点で近鉄電車は全て折り返していましたが、今日からは、阪神なんば線に乗り入れる近鉄の電車は更にこの先へと進むようになり、また、近鉄線内を折り返す電車も、一部はこの先(次の駅)の桜川まで進むことになります。


京都・大津・生駒・大阪旅行

2009年03月18日 | 旅行記
今週の日曜日から火曜日にかけて、2泊3日の日程で関西を旅行してきました。
1日目は、夜の9時頃に神戸空港に着いたため、空港から大阪天満橋のホテルへと移動するだけで実質的にその日の旅程は終わり、事実上、2日目と3日目の2日間で各地を周ってきました。

今回の旅行で最も長く滞在したのは京都でしたが、全行程を通して見ると、京都・大阪・兵庫・滋賀・奈良の2府3県を周っており、その間、かなり長い時間電車(京阪・阪急・阪神・近鉄・南海・JR)に乗り、それでいてかなり長い時間歩き続け(歩き過ぎて筋肉痛になりました)、各地で神社仏閣も参拝して周り(各社寺で御朱印をいただいてきました)、更に、京都に住んでいた当時知り合った懐かしい人達とも再会を果たして一緒に食事をするなどし、短い日程の割にはかなり密度の濃い旅行をしてきました。
以下に、今回の3日間の旅程をまとめてみます。


≪1日目≫

【新千歳空港】(全日空406便)【神戸空港/神戸空港駅】(ポートライナー)【三宮駅/阪神三宮駅】(阪神本線・神戸高速東西線/普通)【高速神戸駅】(神戸高速東西線/普通)【新開地駅】(阪神本線/直通特急)【尼崎駅】(阪神本線/急行)【福島駅】(徒歩)【中之島駅】(京阪中之島線/快速急行)【天満橋駅】(徒歩)【ホテル】



尼崎で乗り換えた急行(阪神9300系)です。
梅田の一駅手前にある福島駅で下車したかったため、直通特急で梅田まで行かず、一度乗った直通特急から、福島に停まる急行に乗り換えました。
福島で下車したかったのは、同駅から、すぐ近くにある京阪中之島駅まで歩き、中之島駅から、昨年10月に開業したばかりの京阪中之島線の電車に乗ってみたかったからです。


≪2日目≫

【ホテル】(徒歩)【天満橋駅】(京阪中之島線/区間急行)【中之島駅】(京阪中之島線・京阪本線/快速急行)【三条駅/三条京阪駅】(京都市営地下鉄東西線・京阪京津線)【上栄町駅】(周辺散策)→(徒歩)【浜大津駅】(京阪石山坂本線)【皇子山駅/大津京駅】(JR湖西線/新快速)【京都駅】(京都市営バス)【梅小路公園】(タクシー)【一条戻橋】(周辺散策)→(徒歩)【京都府庁】(見学)→(タクシー)【河原町二条】(周辺散策)→(徒歩)【三条大橋】(徒歩)【四条河原町】(周辺散策・昼食)→(徒歩)【祇園四条駅】(京阪本線/快速急行)【丹波橋駅】(京阪本線/準急)【八幡市駅】(京阪鋼索線)【男山山上駅】(徒歩)【石清水八幡宮】(参拝・拝観・散策)→(徒歩)【八幡市駅】(京阪本線/準急)【伏見桃山駅】(周辺散策)→(京阪本線/普通)【丹波橋駅】(京阪本線・京阪鴨東線/特急)【出町柳駅】(京阪鴨東線・京阪本線/特急)【祇園四条駅】(徒歩)【河原町三条】(周辺散策・休憩)→(徒歩)【祇園・八坂神社・円山公園界隈】(散策)→(徒歩)【河原町駅】(阪急京都本線/準急)【桂駅】(阪急嵐山線/普通)【松尾駅】(徒歩)【友人の家】(友人の車)【西京区の温泉】(友人の車)【友人の家】



中之島線の開業に合わせて昨年10月にデビューしたばかりの、京阪の最新鋭電車3000系です。
大阪からはこの最新の京阪電車に乗って京都(三条)へ行きたいと思い、2日目の出発地となった天満橋からは、一旦、京都とは反対方向の中之島駅(大阪方面終点)へと行き、中之島駅から、同駅始発の3000系に乗って三条へと向かいました。
乗り心地は快適な車両で、しかも、先頭車両の最前部の座席(運転室のすぐ後)に座れたため、三条までずっと前面展望も楽しめました!



