江戸時代の小咄 ある俳人が友人の俳人宅へ年始に行った、気心知れた同志、正月の事ゆえ、座敷に通され、新年のあいさつを済ませた、正月の祝い酒の前に何はともあれ、お茶をと御当主が細君にお茶の用意を命じた、細君 茶の用意をして、客人の湯飲みに茶を注ごうとした時、何かの弾みで土瓶を落として割ってしまった、御当主 妻の粗相の非礼を客人に詫び、『元日早々土瓶を割って、縁起でもない』と妻を叱った。 客の俳人すかさず一句詠んだ 『元日に 貪(土)と貧(瓶)とを 打ち割って 後に残るは 金の弦なり』 と詠んだ。 奥さんの粗相を打ち消し、この家に今年金蔓が残り、御当家繁盛と詠んだのに、御当主 はたと膝を打ち、客の俳人に、『妻の粗相を打ち消し、当家に福を呼んでくれたと』、大いに喜ぶ、この後 正月の祝い酒は、奥さんも交え楽しく話が弾んだ事は言うまでもない。 (注)今では茶を淹れる時は急須が主流だが、江戸時代は土瓶が多く使われていた。 |
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昔の長屋は別にして、一般民家の上り框は、大変高くて、一気に上がろうとすると、足を大きく上げ「どっこいしょ」と掛け声を掛けて上がるようだった、その為 踏み台の石が置かれていた、その踏石の上に、客人の雪駄を奥さんが揃えて置いた。 楽しい酒宴も話も尽きてきて、客の俳人がおいとますることになった。 客人雪駄を履こうと踏み石に足を下した、段差があるため、片方の足に力が入り同時に下腹にも力が入った、思はずそこで「プッ」と放屁ししてしまった、これは大変失礼なことだが、客人すかさず 『プッと出て 顔に紅葉の 置き土産』と上の句を詠んだ、御当主 間 髪入れず 『余りの臭さに 鼻向け(餞)もぜず』と下の句を詠み、大笑いして別れた。 俳人とは機転が利き 頓智もあり 素敵で優雅な人種だ、小生もあやかってユーモアのある人間になりたいと思うが、どうしてどうしてこの年なるも足元にも及ばないぼんくら、せめて人と争いを起こさぬ「好々爺」で居たいと思う。 |
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祝い言葉 | |
正月にはまだ少し間があるが、正月の江戸小咄でも書いてみよう。 元日に熊さんが大家さん宅へ新年の挨拶に行った、大家さん『オー熊さんかい、正月だ上がって茶でも飲んでいきなよ』と座敷へ招じた、正月の挨拶も終わり、熊さんが『ところで大家さん、目出てー句を詠ませておくんなさい』と云った、大家さん『その目出度い句ってのは何だい』と興味を示した、熊さんが『この家を 貧乏神が とり巻いて』と上の句を詠んだ、途端に大家さん『なんだい元日早々我が家を貧乏神が取り巻いてとは縁起でもない』と烈火の如く怒った、熊さん落ち着いて、『まあー大家さん、下の句を聞いておくんなさい』と『福の神の 出所なし』と詠んだ、これを聞いた大家さん「そうかい、今年一年我が家に福の神が居てくれるのかい」と機嫌を直し大いに喜び『おいばーさんや、何か見繕って熊さんに酒を出してあげな』と云った、熊さん大家さんで酒肴をご馳走になり良い気持ちで辞去した。 |
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道でぱったり熊さんと出会った八っつあん、『オー熊公昼から あけー顔して、正月だからいいけど、景気がいいな』と云った、熊さん「なーに只酒よ」と云った、八っつあんこれは聞き捨てならない、「正月から只酒を飲める所なんか有るのか」と熊さんに質した、熊さん『なーに大家さんで馳走になっただけよ』と云う、八っつあん、『あのしわん坊《けちん坊を江戸時代はこう云った》の大家さんが酒をふるまったのに、大いに驚き『一体何をして酒を振る舞われのだ』と聞く、熊さん例の貧乏神の祝いの句を話す「よしわかった俺もその手でごちになろう」と大家さんへ年始に行った。 八っつあん先に福の神を出してしまったので、貧乏神の出しようが無くなってしまった、切羽詰って『貧乏神の 出ところなし』と下の句を詠んだ、酒肴をご馳走になるどころか、丸太ん棒を持った大家さんに、追い回される羽目になった。 |
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人間て同じ意味でも言葉が前後したり、言い間違えると全く逆の意味になったり、相手に不快感を与えてしまうことが有る。 |
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先日 気心の知れた親しき友人と静かな所で忘年会がてら一杯酌み交わそうと云う事になった。 小生のブログはデスクトップのワイド画面で作るため、ノートPC画面では、はみ出してしまうことが往々にしてあります、字が少し小さくなりますが75%画面でご覧ください。 |
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12月半ばと云うのに多摩湖湖畔はまだ紅葉が見頃、矢張り今年は暖冬なのだろう、鳥山敷地内も紅葉が見頃 | |
鳥山敷地内の紅葉 | 広い敷地内に受付が有る、可愛い女将が対応する |
広い敷地内に点在するバンガロー風個室 | 個室内部、雑音にj邪魔されず外の景色を見ながらの食事 |
何はともあれ、料理よりこれがなければ物事は始まらない、酒は人を朗らかにし楽しい会話の糧になる、愉快に楽しもう | |
磯の便り | 里の宴 |
炭火でじっくり焼く加減を待つ間が楽しい | 生もの刺身の盛り合わせ |
四十七士討ち入りの日 |
日本の歴史の中に3大仇討と云うのがある、1つは親を弓で殺害され、仇 工藤 裕経を富士の巻狩りの時に、曽我の五郎 十郎兄弟が討ちを果たし本懐を遂げた. |
太平洋戦争始まる |
小生も古い人間になったのか、太平洋戦争をつい大東亜戦争と云ってしまう、「八紘一宙」を唱え世界を一つにと壮大な理想を掲げ74年前に戦争が始まった。 |
人の一生は幸より不幸の方が多い,得てして不幸は重なる事が多い。連続してよくないことが起きた時に使う言葉は沢山ある、「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」「弱り目に祟り目」「一難去って亦一難」枚挙に暇がないが、大したことではないが自分の身にも最近起こった。 |
世田谷区奥沢に「九品山 浄真寺」が有る九品仏と云えば誰もが知る有名なお寺である、このお寺の広大な敷地の中に大きな祠の中に、閻魔大王が鎮座している、この大王に嘘を吐いたら即地獄行きだろう。 |