老いて楽しく

余生を楽しむ

そば食べ歩記

2014-06-24 08:45:18 | 日記

 

各地の蕎麦1
 
 東に旨い蕎麦が有り、西に名物蕎麦が有ると聞いて、西走東奔する程の蕎麦マニアではないし通でもない、以前はそんな金もなければ暇もなかった、今は金も暇も有るが体力も食欲も減退した、体力 食欲が有ってもそこまで遣る程の酔狂でもない。

 以前は車、鉄道  ツアー旅行によく行った、そんな旅行途中で出会った各地の美味い蕎麦を紹介しようと思う。
 各地其々の食べ方が有るが蕎麦そのものの本質が違う訳ではないので、そう大きくは変わらないと思うが、その土地の寒暖の差、土壌でも香り味が違うのだろうが、小生そこまで繊細に香り味を見分けれる程敏感な舌 鼻を持ち合わせていない、アッこれは美味いと直感的に感じるだけだ。

 各地で旨いと感じた蕎麦は印象に残っているものである、そんな記憶に残る蕎麦をいくつか紹介しよう。
 
 北海道も良い蕎麦が収穫され、旨い蕎麦が有るらしいが、利尻 礼文を含め4回旅行しているが、北海道と言うとついラーメンを連想し、個人旅行にしても、ツアー旅行にしても北海道は海鮮料理に目が行ってしまい、結局北海道では旨い蕎麦を食べた記憶が全くない。
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                  青森   雲谷(もや)峠蕎麦 


 十和田から浅虫温泉へ向かう途中、青森湾を望む雲谷(もや)峠に差し掛かり、そこに一軒の蕎麦を主した茶屋風食堂が有った、年寄り夫婦が経営をしていて、正直なところ料理にはあまり期待はしていなかったが、こうゆう年寄りが打つ蕎麦は年季が入っていて旨いかもしれないと思い、当時若かったので大盛り蕎麦を頼んだ、これが思惑的中、腰の有る旨い蕎麦に、青森湾で獲れた魚介 昆布等で取った蕎麦汁が絶品、蕎麦湯で割った蕎麦汁の味が未だに忘れられない。

 今から40年以上前の事で、此の画像は当時の物でない事をお断りしておく。
 

                        岩手   わんこ蕎麦   

 盛岡から花巻温泉辺りに掛けてよく見かける蕎麦屋は「わんこ蕎麦」が多い。

 小岩井牧場から盛岡の「不来方(こずかた)城」へ行った時に、一度は経験しようと思い、わんこそばに挑戦した、少量の汁に一口の蕎麦、椀が空になるや否や脇から、「はいよ」とか「それ」と掛け声と共に椀に蕎麦が放り込まれる、慣れないと薬味を入れる暇もない、途中からおばちゃんの掛け声も変わってくる、「それいけ」「まだまだ」と催促される、兎に角椀に蓋を被せない限り、延々と蕎麦を放り込まれる、蕎麦を椀に入れられ、口へ運ぶ前に蓋を右手の持って、蕎麦を口に入れたら素早く蓋をしなければならない、20数杯食べただろうか、見ていると20杯位だと少ない方だ、食べるのに追われて蕎麦 蕎麦汁の味は旨かったのかどうか全く記憶がない。

 蕎麦を入れるおばちゃん達の掛け声も其々、聞いていると面白い、わんこ蕎麦は自分で食べるより、蕎麦を入れてくれるおばちゃん達の掛け声もそれぞれ違い、傍で眺めている方が楽しい、中には30杯40杯と椀を重ねるつわものがいる。

 

                  岩手    中尊寺トロロ蕎麦


 平泉中尊寺で忘れられないととろ蕎麦屋が有る、小生仙台に赴任中、七夕の時期や夏休みにはよく人が来た、七夕見物の後、中尊寺へも良く案内した、会社のお得意さん等も中尊寺へ案内した、その時必ず一軒の蕎麦屋へ案内して、トロロそばを振る舞った、食べた人万人がこれは美味い蕎麦だったと感動して帰った。

