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『呂氏春秋』巻十一仲冬紀

2017-10-06 10:18:42 | 四書解読
巻十一 仲冬紀

一 仲冬

一に曰く。仲冬の月。日は斗に在り、昏に東壁中し、旦に軫中す。其の日は壬癸、其の帝は顓頊、其の神は玄冥、其の蟲は介、其の音は羽、律は黃鐘に中たる。其の數は六、其の味は鹹、其の臭は朽。其の祀は井(底本は「行」に作るが、孟冬紀により、「井」に改める)、祭るには腎を先にす。冰益々壯んに、地始めて坼(さける)け、鶡鴠(カツ・タン、やまどり)鳴かず、虎始めて交わる。天子、玄堂の太廟に居り、玄輅に乘り、鐵驪(青黒色の馬)を駕し、玄旂を載て、黑衣を衣、玄玉を服び、黍と彘とを食らう。其の器は宏にして以て弇なり。有司に命じて曰く、「土事作すこと無く、蓋藏を發すること無く、大衆を起こすこと無く、以て固くして閉ざせ。」蓋藏を發し、大衆を起こさば、地氣且に泄れんとす。是を天地の房を發すと謂う。諸蟄則ち死し、民に疾疫多く、又隨うに喪を以てす。之を命づけて暢月と曰う。是の月や、閹尹に命じて(高注:閹は宮官、尹は正)、宮令を申ね(「申」は“かさねる”と訓じ、周知徹底させる意)、門閭を審らかにし、房室を謹み、必ず重閉せしめ、婦事を省き、淫するを得ること毋からしめ、貴戚近習有りと雖も、禁ぜざること有る無からしむ。乃ち大酋に命じて(高注:大酋は酒を主る官なり)、秫稻(ジュツ・トウ、もちあわと稲)必ず齊え、麴糱(キク・ゲツ、こうじ)必ず時にし、湛饎(シン・シ、高注:「湛」は「漬」、「饎」は「炊」。米を水につけて炊くこと)必ず潔く、水泉必ず香しく、陶器必ず良に、火齊必ず得しむ。六物を兼ね用うるや、大酋之を監して、差忒(サ・トク、まちがい)有ること無からしむ。天子乃ち有司に命じて、四海の大川・名原・淵澤・井泉に祈祀せしむ。是の月や、農に收藏積聚せざる者有り、牛馬畜獸、放佚する者有れば、之を取るとも詰(なじる)らず。山林藪澤、能く疏食を取り、禽獣を田獵する者有れば、野虞、之を教導す。其の侵奪する者有れば、之を罪して赦さず。是の月や、日短かきこと至り、陰陽爭い、諸生蕩く。君子齋戒し、處れば必ず弇い、身は寧きことを欲し、聲色を去り、嗜慾を禁じ、形性(心身)を安んじ,事は靜なるを欲し、以て陰陽の定まる所を待つ。芸(ウン、高注:「芸」は蒿菜(よもぎ)の名)始めて生じ、荔挺(レイ・テイ、おおにら)出で、蚯蚓(キュウ・イン、ミミズ)結び、糜角解け、水泉動く。日短かきこと至れば、則ち林木を伐り、竹箭(セン、やがら)を取る。是の月や、以て官の事無き者(無用の官職)を罷め、器の用無き者を去り、闕庭門閭を塗り、囹圄を築く可し。此れ天地の閉藏を助くる所以なり。仲冬に夏の令を行えば、則ち其の國は乃ち旱し、氛霧(底本は「氣霧」に作るが、『月令』では、「氛霧」に作るので改めた)冥冥、雷乃ち聲を發す。秋の令を行えば、則ち天時に汁を雨らし(『月令』の注に、「雨汁」とは、雨雪の雑じり下るものなり、とある。みぞれのこと)、瓜瓠成らず、國に大兵有り。春の令を行えば、則ち蟲螟(穀物の害虫、くきむし)敗を為し、水泉減竭し、民に疾癘多し。

二 至忠

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