北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

神宮丸太町駅

2008年10月22日 | 京阪(京阪線系統)


私が京都市内の某学校に在学していた当時の恩師で、出町柳近辺に住んでおられるK先生が、中之島線の開業に合わせて今月19日に駅名を改称したばかりの「神宮丸太町駅」の地上入口の写真(携帯電話にて撮影)をメールで送信して下さいました。
御覧のように、入口の構造物上部に表示されている駅名が、従来の「丸太町」から「神宮丸太町」へと変っています。
K先生、わざわざ写真を送って下さり、どうもありがとうございました!

この駅は、鴨川(東岸)に沿って南北に延びる形で、川端丸太町交差点の地下に位置している鴨東線の駅(ホームは島式1面2線)で、今から19年前の平成元年10月5日に、鴨東線の開通に合わせて開業しました。
こういっては何ですが、特にこれといった特徴のない、都市部の地下駅としてはごくありふれた形の駅なのですが、私が京都に住んでいた当時通っていた学校の最寄り駅で、通学のためほぼ毎日利用していたこともあって、私にとっては馴染みの深い、愛着のある駅です。

しかし、これは既に他の人達も多く指摘しているようですが、「神宮丸太町」という駅名は、やはり、少々強引な気がします(笑)。
平安神宮の最寄り駅は地下鉄東西線の東山駅であり、神宮丸太町駅を下車して平安神宮まで歩いて行く人はそれ程多くはないと思われるので、この駅名では必ずしも実態を表しているとは言い難いのです。
私としては、地下鉄烏丸線の丸太町駅と明確に区別するためにも、駅名を改称すること自体には賛成ですが、普通に「京阪丸太町」もしくは「丸太町橋」という駅名でも良かったのでは、と思います…。

中之島線開業!

2008年10月19日 | 京阪(中之島線関係)


今までこのブログでも度々取り上げてきた京阪の中之島線が、今日、ついに開業しました!
同線は、京阪本線の天満橋駅と中之島地区の西部を結ぶ、大阪市の北区と中央区の二区に跨る約2.9kmの新線(全線地下・複線)で、同線区内には4駅が新設されました。
今日から新たに設定された種別の列車「快速急行」を使うと、中之島駅と京都(鴨東線のターミナル)の出町柳駅とは約65分で直結され、京阪間の交通アクセスは更に向上することになります。



開業に先立ち、昨日(18日)は午前10時から中之島駅で出発式が行われ(出席者は約200人)、加納時男国土交通副大臣、橋下徹大阪府知事、平松邦夫大阪市長、上田成之助京阪電気鉄道株式会社代表取締役社長らがテープカットを行い、テープカットの後は、式典の出席者達を乗せた試乗列車(同線開業に合わせて新造された3000系車両)が京阪の社員達の拍手と万歳に送られて同駅を発車したそうです。

ちなみに、昨日の午前11時半頃からはリーガロイヤルホテルで同線の開通式典・祝賀会も開催され(出席者は約1,000人)、同式典で挨拶した橋下知事は、「中之島線が延伸し、(府庁舎の移転を検討している)WTC(大阪ワールドトレードセンタービル)まで繋がれば、まだまだ大きな都市改造に繋がる」と述べて、中之島線の更なる延伸に期待感を示したそうです。

そして今日(19日)、午前5時12分、中之島発・出町柳行の1番電車が定刻通り中之島駅を発車したことにより、中之島線は正式に開業しました。
同駅では1番電車の発車に合わせて開業のセレモニーが行われ、1番電車には約400人の乗客が乗車したそうです。車内(特に先頭車)はかなり混雑していたようですが、私も乗りたかったです!
また、同線に新設された4駅のうちの一つである、なにわ橋駅内のホールでも、開業記念イベントとして、京阪電車各駅の発車メロディーを作曲したミュージシャンの向谷実さんのライブ演奏などが行われたそうです。