 中尊寺には表参道を弁慶堂 経堂 覆堂(今の金色堂は鉄筋造り空調完備の覆堂に入っている) 
その昔は木造の覆堂だった、その覆堂が今も残されている、覆堂と書いて(さや堂と読む) 喘ぎながら登った先に金色堂がある、金色堂を拝観して参道を下るが、3分の2程下ったところで、右に分かれる裏街道(月見坂)が有りその中間に「義屋」と言う蕎麦屋が有る、厚手の大きな弁慶塗のお椀にトロロ蕎麦を盛って振舞ってくれた。

 あれから40年以上を経ているので、提供される蕎麦も変わったかもしれないが、今でも繁盛している店だ。

 
                     東京   深大寺蕎麦


 戦後間もなくやっと復興の兆しが見え、物資も少し出回る様になった頃、友人3~4人で深大寺へ遊びに行った、
丁度祭りだったか、境内から周辺道路には露店が出ていた、深大寺そばを食い、露店を冷やかして歩いていたところ、コカコーラと言う始めてみる瓶入りの得体の知れない飲料を売っていた、聞いてみるとアメリカの飲み物と言う、若気の至りと興味で皆で飲んでみる、甘味は有るが何か薬臭い感じで、「ヤンキー」てこんな物が好きなんだといと言いながら、みんな飲んで仕舞った、此の時深大寺蕎麦とコカコーラとの初めての出会いだった。

 その後深大寺を訪れる機会もなく、一昨年ウォ―キングの会で数十年ぶりに深大寺を参拝した、ここへ来て蕎麦を食わない手はない、久し振りだったので「大盛り」を注文、富士山を思わせる高さだった、旨かったが、帰りの歩行では腹が重かった。


 次回は秩父から信州その他を紹介しようと思う。

男の食彩 4

2014-06-15 14:40:24 | 日記
山かけ蕎麦 2

 戦後街から急速に姿を消したのは、「風呂屋、豆腐屋、蕎麦屋」があげられる、以前は何処の街へ行っても1軒~2軒の蕎麦屋が有って庶民が気軽に立ち寄れる食事処だったが、近年急速に数を減らしている。
 戦中 戦後暫く、引越しの挨拶は向こう3軒両隣に蕎麦券を配って挨拶回りをしたものだ、傍へ越して細く長くお付き合いをの意味が込められていたのか。

 蕎麦屋の屋号は非常に数多く有るが「砂場 藪 更科」が蕎麦屋の3大暖簾と言われる、他によく見かける屋号は「生蕎麦 満留賀 長寿庵」等はよく見かけた、何故か蕎麦屋の屋号は「庵」が多かった。
 蕎麦屋の屋号は修業した店の暖簾分けをして貰うのが普通だが、独自で修行して店を持って有名な屋号が繁盛するので、名の通った屋号を勝手に付けられた、その中で砂場だけは商標権を持っていたので勝手に名乗れなかった、故に砂場の屋号は少なかった。
 砂場の屋号は関西の屋号で、大阪城築城の時、今の蕎麦の形態「蕎麦切り」が始めて築城人夫に振る舞われ、此の蕎麦切りが庶民の口に合い、廉価で評判になり一気に普及した、此の蕎麦屋の屋号が砂場だ。

 小生蕎麦を食べる時、そばを蕎麦つゆにどっぷり浸し食べる、それでないと蕎麦の美味さを感じない、蕎麦通に言わせると外道の食い方かもしれない、だが自分の好みで一番旨い食い方が良い。
 先に蕎麦屋の3大暖簾を書いたが、江戸時代から大正にかけて、蕎麦つゆは可也辛かったらしい、それ故に蕎麦をどっぷりつけたら辛くて食べられないので、蕎麦の3分の1か半分浸して食べたもので、それがいつしか蕎麦通の食べ方と言われる様になった、最近は昆布 鰹節と良い出汁に割り下を加え美味い蕎麦つゆが提供されている、どっぷりつけて食べても喉が渇く事はない、通の食べ方でも外道の食べ方でも、自分の好みで食べるのが一番旨く食える。

 山掛け蕎麦のとろろだが、卸す道具も色々有る、銅板に錫メッキをして、職人が鏨(たがね)で一つづつ目を刻んでいく、非常に鋭い目が出来る、プラスチックを型でプレスした卸道具、電動摺り卸し機、便利な器具が数多く有る、此の卸器具の目は鋭くない鈍器だ、鋭い刃で手早く摺りをろす事に依って、繊維も細胞も傷つけない、プラスチックの成形卸機は唯摺り下ろすだけ、繊維も細胞もずたずただ、これで美味い物が出来る訳がない。
 
