休日は足の具合がよかったので 半日おさんぽ 京都東山を散策します
修学旅行気分で 昔 先生に連れられたところをめぐります
バスに乗り祇園まで そこから坂道の緩やかなところを選んで
ぶらぶらと清水寺を目標に歩きます
観光パンフレットでよく見る風景
私が撮っても 同じような風景になる
おもしろーい と感嘆します
カメラがいいのか 景観がいいのか
たぶん両方だと思います
朝食を食べずに出たので お腹がぺこぺこ
足が元気なうちに 二年坂 三寧坂と歩き
清水寺の脇の茶店まで行って 付近の石垣に座りひと休み
あーつかれた
汗がひいて 寒くなったところで 開いていた茶店で きつねうどんを食べます
空腹で食べるうどんは このうえなくおいしい
素朴な昔ふうのうどんだけど とんがったところがなくて
ずっと忘れていた 懐かしいほっとするような味
お店の人にお聞きしてみると 百年も続いている茶店だとか
百年続くということが どんなにすごいことか 想像がつきません
お店の人は「このへんはどこもそうですよ」と
こともなげに答えておられました
お腹がくちくなったところで 清水寺を参拝
おー こんなにりっぱだったんだ
子供のときの感想とは大違い
あの頃より少しは知識が増えて 新鮮な驚きがいっぱいあります
かえりは全てくだり
みやげ物を覗き 和菓子を試食させてもらったり ちゃわんや小皿や 湯呑をみたり
大人の遠足は勝手な道草ができるのもいい
電柱のない街並みに感動して写真をとります
今日はコイツとコニカのパール2を持ってきています
ローライフレックス2.8F クセノター
コニカパール2
歩き疲れる前に喫茶店にはいります
お店は店頭にわんこが座っているあのおみせ
テラス席でわんこの背をなでながらひとやすみ
フイルムを2本使い切って 足も疲れたので清水道からバスに乗って
東山を後にします
足が痛くなってもうリミット
お昼も過ぎてどこも食堂は空いています
遅い昼食は奮発して 南座よこの松葉さんへ
定番のにしんそばは 予算オーバーでしたが 値打ち充分でした
よく煮込まれた甘辛い棒にしんと あっさりした温かいそばが
歴史を感じさせる出会いモノの妙
乾物つかいのうまい京都人らしい名物です
普段使いの食べ物にするには ちょっと豪華ですが
歌舞伎の観劇に食べる ハレのたべものにいいかも
家族へのお土産は わんこの喫茶店の向かいのきんつば
その場で作っていて 小倉あんや くろまめなどいろいろありますが
私のお勧めは芋のきんつば 甘さを抑えたさつまいもの素材がそのままでて
とっても美味しい
お供え物のぶんとで3つ買いました
大人の遠足
子供の頃連れて行ってもらったところも 大人になっていってみると
視点が違ってまた新しい発見がありますね
暑かった今年の夏は 夏ばてしてしまい 家で過ごすことが多く
しぜん足が萎えてしまい 歩くのがつらくなります
ブログでは沢山写真をだせていますが 写真は撮り貯めがきくので
あたかも元気そうに歩き回っているように見えます
涼しくなってから 休日は歩くようにしていますが 時すでに遅し
歩き出すとすぐ息が上がるし 足は重い
それでも頑張って歩かないと 事態は悪くなるばかりなので
悲鳴を上げる足をだましだまし動かします
歩くだけだと飽きてしまい 歩かなくなるので なにか目的を持つと良い
カメラ散歩をすると 疲れを忘れてしまうし 撮影のテンポが歩くテンポとシンクロして
ゆっくりのんびり時間をかけて歩けます
もうひとつ なにか美味しいものを探す散歩にすると 楽しみが増えます
観光地のうどんやが かなり良いことを発見しました
ありきたりの観光地のうどんやがいい
昔なら行かなかったようなおみやげ物店のとなりに ”いかにも!”
