先日児玉の「さざえ堂」を見学した後、妻沼の国宝「聖天院」へも足を伸ばした、埼玉県では唯一 建造物の国宝で、貴重な存在だ。 妻沼の東照宮と言われるが、東照宮とは根本的に違う、東照宮は将軍家と言う絶大な権力と、 莫大な富を持ち、全国各大名からの寄付も有り、短時日に贅を尽くして建立された。 妻沼の聖天院は、地方の一豪族が地域の住民の安寧と信仰のよりどころとして、広く浄財を集め、 25年の長きに亘って完成した、奥殿が完成の後、中殿建設の時は、資金も少し乏しくなり、奥殿と 比べると装飾が少し質素になる。 壁面の彫刻は繊細で丁寧、一つひとつユーモアなストーリーが有り色彩も豊かで楽しい、 拝殿 中殿 奥殿と一体になっている、拝殿は護摩を焚く時など一般の人も昇殿出来る、 中殿はお寺のお坊さんは入れるが、奥殿はこの寺の住職以外は入れない。 境内も広く、貴惣門 中門 仁王門と有り、比較的近い所に歴史と建築美を見る事が出来る、 必見の価値ありと思う。 |
先ず貴惣門が迎えてくれる、此の門も前から見ると何の変哲もない、 普通お寺に有る総門だが、二層になって非常に重厚さ感じさせる。 |
此の貴想門も脇へ回るとその特徴が、一目瞭然、破風が三つ二層になっている、 他に国内にもいくつかあるようだが、非常に珍しい建築様式。 |
此の門の扁額にこう書いてある「皆與願満足」此のお寺にお参りに来る時は、 必ず何か悩み事を持って来なさい、帰る時は願いを叶え、満足を与えてお帰り 願うと言っている、 |
裏から見た貴想門 |
中門 門柱の真ん中まで白くなっているのがはっきり見える、天明3年の大水害には、此の高さまで水が来て、この辺一帯が大変な被害を受けた。 |
仁王門、尋ねた時は菊の花の真っ盛り、境内で菊花展が開催されていた。 |
暮れなずむ秋の日、鐘楼に鈍い秋の落日が差し込んでいた。 |
聖天院拝殿前、奥殿の華やかな彫刻は見られぬが、白木に見事な彫刻が 数多く施されている |
拝殿の権現作りの破風と屋根、金の飾りが夕陽に輝いていた |
東照宮には左甚五郎の「眠り猫」が有名だ |
聖天院の猫はぱっちり目を明き、左上の蝶蝶を狙っている、だがこの蝶蝶 蛾のようにも見えるし、蜂の様にも見える、左上の黒いのがお分かりですか |
縁側の下4隅には大きな龍頭が建物を支え、守っている |
以下壁面彫刻を数点掲載、其々童子が楽器を鳴らしたり、踊りを踊ったり 楽しげに遊んでいる |
最後に拝殿と中殿を紹介 |