最近擂り鉢を使う家庭が少なくなったような気がする、擂り鉢で摺る事によって芋の繊維が細かくなり、空気が細かい気泡となって混ぜ合わさり、滑らかになり舌触りが非常にいい、摺る前とよく摺ったあとでは1,2倍くらいに量が増えている、人造り 機械造り 料理作りに手抜きをしたら決して良いものは出来ない。

 鮪の柵を買って来て自家で卸して刺身にする事も多いと思う、鋭利な包丁で一気に引き切り、刺身の角は立ち、繊維も細胞も傷つかず、綺麗で旨い刺身が出来る、切れない包丁で押したり引いたして切れば、形は崩れ繊維も細胞もぐちゃぐちゃ、旨味のドリップも流れだしこんな物食えたものではない、熟したトマトに鋭利な包丁を当て少し引くと皮が切れる、そのまま切れば形よく切れる、切れない包丁を皮に当てて
も切れない2度3度押したり引いたりして切ったら、トマトはぐじゃぐじゃ、こんなトマトはスパゲッテイのソースにしか使えない、切れない包丁の方が手を切り易い、切る、卸す 摺る 如何に手間と道具が大切か。

 前回は蕎麦つゆに山芋に添え物を全部掻き混ぜ、そこへ蕎麦を入れて食べるやり方だったが、今回は蕎麦猪口に蕎麦汁 山芋を加え薬味を添えながら、さっぱり食べるのを載せた。我が家に蕎麦猪口がないので、小さいコップを代用した。

 
左のプラスチックの卸機、機械の型で成形してあるので、卸す刃が鋭利ではない、右の銅板に錫メッキ、職人の手造り品、時価¥5000は下らない
大和芋を卸す時大きい内は良いが、小さくなってくるとぬるぬる滑って非常に摺り難い、百均でこんなグッズを買って来た三角の突起が有って芋をしっかりグリップ、最後まで綺麗に摺れる

ざるそばに山芋摺り卸し 紫蘇の葉3~5枚 好みで大根おろし少々、これは七味よりわさびが良いと思う

 

男の食彩 3

2014-06-08 11:32:40 | 日記
山かけそば 1  
 

 小生麺好きではあるが、蕎麦に対してどうこう蘊蓄を傾ける程の知識はない、麺類をこよなく愛する唯のおっちゃんだ。
 蕎麦は挽きたて 打ちたて 茹でたてが一番風味が有ると言う、だがそれは街中の日本蕎麦屋では望むべくもない。
 地方の街道沿いに有る、こだわりの蕎麦屋へ行くがいい、蕎麦に適した水が有り、自家で蕎麦を栽培し、挽いて打って茹でて客膳に提供する、そんな拘りの店も地方で人気だ、こうゆう店は味 香りに自信が有るから、もり蕎麦を頼むと、麺つゆの他に冷水が添えてある、先ず最初の一箸は冷水ですする事を勧められる、それは蕎麦の香りと味を楽しんで貰う為であり、
香りと味に自信があるからだ。

 小生が自転車で走る狭い範囲の街中で、以前はどこでも見かけた街中の「日本蕎麦屋」が此の10年余りで5軒閉店した、後継者不足か或いはラーメン屋に押されたのか、日本蕎麦屋が衰退したのは否めない。

  そんな中に我が家の近くに頼もしい日本蕎麦屋が有る、所沢 川越道に面した、御園町に有る「たつみ蕎麦」 街道沿いに人家が疎らの頃開店した老舗で、もう50年近くを経る、宴会場も備え大きな店構えで、店の前面のガラス張りの中で蕎麦を挽き、職人が手打ちの実演をする、タイミングが良ければ挽きたて打ち立て茹で立てを味わえる、店は繁盛して池袋東武百貨店名店街に支店を構える。

 こんな老舗の職人には及びもないが、時には自分で好みの蕎麦を食いたくなる、深大寺生蕎麦を自分好みに茹で、大和芋を摺り卸す、此の芋は長芋はいけない、水っぽくて水っ洟の様だ、矢張り粘りと腰の有る大和芋が良い、蕎麦の風味を消さない様に強い香味の薬味は控えた方が良い。