という感じの古いお店ですが 案外街にある 今はやりのうどん屋と違い
もう忘れてしまった昔風のうどんがなかなか良いのです
上方うどんがここに残っていました
お寺の茶店ふうだったり 団子やや甘味やの軽食メニューだったりします
うどんですが カツオや昆布はほどほどで だから醤油も控えめ
全体に控えめな味付けですが でしゃばらずうまみも過剰にならず
あっさりしているのがいい かけうどんやきつねうどんをたべます
食事をおえて また歩き出します
足の裏が腫れて 部分的に痛くなったり つっぱったりします
靴があわないようです
左足をひきずったり 靴擦れができたりします
こうなれば仕方なくバスに乗ったりタクシーを使ったりしますが
こうなる前に休憩の回数を増やし足を休めます
判りやすいネーミングで そのまんまの料理
白いご飯を丼に盛り 焼き豚を一面に並べ そのうえに
目玉焼きが乗ったメニュー
味付けは甘いめの焼き豚のタレ
焼き豚が堅い タレが甘いと好き嫌いが偏ると思いますが
ハマれば好きになるかも
味は想像どうりで 意外性は少ないですけど
なんでも今治の名物料理だそうですが 港町にも上陸していました
メインの焼き豚玉子飯に スープとサラダがついて500円なら
ファストフードとしては 優秀だと思います
変にいじってなくて過剰なうまみもない(ように感じます)
安さもあって充分界隈の店に対抗していけそう
周りのライバル店は 行列の出来るカツ丼やをはじめ 実力店が多いです
サバでカレーが出来るなら ぶりならもっと美味しいだろうと
作ってみました
ブリのアラをきれいに洗って 軽くゆでてからまた脂を落とす為
もう一度洗います
鍋にぶり たまねぎ じゃがいも 生姜 人参 をいれて軽く茹でていきます
酒かすをお湯とともにミキサーで細かくします
量が少ないのですり鉢で摺ってもかまいません
酒かすの量はかす汁の1/4くらいの量です
簡単にいうと薄い粕汁でカレーを作る感じです
だしは和風にカツオでとります
ソースやケチャップやブイヨンはいれません
味のベースは醤油味で 白味噌を入れても美味しいです
ブリの粕汁カレーともいうこのカレーですが けっこう美味しくできますよ
ポイントは酒かすを滑らかにすり延すことです
休日のランチ
昨日の残りもので一品
昨夜は奮発して松茸ご飯でしたが いまいち好みの味じゃなかったのか
あるいはたまたま お腹が減ってなかったのか 家族の売れ行きが悪く
残ってしまいました
そこで和風オムライスにしました
松茸ご飯じゃなく 普通の炊き込みご飯でもできるメニューです
炊き込みご飯は味がついているのでそのまま使います
レンジで暖めておきます
卵一個を薄焼き卵にします
フライパンを温めます
油を多めに入れて鍋に行き渡らせ 余分を戻します
フライパンをかなり熱い目に熱し 火を止めます
そこへよく溶いた卵液をいれます
卵をフライパンの隅々まで行き渡らせます
火を止めていますから 慌てることはありません
なるべく薄く広げたら そこへ温めておいた松茸ご飯を丸く入れて
その上に皿を伏せるように被せます
皿を押さえフライパンごとひっくり返し皿の方へ たまごを乗せたご飯を乗せます
こうすれば難しいフライ返しも要らないし 卵も破れにくいと思います
形が悪ければこのときフライ返しで形を整えてください
残りものの 澄まし汁がありました
松茸ご飯の添え物です
これにきのこ(椎茸でも 舞茸でも キクラゲでもなんでもいい)をいれて
片栗粉でゆるくとろみをつけて 生姜をすって あんかけにし
オムライスにかけて出来上がり
醤油とみりんをいれてアクセントにしたら 充分あんかけたれになります
スープがなければ 松茸の味お吸い物かなんかを使って
醤油とみりんを足せば あんかけたれのベースになりますよ
私はやらないですが。。
米を炊くときの水加減は 昔から言われていることがある
鍋に水を入れ水面から米までは指の第一関節までの深さだという
米の1.2倍が水の量だと書いてある本を見かけるが
新米と古米は水加減が違うから これは当てにならない
本来は洗ってしばらく置いておいた米(洗い米)と同量が判りやすい
洗った米は水で膨れて体積が増えるので 古米も新米も同じように扱える
これだと米の量が1.2合だとか 2.4合でも水加減は難しくないと
先輩に教えてもらった
米は洗ってすぐは炊いてはいけない
最低30分は置いて ふやかさないとうまく炊くことが出来ない
水は豪華にミネラルウォーターを使う
燃料はカセットコンロ 鍋は普段つかいのゆきひら鍋
きっちり閉まるふたがないと ご飯は炊けない
火加減は昔から言われるのは
「はじめちょろちょろ なかぱっぱ 赤子泣いても蓋取るな」
のとおり 始めは強火で 沸騰して吹きこぼれたら中火におとし
やがてかすかに焦げた匂いがしてきたら 火を止めてしばらく蒸らす
蓋は取ってはいけないというが 一回くらいなら中を見るのに
とっても大丈夫
