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亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

突然の債務整理

2013-04-30 10:47:27 | 債務整理

月曜日の4時過ぎ,事務所のインターフォンが鳴りました。訪れたのは30才前後の若い男性。

看板を見て債務整理を頼みに来ましたとのこと。確かに,駅前のビルに移転しベランダ部分に看板を設置したので,駅から目に付きます。一通りの調査表を記入してもらい,借入先,借入時期等債務整理に必要な事項を聴取しました。

 さて,彼に対し,通勤電車の中に様々な事務所の債務整理の広告が掲載されていると思うが,何故そこに依頼しようとは思わなかったのですか?と尋ねたところ,遠くなので行くのが面倒とのことでした。

動機を聞いたところ,今月の支払ができそうもなく,督促の電話が携帯にかかってくるのがいやなのでとのこと。

着手金も親からの振込をあてにしているので,給料日の月末になり,それでは受任通知が間に合わないと告げました。聞くところによれば,車を所有しこのローンと思われる銀行に対する返済は親から送金を受けているようです。

私は,債務整理をしても,相当額の返済が3年程度続くので,車の処分を考えてはどうかと告げ,相談を終了しました。

・・・約束の日になっても着手金の入金はありません。どうやら着手金不要の所に再度依頼に行ったかも知れません。

私も,状況から逼迫した人の場合,着手金の入金を待たずに介入することはあります。ただ彼の場合,そのような事情ではないと判断しました。

むしろ,お金で全て片が付くんだというような発想になったら,彼の今後の生活態度上良くありません。

債務整理は,生活改善も含めて説明助言する必要が有ると思います。貸金業者側も,犠牲を払っているのですから,このような過ちを繰り返させてはいけません。

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推定計算

2013-04-10 10:49:35 | 債務整理

先日登記中の二社について,ようやく現在事項全部証明書が取得できました。

結果,一社は代表取締役の変更でした。もう一社は,証明書の全ての記載を見ても変更された部分はありません。

現在事項証明書でしたので,抹消された事項は記載されていません。なので,抹消事項の登記だったのでしょう。

さて,過払金請求を提訴する際の,推定計算の方法について記載するつもりでしたが,何分訴訟中のことなので,訴訟終了後に記述することにします。

実際は,こちらから推定計算をすることなく,被告に対し,取引履歴を破棄した責任を追求して,開示されていない期間の立証責任は,被告側にあると主張しています。

後から,履歴データーが出てきたと発表したレイクの件もありますから。

こちらは,口座振替による返済した事実を立証しています。どのような展開になるでしょう。

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登記中?

2013-04-03 14:06:38 | 債務整理

一昨日,過払金返還請求訴訟を提起するため,被告会社の登記事項証明書をオンライン請求しようとしたところ,2社とも登記中でした。

3月下旬は,定時総会の開催日とも思われないので,役員の変更登記はあまり考えられません。だとすれば,いったい何の登記でしょう?

2社共,大阪のC社のように,地裁に支配人が出廷するための支配人登記を多用している会社ではありません。

債権譲渡登記なのでしょうか?

通常,訴訟に使用する場合,代表者事項証明書を取得します。これでは何の登記がされたのか分かりません。

興味があるので全部事項証明書を取ってみようと思います。

内1社は,推定計算をして請求します。次回は推定計算の方法を書いてみようと思います。

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相殺時に現実の弁済期到来が必要

2013-03-04 16:09:37 | 債務整理

借主に不利な最高裁判決が2月28日に出されました。

相殺と言って,当事者が互いに相手方に対して債権(請求権)を持っている場合に,公平の観点から,このような状態になった時点(相殺適状)に遡って対当額(同じ額)での精算を認めようとする方法が有ります。

 今までは,受働債権(相手方からの債権・こちらにとっては債務)は,期限の利益(弁済期まで返済しなくても良い権利)をいつでも放棄して期限前に返済しても良いわけだから,両債権が対立した時点で相殺できるとしていたものを,この判決では,そんなこと言ったって,相殺適状にあったと主張する時点では,返済を続けていて期限の利益を享受していながら,後に期限の利益を失っていた状態であったと主張することはできませんよ。としました。なるほどと肯ずける理屈であります。

しかし,本件も,既に時効になった過払金を相殺適状時まで遡れば相殺できたという事案です。私は,利息制限法違反の取引をしてきた貸金業者に商道徳の観点からも精算義務は無いのかと思うのです。

しかし,以前お話しした貸金業規制法43条に規定があるために,この取引自体が100%不法な行為と言えないので,不法行為ではなく一般法律が適用される取引として,精算義務を認めないこともやむを得ないのでしょう?

でも,最低でも15%を超える利息を,大変な思いをして連綿として払い続けてきた人には残酷な結果です。

私達は,日常的に債務に苦しんでいた人々の応対をする事が多いものですから,そのように考えてしまいます。

弱肉強食の世界における法律の限界を感じます。

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アイフル控訴審(3)

2013-03-01 14:40:26 | 債務整理

利息制限法制限利率は,強行規定と言って当事者の合意により条件を緩和することはできません。ですから,制限利率を超過する利率の契約を締結し,契約どおりの利息を支払っても,制限利率を超える部分は無効とされるのです。

最初から無効なものは,後から有効にすることなどできないはずですが,おかしなことに貸金業規制法43条などという規定があって,一定の要件を満たせば,既に支払った無効な利息の返還を請求できないというのです。

この要件の一つに任意の支払というものがあって,好きで支払ったのならそれで良いですよというわけです。現実にはあり得ないことで,裁判上この要件を満たすことはほとんど認められなくなり,現在の貸金業法ではこの規定は削除されました。当然ですよね。

さて,私は,和解契約の前提として,制限利率を超過する利率で行った取引結果を前提としているから和解も無効ですよ。と主張しました。 取引の安定を図る為に当事者の合意による和解を尊重するにしても,その前提となるものが法律上の根拠を欠くものであるときは,これを認めるわけにはいきません。つまり,強行規定違反の規約だから認められない。これは,少し抽象的でした。

もう一つの主張として,和解契約に至った依頼者の意思を推測すると,この契約は,支払わなければいけないと思っていた損害金の一部及び今後の利息等を免除してもらえると思ったことが動機で行われました。ところが,これは勘違いでしたから,錯誤により無効を主張します。事実 和解時点で,利息制限法制限利率で計算すると,債務が残るどころか既に過払になっていたのです。錯誤(勘違い)を主張するには,主張する方に重大な過失があってはいけませんが,依頼者はその時点で,利息制限法を知らず,取引経過の開示を受けて計算し直したなどの事実はありません。重大な過失など無いのです。

 結果,錯誤(勘違い)の主張を認めて和解契約は無かったことになりました。

となると,依頼者とアイフルとの一連の取引は制限利率を超過して支払った部分は,貸金業規制法43条の要件を満たさず(始めからこの主張さえしていませんでしたが)原則どおり無効であり,この部分を元金に充当して計算すれば過払になっているので,返還請求を認めますという法律構成の判決になりました。

控訴審判決後先方から連絡があり,支払日までの利息を一円単位で支払ってもらったことは言うまでもありません。

このようなリスクがあるのに控訴するのは,控訴により譲歩を受けて減額を得ている事案があるからだと思います。

無益な控訴を止めさせる為にも,安易な妥協は慎まなければなりません。

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