なお、京阪では同線の開業に合わせて今日から列車の種別の大幅な変更(快速特急・通勤快急・快速急行・深夜急行・通勤準急の新設、K特急の廃止)を実施し、更に京阪本線・鴨東線・宇治線・交野線では今日から全面改訂したダイヤをスタートさせ、また、京都市内の3駅は今日から駅名を改称するなどし、このため今日は、京阪にとっては歴史的にも一つの区切りの日になったと言えるでしょう。
以下は、今日から適用される新種別の列車とその停車駅一覧です。


 
ちなみに、同線の総事業費は約1,503億円で、京阪では1日に約7万2,000人の乗降客と年間約32億円の運賃収入を見込んでいます。
また、同線の開業に合わせて民間シンクタンクの財団法人「大阪地域振興調査会」が行った調査では、アクセス向上による周辺施設の利用者増や、地区内で建設中の高層マンションへの入居希望者が多いことなどから、中之島地区の日中人口は今後10年あまりで2万人以上増加し、経済波及効果は3,600億円以上に上るとの調査結果が出ており、同線の開業により、中之島地区は従来の「孤立したビジネス街」「鉄道の空白地帯」のイメージから、東京・お台場や六本木ヒルズに比肩するエリアに変貎する可能性が示唆されています。
更に、中之島地区は近年、大阪府中心部と比べても地価の上昇が著しく、マンションやビル建設など同地区での再開発事業への建設投資も含めると、効果額は約1兆2,500億円に達する見込みという結果も出ているそうです。

中之島線と、同線が走る中之島地区は、このように関西経済活性化の起爆剤としての役割も担っており、今後も益々目が離せません!

はじまりは中之島

2008年10月16日 | 鉄道関連グッズ


京阪中之島線の開業(10月19日)がいよいよ3日後に迫りましたが、その中之島線のイメージソングである「はじまりは中之島」と、中之島線開業日に改称される「清水五条」「祇園四条」「神宮丸太町」の各駅名を歌詞に散りばめた京都がテーマの「鴨リバーサイド物語」の2曲が収録されたCDを、先日購入しました。

京阪沿線を歌った曲としては、平成15年に発売された「出町柳から」以来となるCDです。
私は、今回のCDは発売日(10月8日)のかなり前からアマゾンで注文していたのですが、人気商品(?)だったのか発売日には入手できず、ある意味記念すべき日といえる10月14日(鉄道の日)になってやっと家に届きました。

このCDに収録されている「はじまりは中之島」と「鴨リバーサイド物語」の2曲は、いずれも、京阪が現在展開している“おけいはん”シリーズのCMに森小路けい子役で登場している神農幸(じんのさち)さんが歌っており、とても明るいタッチの曲に仕上がっています。
「はじまりは中之島」は、2~3回も聞くと聞いた後暫くは「はーじまりはー中之島ー」というフレーズと軽快なメロディが頭の中に流れますが(笑)、中之島線のイメージソングなので当然の事ながら、やはり中之島線開業への期待が膨らむ曲です。
「鴨リバーサイド物語」はラテンのノリで、これも面白い曲です。

また、これはかなりどうでもいい事ですが、ジャケットにはボーカルを担当した神農幸さんも写っているのですが、個人的には、以前のおけいはんよりも、現在のおけいはんである神農幸さんの方が可愛いと思います(笑)。
ただ、声質は(これも私の個人的な趣向ですが)前回の「出町柳から」を歌った“中之島ゆき”さんの方が、より透明感があったように思えます。


「はじまりは中之島」

※はじまりは中之島 はじまりは中之島
 はじまりは中之島 あなたと過ごす中之島
 はじまりは中之島 最初のメールあなたから
 はじまりは中之島 水辺の舗道中之島

 なにわ橋駅を出て 中央公会堂の前で待ち合わせ
 少し早めについて 図書館で時計の針を読む
 大江橋はそばに北新地 平日は大人の恋人たち
 今年の冬はあなたと イルミネーションを見たい