大津市内の京津線を走る京阪800系です。
上栄町駅から大津駅までは徒歩で移動したのすが、この写真はその際に上栄町駅付近で撮ったものです。

京津線は、地下鉄(京都の市街地では京都市営地下鉄東西線・京都高速鉄道線に乗り入れます)、山岳鉄道(京府都と滋賀県の境では逢坂山を越えるのですが、その時は急な勾配やカーブが続きます)、路面電車(大津市内では道路上に敷設された併用軌道を走ります)という3つの異なる性質を持つ全国でも珍しい路線で、沿線風景もバラエティに富んでいるため“劇場型路線”とも云われたりします。
この写真は、併用軌道から専用軌道へ入る直前の太秦天神川行きの800系です。



八幡市駅からは男山ケーブル(京阪鋼索線)に乗り換えて男山山上駅へと向かい、男山の山上に鎮座する石清水八幡宮を参拝してきました。
男山ケーブルの路線には2つのトンネルがあるのですが、この写真は、一つめのトンネルの中から、2つめのトンネルと、擦れ違う直前のもう一両のケーブルカーを撮ったものです。
男山ケーブルの乗車時間は僅か3分で、あっという間に着いてしまう短い路線ですが、車窓からの風景は変化に富んでおり、特に鉄橋からの眺望は素晴らしいです!



丹波橋では、普通(右側の電車)から特急(左側の電車)に乗り換えて出町柳へと向かいました。
特急用の8000系は、京阪電車の中では最も私が好きな電車で、過去にも何度も乗った事がありますが、新塗装の8000系に乗ったのはこの時が初めてでした。


≪3日目≫

【友人の家】(徒歩・周辺散策)【松尾駅】(阪急嵐山線/普通)【嵐山駅】(阪急嵐山線/普通)【桂駅】(阪急京都本線/特急)【長岡天神駅】(阪急京都本線/普通)【上牧駅】(見学)→(阪急京都本線/普通)【高槻市駅】(阪急京都本線/特急)【十三駅】(阪急神戸本線・普通)【中津駅】(徒歩・タクシー)【淀川神社】(大阪市営バス)【中津駅】(大阪市営地下鉄御堂筋線)【本町駅】(大阪市営地下鉄中央線・近鉄けいはんな線/普通)【生駒駅/鳥居前駅】(近鉄生駒鋼索線 宝山寺2号線)【宝山寺駅】(近鉄生駒鋼索線 山上線)【生駒山上駅】(周辺散策)→(近鉄生駒鋼索線 山上線)【梅屋敷駅】(徒歩)【宝山寺本堂】(徒歩)【宝山寺奥之院】(徒歩)【宝山寺駅】(近鉄生駒鋼索線 宝山寺2号線)【鳥居前駅/生駒駅】(近鉄奈良線/急行)【近鉄難波駅】(徒歩)【汐見橋駅】(南海高野線/普通)【岸里玉出駅】(南海本線/普通)【堺駅】(南海本線・南海空港線/ラピート)【関西空港駅/関西国際空港】(全日空1719便)【新千歳空港】



長岡天神で特急から普通に乗り換える際、反対方向(河原町方面)のホームに停車していた9300系の快速急行(手前)と8300系の準急(奥)を撮った写真です。
同駅で普通に乗り換えたのは上牧駅へと行くためで、上牧駅では改札口からは出ずに、ホームから、隣接する東海道新幹線の路線や、疾走する新幹線の電車を見学してきました。



近鉄けいはんな線を走る、生駒行きの大阪市営地下鉄中央線の電車(先頭車)から撮影した、新石切駅と、同駅を出たばかりのコスモスクエア行きの近鉄7000系です。
新石切駅の先にはトンネルの入口も見えておりますが、このトンネルは大阪府と奈良県の境に位置する全長約4.7kmの生駒トンネルで、このトンネルを抜けたすぐの場所に生駒駅があります。



