ゆっくりかえろう

散歩と料理

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ブルダック

2014-02-16 | ランチ
 鳥の辛味炒め 韓国料理は辛いですが ここは辛くないものも提案しています。

 これも見るからに辛そうですが 中身は日本人でも大丈夫でした。

 日本酒、ビール マッコリなんでも合うと思います。

 

 

信長の首 4

2014-02-16 | フィクション
 信長の寝所がある本陣 本能寺は現在地より やや西南にありました。

 あらゆる宗教を否定する信長ですが パトロンとしての法華宗 ひいては京都の押さえとしての法華宗を利用して 持ちつ持たれつ利用していました。

 ここは皇居からも近く 公家や有力町衆の住まいや本家からも近く 加えて交通の要所ですから 守りやすく快適でもありました。

光秀の軍勢は怪しまれること無く 街中を進み いきなり本能寺に切り込みました。

 「朝敵、織田三郎信長、惟任日向守十兵衛光秀が 朝命により 征伐に参り申す」


 本能寺のものは 殿様が寝るまでは 寝るものが無く 全員起きており 蜂の巣をつついたような騒ぎになりますが 側近のものは数少ないながら 多勢を相手によく戦ったといいます。

 このときの信長の様子が語られていますが あれは後の世の創作だと思われます。

 ただ 信長は女子供を逃がし 光秀もこのとき女子供には手を出さなかったそうです※1
  
 信長は捕らわれ 寝所で切腹することになり 光秀の娘婿秀満が介錯することになりました。

 信長は白装束をまとい(夜衣でもあります)不敵に笑っておりました。

 「いつもながら気味の悪い」 「死ぬのを恐がって居られぬ」「不敵なお方じゃ」

 「よく見ておれ これが第六天魔王の切腹のやりかたぞ」

 信長は見事 腹を縦横十文字に切り 返す刀で横様に自分で自分の首を切り落としたという。

 「あっ」という間だった。

 「なにをしている その首をその刀で突き刺すのじゃ 早くせい」

 光秀の引きつった声が寝所に響き渡ったが 死んだものの首を更に突き刺すことは武士として躊躇われ迷っていると 

 「何をしておる、」と光秀が秀満の刀をひったくって 転がった首めがけて突き刺した。

 ・・・と思ったら、首はするりと転がり やがて天井へ舞い上がった、

 「はははははは」「ははははははは」寝所にいるものはみな震え上がり あまりの恐ろしさに足が動かなくなってしまいます。

 「まさに鬼の子信長」 

 光秀はあまりのことに恐れおののいたが 槍と薙刀を持って来させ 飛び回る首を刺し落としましたが その間に首は三人の雑兵の首に噛み付き 食いちぎり笑っております。

 「バケモノめ!」

 信長の胴体はといえば その間座ったまま首が戻ってくるのを待っているかのようです。

 あたりは血の海です。

 首は槍の剣先で突き刺され 尚 笑っています。

 信長の首はいいました。「義昭公より預かってきた宝刀で突き刺すがよい それが将軍家に代々伝わる 童子切りじゃ」

 「わしは童子切りでしか滅びぬ。早く眠らせてくれ」

 光秀は判然としないまでも 義昭から預かってきた童子切りで鬼のかしらを突き刺した。

 とたんに 頭は力をつけ口からは火を吹き また舞い上がり 今度は寺の天井を焼き始めた。

 「たばかったな!」光秀は首に悪態をついた。

 「鬼は人を騙さぬ、騙したのは本物の刀を出し渋った 足利義昭じゃ」「そのお前の手の中の刀は 本物を呼ぶ呼び刀、本物はその刀と対を成す脇差しの方なのじゃ」

 「脇差は直刀(そりの無い刀)で 目立たぬが宝力があり、そりの或る大刀は脇差を探す呼び刀 そしてわしを復活させる刀じゃ」

「さても窮屈な信長の身体は飽きた、次の身体を捜しまいらせん」


 寺は天井から火を吹き 鬼の首はさらに火を噴き 崩れる建物から 北の空へ飛んでいきました。

 このあと光秀は信長を滅ぼした大義名分が立たず 血迷った挙句あのような見苦しい行動にでてしまいます。

 信長の正体があの酒天童子だと見破った人は沢山いて 信長の子供の頃は 鬼の子と呼ばれ。浅井長政父子のしゃれこうべで酒を飲んだエピソードはいかにも鬼らしい 大江山の物語を彷彿とさせます。


 さて首はどこに行ったのでしょう?

 光秀が回り道した 丹波 山城の国境 大枝(おおえ)の坂(今で言う老の坂)の脇の街道には 首塚大明神が今でも祭られています。

今では小さな祠ですが 首から上の病に効くというありがたい神社ですが 祭られているのは 酒天童子の首塚だそうです。

宝刀童子切りは信長の手には渡らず 足利将軍家から秀吉 家康に渡り 今は東京上野の国立博物館に名物童子切りとして伝わっております。


 (この物語はフィクションです)

  ※ 1 (一応フィクションで話はすすんでおりますので 無粋なことはいわないでくださいね 揚げ足とりさん)