 川は流れる 街を映しながら
 私の揺れる心も 映しながら

※(repeat)

 渡辺橋を過ぎると 美術館や科学館に続く道
 プラネタリウムで 二人の星座を探しましょう
 その先は中之島駅 帰りの電車はなぜか切なくなる
 今度コンサートホール 二人で行きましょう

 あなたがいるの いまこの時が好き
 あなたと暮らすこの街 この街が好き

※(repeat)
※(repeat)

「鴨リバーサイド物語」

鴨リバーサイド物語 鴨リバーサイド物語
あなたとすごす夕暮れ
いまは駅も新しくなりました
鴨リバーサイド物語 鴨リバーサイド物語

美術館の帰り 疎水を眺めながら
話すうちにたどり着く駅 いまは神宮丸太町

大阪に住んでる あなたを送っていった
三条前新しくなり 洒落た店に人が集う

鴨リバーサイド物語 鴨リバーサイド物語
あなたとすごす夕暮れ
いまは駅も新しくなりました
鴨リバーサイド物語 鴨リバーサイド物語

舞妓はんを探し 花見小路を往復
まるできのうのことのように ここは祇園四条駅

舞台の上から 見渡したふたりの未来
ライトアップの光浴びた それは清水五条駅

鴨リバーサイド物語 鴨リバーサイド物語

近鉄電車の山陽電鉄乗り入れがほぼ確定!

2008年10月06日 | 近鉄


阪神なんば線が来年3月20日に開業し近鉄線と阪神線が連結されることにより(勿論今月開業する京阪の中之島線も重要な路線ですが)、今、近畿圏の鉄道ネットワークは大きく進化・発展しようとしており、その動きが今年に入ってからは特に活発化しています。
以下は、今年の7月9日に配信された「神戸新聞NEWS」からの転載です。記事のタイトルは「姫路と奈良・伊勢結ぶ 近鉄、山陽に乗り入れ計画」です。

近畿日本鉄道は八日、二〇一〇年春を目標に、山陽電気鉄道に乗り入れる構想を明らかにした。〇九年春に阪神電気鉄道との相互乗り入れが始まり、阪神と直通運転している山陽とも線路がつながることから、両社と調整に入った。姫路と奈良、伊勢志摩を結ぶ計画で、世界文化遺産・国宝姫路城と古都・奈良、伊勢志摩を直結する新ルートは国内外の観光客を引きつけそうだ。(西井由比子)

近鉄の路線網は三重、愛知にまで及ぶが、ローカル線も抱え、鉄道収入の大きな伸びは期待しにくい。プロ野球や遊園地などレジャー・観光事業を大幅に整理する一方、テーマパーク「志摩スペイン村」や、小説「華麗なる一族」の舞台となった志摩観光ホテルなど自社系リゾート施設が多い伊勢志摩を最重点地域に、集客に努めている。

だが修学旅行や団体旅行が多い伊勢神宮は、兵庫県内と乗り換えなしで結ぶJRが使われる場合が多く、山陽への乗り入れで利用客を取り込む。さらにJRが走らない志摩へも呼び込みを図る。

特急や修学旅行専用電車を中心に運行する計画。一〇年以降には奈良の平城京遷都千三百年や伊勢神宮の式年遷宮など大型行事が控え、近鉄の野口満彦副社長は「兵庫から奈良や伊勢志摩を訪れやすくしたい」と話している。


上の記事中にある伊勢志摩というのは、上の路線図の中では宇治山田、鳥羽、賢島の各駅の周辺地域のことです。
そして、以下は先月27日に配信された「MSN産経ニュース」からの転載です。上の記事の続報とも言える内容で、記事のタイトルは「姫路-賢島に直通特急 私鉄最長250キロ、22年にも」です。