生駒駅と連絡通路で繋がっている鳥居前駅からは、生駒ケーブル(近鉄生駒鋼索線)に乗って宝山寺駅へと向かいました。
この写真は車内から撮影した、全国でもここにしかない、大変珍しいケーブルカーの複々線です。

しかも珍しいのは複々線ということだけではなく、車(但し大型車は通行不可)の通行も可能な踏切があるということです。
鋼索線はレールとレールの間に牽引ケーブルがあるという構造のため踏切は大変珍しく、とはいえ生駒ケーブルでは、路線が住宅地の中を走っているために踏切はここ以外にも数箇所に設けられているのですが、ただ、車の通行が可能な踏切は、この写真に写っている一箇所のみです。



左の建物は、今週中(3月20日)に開業する阪神なんば線の桜川駅(地下駅)の地上に設けられた入口の一つで、その右にある古めかしいコンクリートの建物は、昭和30年代から時間が止まったままの、今となっては大変貴重な南海の汐見橋駅です。
改札口が自動改札化されていることを除けば、本当に昭和30年代の雰囲気がそのまま残っている駅です。
汐見橋駅は、南海の盲腸みたいなひなびた路線(失礼!)にある、その存在意義もよく分からないような場末の(更に失礼!)終端駅ですが、阪神なんば線と乗り換えができるようになれば、利便性は大きく向上しそうです。



堺駅から乗り換えた、“南海の顔”ともいえる特急ラピートです。
関空までは急行で行っても良かったのですが、この頃になると、さすがにもうかなり疲れていて、ゆっくり座りたかったことと、それに、今回の旅行の最後を締めくくる電車としてラピートは魅力的でもあったことから、堺駅のホームにある専用の自販機で特急乗車券(500円)を買って同駅から「ラピートβ」に乗りました。


というわけで、今回も鉄道三昧な旅行となりました(笑)。
最初からそれを狙っていたわけではなかったにも拘わらず、結果的に、この3日間で関西の大手私鉄5社全てを利用することができたので、自分としても満足です!
京阪本線の八幡市~祇園四条間は、結局3回(1往復半)も乗りましたし(笑)。

ちなみに、今回の旅行で唯一がっかりしたのは、2日目の午前中、日本最大のSL博物館である梅小路蒸気機関車館に行ったら、休館日のため閉館していたことです(涙)。
梅小路はまたリベンジします!

中之島線の展望映像を収録した京阪電車のDVD

2009年03月10日 | 映像・DVD


今月1日、京阪グループの京阪エージェンシーより、中之島線の開業と、同線の開業に合わせて導入された新型車両3000系のデビューを記念して、『新型車両3000系コンフォート・サルーン「快速急行」運転席展望』と『京阪電車沿線散歩』の2枚組DVDが発売されました。
京阪の主要駅や京阪沿線の各書店・コンビニなどで発売された他、今回は通販も行われましたので、関西から遠く離れた札幌にいる私は、今回は通販を利用してこのDVDを購入しました。

DISK1(約120分)には、新型車両3000系の運転席からの展望映像(中之島~出町柳間・65分)の他、交野線・宇治線・鋼索線(男山ケーブル)全線の走行中の前面映像と、京津線・石山坂本線の前面映像のダイジェストなどが収録されており、またDISK2(約90分)は、京阪線の全駅と各線、主要車両などを、京阪沿線出身で鉄道ファンとしても有名な漫才師・中川家礼二さんのナビゲートで紹介する内容となっています。
ちなみに、中川家礼二さんは、以前このブログで紹介した書籍『笑う鉄道』の著者でもあり、関西の私鉄の中でも特に京阪に対して強い愛着を持っておられます。

この2枚組DVDは3,000セットの限定販売で、値段は6,000円とやや高めですが(ちなみに、5年半程前に京阪から発売されたDVD『出町柳から淀屋橋へ 京阪特急』は4,000円でした)、しかし今回は2枚組である事を考えると、妥当な価格かもしれません。
とりあえず、京阪電車が好きな人は間違いなく“即買い”な内容です。
3000系の製造風景や車庫までの輸送シーン(一般の道路を牽引されて走ります)も収録されていました。

なお、ネット上では中川家礼二さんの、京阪電車に関するコントも公開されています。
京阪電車が好きな方ならこちら(下記URL)も必見です!
http://www.youtube.com/watch?v=yiAWpm7y4g8&playnext_from=PL&feature=PlayList&p=26C18D2EBBE53FE1&playnext=1&index=3