    

  1. 生蕎麦           100g
  2. 大和芋摺り卸       適量
  3. 刻み海苔          4分の一枚
  4. 紫蘇の葉          2~3枚
  5. 揚げ玉           少量
  6. 出し汁            カップ1杯
  7. 七味唐辛子        少量

 
  • 生蕎麦の茹で加減は各自の好みに依る
  • 大和芋は好みに依り生卵を割り込む、すり鉢でよく摺る事によって芋の繊維が細かくなり、芋に空気が混じり細かい気泡となって、卵の卵白と相俟ってふんわり滑らかになる、摺る以前より2割増える。
  • 海苔は蕎麦の風味を損なは無いので良いと思う
  • 紫蘇の葉は少量なら季節の香りを添える事が出来る
  • 揚げ玉は好みに依る
  • 盛り蕎麦 ざる蕎麦は山葵が良いと思うが、此の食べ方は小生は七味が合うと思う
  • 少し下品な感じになるが、山芋とトッピングを全部掻き混ぜ、つるりとした喉越しが好きでこうする
  • 次回違う山かけ蕎麦書こうと思う
 
山かけ蕎麦の素材
芋の摺り卸には後日詳述しようと思う
写真を撮ったり暇を掛けたら出し汁を吸いこんでしまった、もう少し多くて良かった
 
 
 
 
 
 
 

男の食彩 2

2014-06-01 11:50:15 | 日記
    胡麻味噌冷やしうどん
 女房殿が1日外出する「お昼は何も用意していない」と言う、」「気にしないで行っておいで」と送り出す。
 さてお昼何を食べようか、思案の余地は全くない、麺好きの小生麺類を食べるのは決まっているが、どんな麺を食べるかも直ぐ決まった、胡麻味噌仕立ての冷やしうどんを作る事にした。

 我が家は茹で麺 茹で蕎麦は買わない、茹で麺 茹で蕎麦は時間が経っているので、麺に腰がない、そう言ってはお叱りを受けるかもしれないが、駅蕎麦 立ち食いソバは、茹で麺を熱湯で温めて汁に浸け提供される、自分で作って食べるなら、生麺を自分の好みに茹でて食べたいものだ、そうは云っても、外出時小腹が空いた時は時々駅蕎麦もお世話になるが。

 我が家は、生蕎麦 生饂飩 乾麵は常時在庫が有る、陽気も暑かったので、生麺を少し固めに茹でて、胡麻味噌仕立ての汁で、季節の野菜をトッピングする事にした、幸い買い物に行かずに材料はそろった。

  1. 生饂飩 100g
  2. 炒り胡麻小匙2~3杯
  3. 味噌少量
  4. 出し汁 カップ一杯 良く冷やしておく
  5. 胡瓜 2分の1本
  6. ミニトマト 3~5個
  7. 揚げ玉 少量
  8. 紫蘇の葉 2~3枚 庭に生えている
  9. 山椒の新芽3~4枚 庭に生えている
  10. みりん 酒 少量
  • 饂飩は自分の好みの茹で加減にする、水洗いしてぬめりを取った茹で立て麺は、飴色に光っている
  • 胡麻は粒がなくなり脂分が出る迄摺るか、好みで粒を残すもよし
  • 摺り胡麻に味噌を加え、よく混ぜ合わせる
  • 胡麻 味噌へ出し汁を少量加え良く摺る、いっぺんに加えると胡麻味噌がだまになってしまい、溶かすのに苦労する
  • 胡瓜は細い千切りにする
  • ミニトマトは饂飩の茹で汁にさっと通し皮を剥き2ツ割に切る
  • 揚げ玉は冷たいうどんの中に有って、カリッとした歯触りが良い食感だ
  • 紫蘇の葉 山椒の新芽は炎夏に食す冷たいうどんに爽やかな香味を添える、氷を3~4個入れるとなおよく冷える、その場合は味を少し濃いめに
 男の食彩先ず横着を考える、1人用の小さな擂鉢で総てを済まし、後片付けの洗い物を極力少なくする。

 

 

胡麻味噌タレ冷やしうどん材料、不器用な小生胡瓜の千切の不揃い

とても人に出せるものではないが、自分で食べるのだから、でも味は抜群、これは自画自賛か