来年3月の「阪神なんば線」開業を前に、山陽電気鉄道の山陽姫路駅(兵庫県姫路市)と近畿日本鉄道の賢島駅(三重県志摩市)を乗り換えなしで結ぶ直通特急を走らせることに両社と阪神電気鉄道の3社が基本合意したことが26日、分かった。実現すれば、総延長250キロ超とJR以外の私鉄で最長距離を走る特急が誕生する。特急料金の設定など課題も多いものの、関係各社の間で具体化への機運が高まっている。

阪神なんば線は、来年3月20日に尼崎(兵庫県尼崎市)-近鉄難波(大阪市)を結ぶ阪神の新路線。現在の尼崎-西九条(大阪市)を結ぶ「西大阪線」を延伸して改称する。開通とともに近鉄、阪神が相互直通運転する計画で、三宮(神戸市)-近鉄奈良(奈良市)間を結ぶ快速急行も設ける。
快速急行より速い特急やさらに長い距離の直通運転は、開通時のダイヤに設定されていない。ただ、観光客増加や沿線観光地の活性化に向けて、近鉄と山陽は姫路-賢島間の直通特急に強い意欲を示している。阪神なんば線開業作業にめどがついた時点で、阪神も両社と検討に入るもようだ。

関係者によると、直通特急は当面、修学旅行などの団体旅行向けに近鉄が不定期に運行する案が有力視されている。車両は山陽の駅ホームが短いことに配慮、近鉄の4両編成が投入される公算が大きいという。区間内のトンネルの関係で、近鉄が賢島方面向けに使用している展望車付きの「伊勢志摩ライナー」は投入されない見通しだ。
また、近鉄特急は運賃と別に特急料金を徴収する一方、阪神の特急は運賃だけで乗れるなど制度上の違いもあるだけに、新たな料金制度が必要になるとみられる。

直通特急が走行すれば、近鉄にとって兵庫県内から同社の主力観光エリアである伊勢志摩への観光客増加に弾みがつく。阪神、山陽にとっても、沿線活性化への期待が膨らむ可能性があり、具体的な戦略を描くことになる。
“私鉄最長特急”の誕生は早くても平成22年春以降になる見通しだが、鉄道ファンの間でも話題になりそうだ。


私のような関西圏の私鉄好きにとっては、思わず「やったぁ!」と叫びたくなる、とても嬉しい、明るいニュースですね!
個人的には、山陽姫路と近鉄名古屋との間にも是非直通特急を走らせて貰いたいですが、姫路~名古屋間は新幹線やJR在来線も走っているため需要はそれ程高くはなさそうなので、観光客の増加が見込める伊勢志摩方面と姫路方面とを結ぶ事にしたのでしょうね。

ただ、直通特急は、近鉄線と同じように山陽、阪神、神戸高速の各線内でも有料特急として運転されることになるのでしょうが、上記の転載記事にもありましたようにその際どういう料金体系となるのかは気になる所です。
また、伊勢志摩ライナーが直通特急に投入されない見通しなのは少し残念でもあります(そもそもトンネルの関係で伊勢志摩ライナーが投入できないという理由がよく分かりません)。

それにしても、距離としてはたった3.4kmしかない阪神なんば線が開業することによって、走行距離の総延長が250kmを超える、私鉄としては国内最長距離の特急が走るようになるとは、凄いことですね!

更に妄想を言えば、これはフリーゲージトレイン(軌間可変電車)が実用化されることがまず大前提となりますが、地下で隣接し合っている近鉄名古屋駅と名鉄名古屋駅とを連絡する渡り線を造り、最終的にはその渡り線を通って山陽姫路から豊橋まで直通特急が走るようになれば、もっと凄いですよね!最長距離が更に更新されます。
とはいえ、これはあくまでも私の妄想なので、そもそもその需要や必然性はあるのか?といった厳しいツッコミは御容赦下さい(笑)。