武庫川駅

2009年03月05日 | 阪神
阪神本線にある武庫川駅は、兵庫県尼崎市と西宮市の境界上にある駅なのですが、それ以上に変わっているのは、この駅のホームは駅名の通り、武庫川という川の上にあるのです。
とはいっても、川に架かる橋の上にホームが設置されていること自体は別段珍しいわけではなく、例えば、同じ阪神本線にある芦屋駅や、阪急神戸本線の芦屋川駅なども川の上にホームがあります。
私の家の最寄駅である札幌市営地下鉄南北線の自衛隊前駅(地下鉄の駅ですが地下駅ではなく高架駅です)も、ホームの一部は川にかかっています。

しかし阪神芦屋駅・阪急芦屋川駅・自衛隊前駅などは、いずれもホームの一部が川にかかっているだけで、川幅も狭いのですが、阪神の武庫川駅は、川幅が200mもある大きな川の真上に阪神本線のホーム全体が設置されており、そのため同駅を遠くから望むと橋梁全体が駅になっているのです。こういった構造の駅はかなり珍しいといえます。
また、ホームが川の真上にあるため、同駅のホームから線路を覗くと、枕木と枕木との間から下を流れる川の水を間近に見ることもできます。

下の写真2枚は、いずれも私が同駅を利用した際に、1番線(梅田方面)ホームから撮影したものです。
ちなみに2枚目の写真に写っている赤帯の電車は、阪神本線に乗り入れている山陽電鉄の5000系電車(阪神難波と山陽姫路を結ぶ直通特急)です。
なお、ホームは1番・2番共に阪神車両6両編成分の長さでしたが、阪神なんば線の開業に合わせて今月20日から同駅に乗り入れる近鉄の車両に対応するため、昨年ホームが延長され、現在は近鉄車両6両編成分の長さが確保さています。





上の写真を見れば分かるように、阪神本線における武庫川駅のホームは相対式の2面2線なのですが、実は同駅にはその2面2線以外にも、まだホームと線路があります。

同駅は阪神本線だけの駅ではなく、阪神武庫川線の起点駅でもあり、武庫川線のホームと線路は、阪神本線とそのホーム(川を遮る向き)とは垂直の配置(川の流れに沿う向き)で、武庫川西岸の築堤下に島式1面2線が設けられているのです。具体的な配置は下図を御参照下さい。
もっとも、その島式1面2線のうち、実際に旅客列車が使用している線路は、阪神本線への連絡線に繋がっている東側の線路のみで、行き止まりとなっている西側の線路は使用されておらず、西側の線路には出発信号機も設置されていないため、実質的には1面1線の構造といえます。



武庫川線内には車庫がないため、武庫川駅構内には、武庫川線と阪神本線とを接続する連絡線もあるのですが、上の図では、「森文化」と「インテリア大樹」のある区画の南側に沿っている曲線が、その連絡線です。
そして、「小松龍王大神」の「王」の字辺りで線路は行き止まりになっており、そこから先・北方向へは線路は延びていません(昔はその先にも線路が延びており駅もあったのですが、今は廃線になっています)。

そのため、阪神本線から武庫川線に入線する場合は、まず本線から連絡線(前述の曲線)に入り、「小松龍王大神」の「王」の字辺りまで進んだ後、そこでスイッチバック運転をして直線に下がって、阪神本線の下を立体交差して武庫川線の東側ホームへと入るのです。



上の写真は一昨年5月16日の記事からの再録なのですが、この写真の左側にある踏切が、先に示した図の「インテリア大樹」の「ン」の字の辺りです。踏切上の通路と線路との間に扉が設置されているのは、列車が走る頻度の低さを物語っています。
阪神本線と武庫川線の直通列車は運転されていないため、この連絡線を走るのは基本的に、回送列車や、線路保守のための整備車両だけなのです。

なお、武庫川駅の改札口は橋(つまり阪神本線の相対式ホーム)の両側(西宮市側、尼崎市側)にそれぞれ設置されている他、武庫川線内の各駅が無人駅のため本線ホームと武庫川線ホームとの間にも中間改札口が設けられています。