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亘理のはらこ飯

2019-08-18 09:16:43 | 日記
食品も進化して変わってしまう
 
仙台市から国道6号線を南へ下ると、名取市 岩沼市を経て、亘理町に入る、この亘理町は花や苺の栽培が盛んで、花や苺は段ボールに詰め出荷するが、出荷のための包装機材を、花業者が我が社から購入してくれて、お得意さんも多かった。

花栽培の大手の社長さんと、商売を通して懇意になり、社長宅を訪れ雑談もした。

亘理町は太平洋に面し、土地は平坦 東北だが気候温暖、阿武隈川に囲まれ、のびのびとした土地柄、人情温厚、お人好しとてもいい土地柄だ、そんな事が花 苺栽培に適しているのかもしれない。

秋から冬にかけ卵を抱き脂の乗った鮭が、産卵のため故郷の川を遡上する、住民はこの鮭を釣り上げて、独特の郷土料理を楽しんでいる。
花栽培業者の社長と会談中、「本社の社長も仙台へ来るのか」と質問、年に何回か来ると答える、「11月半ばから12月半ばに本社社長を招待したい、都合を調整してくれ」と言われた、特定業者の招待に社長を巻き込むのもどうかと、思案したが、社長に1泊2日の予定で来仙を要請した。

社長と得意先へ向かうが、招待されては酒はつきもの、社員に運転を任せた、一匹の鮭でこんなにも料理のレパートリーがあるのかと驚き、最後に出たご飯がこれがイッピン「はらこ飯」だった、鮭の旨味を凝縮した今迄味わった事がないご飯。  

鮭の切り身を甘辛醤油で煮込み、煮込んだ鮭をほぐし、煮汁は炊き込みご飯の味付けにする、キノコを少量炊き込む家もある、炊き上がったご飯を桶に移し、イクラが煮えない程の温度になった時に、素早く鮭とイクラを混ぜ合わせて、はらこ飯の完成、素晴らしい伝統の家庭料理だ。

40年以上も前の話、当時は家庭料理だったが、最近は亘理町 仙台市に「はらこ飯」店ができた様だ、お客に提供するため体裁よく形を変えたのか、味付けご飯に、鮭とイクラを載せた物、偽物とは言わぬが、家庭料理とは体裁が違ってきている
 
亘理町は阿武隈川の河口に面し、鳥の海には温泉もあり、平坦地で花やイチゴ栽培が盛んな土地柄
 
苺ハウスも各所に広がる
 
鮭の煮汁をご飯に炊き込み、イクラが煮えない程度にご飯が冷えたら、鮭いくらを混ぜ合わせる、上に炒り胡麻か刻み海苔を少々振りかけ、亘理の伝統的な「はらこ飯」が完成
 

郷土料理も近年、仙台あたりで「はらこ飯」店が増えたようだ、客に出す為体裁を考えたのか、素朴な郷土料理とは違った形態になってきたようだ、40数年も経てば時代の流れで仕方ないか、盛り付けたご飯の上に鮭とイクラを体裁よく載せてある、偽物と言わぬが郷土料理とは違う、これを混ぜたらイクラが潰れ、ぐじゃぐじゃ飯になってしまう、其の儘食べたら郷土料理と味が違うんだなー

 
椎茸にスパゲッテイだか麺を乗せたはらこ飯、偽物以外何物でもない
 
白いご飯に鮭とイクラを載せた偽物、これを鮭イクラご飯と言う
 
本物はらこ飯に添えるお吸い物、新鮮な真鱈の白子、好みによって2杯酢でも3杯酢でも良い、もみじ卸を添えた刺身はイッピン、白子の天婦羅も美味い、我が家の近くで新鮮なのを買えるのは、角上魚類しかない
 
白子汁、白子から良い出汁が出るので、出汁はいらない、単純に葱を添えれば素晴らしいお吸い物ができる、邪魔にならない豆腐なども添えていいかもしれないが、白子と葱のシンプルが一番いい
 

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