人によっては最初から最後までとろ火で炊いたり 中火で通したりする
やり方もある
火を切るタイミングは 蓋を押さえていて ぴちぴちと振動が伝わってきて
かすかに米がはじけているような振動が伝わってきたらそろそろ
火を止めるすこし前で やがて香ばしい焦げた匂いがしたら火をとめる
鍋でご飯を炊くなんて何年ぶりだろう
学生時代 コッフェルで炊飯して以来か
昔に比べて米を食べなくなった今は そのありがたみや
美味しさは忘れがちだ
だからもう一度火で炊いてみたかった
昼からライフラインは切れたままだ
停電が続き ガスも不通 水道さえ止まったまま水も出ない
夕べのこと
「なあおい もしも明日 死ぬ運命だってわかったら 何が食べたい」
夕べは同僚二人との飲み会で 何気なく訊いてみた
会社の同期の三人は 仲が良くてよく食事を共にする
「俺はねえ 横浜中華街の○○飯店の満漢全席を腹いっぱい食いたいなぁ」
安田は得意そうに言った
「おまえ満漢全席って 意味を知っているのか」
安田はどちらかといえば 安うまグルメ派で とにかく腹いっぱい食べれば
幸せという 食べ放題マニアだ
「こないだテレビでやってたぞ 食べ放題のバージョンアップだろ?」
やっぱりそうだ テレビの情報なんかななめで聞いていて 食べる場面だけ
しっかり憶えてやがる
でもこいつ流に約せばそういうものかもしれない と僕は苦笑した
「あのなあ 満漢全席というのはだな・・・」
安田は僕の前で手を振って
「もういいお前の話は長い 食べ放題なら何でもいいの 俺は」
「だってあれは 準備するのに何日も いやもっとかかるもんだぜ」
少し僕も嫌味だったかもしれないけど あしたすぐに食べられないって
言いたかっただけなんだけど
「じゃああきらめる 駅前のホテルのバイキングでいい とにかく腹いっぱい!」
駅前の 昔で言うなら地方の旅籠みたいな存在の ホテルチェーンのひとつだ
会社の忘年会や新年会はいつもここを使う
お互い安月給だから僕もそうだが 中華→食べ放題といえばここしか浮かばないのが
悲しい
「じゃあおまえは?」
もう一人のメンバー高山に聞いてみる
彼は同期のなかでは出世頭で 僕達より少し偉くて 部下も一人いる
でも同期は同期 三人でいるときは 上も下もない
「ああ 俺か 俺はトゥールダルジャンがいい」
「お前も現実的じゃないねー 判っていってるのかよ」
「あー うるさい 嫌味なやつだなー お前」
高山は高級レストランに憧れている
といっても食べ物のことはほとんどわかっていない
たぶんテレビで見た情報なんだろう
「俺も 駅前のレストランのフレンチフルコースでいい!」
怒らせてしまった
「じゃあおまえはどうなんだ?」
「そうだそうだ!」
二人は興奮して訊いて来る
「僕はだな 白いご飯!」
僕は即答する
「ああん?」
二人とも怪訝な顔をする
「白いご飯だぁ?」 「お前はおかしいんじゃないのか?」
「さんざんおれたちの事をバカにしやがったくせに」
「最後の晩餐にたべたいものが 白いご飯だとぅ?」
「なぞなぞやってんじゃないぞ ぼけたこといってんじゃないぜ」
「しっかりしろよな ボケるにははやいぜ おい」
「ははははは そうだそうだ」
「だいいちこの平和な世の中で 何があるというんだよ」
「戦争か 隕石襲来か それとも宇宙人が攻めてくるのか?」
「わが国は強いんだぜ 負けやしないさ」
「地球防衛軍もいるぞ ははははは」
飲み会は僕のせいで なんだかへんな終わり方をして
おひらきになった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その翌日 起きてテレビをつけてみると 世間はちょっとエライことになっていた
かねてより仲の悪かったN国とS国が戦争状態にはいった
わが国はS国と同盟を組んでいたので N国との戦争に巻き込まれた
N国がわが国に宣戦布告をした
昼ごろN国は わが国に向かって ミサイル攻撃をしてきた
核兵器はもっておらず 最悪の事態にはならないとみんなが思ったが
現実はそんなに甘いものではなかった
ミサイルは弾頭に普通の火薬が入った爆弾を積んでいて 威力の弱いものだと思われたが
狙いは原子力発電所をピンポイントで狙ってきた
狙われた原子力発電所は どれも火を噴き 真っ先に給水施設がやられた
施設はゆっくりと熱を帯び 核融合に向かってまっしぐらに進んでいった
わが国はパニックになった 国民も政治家も軍隊さえ浮き足立ってしまった
あちこちの原発が火を噴いた もう手のつけようがない
逃げようにも逃げられない 沢山の人が飛行機に 船に鉄道に殺到したが
パニックになった人々の操る交通施設はまともに機能しなかった
この国には 逃げるところがなかった
全国くまなく原発があって 今からでは避難しても助かると思えなかった
そろそろご飯が炊ける頃だ
充分蒸らしてから 蓋を開けてみた
いいにおいがあたりにたちこめ
白い湯気が熱とともに視界を真っ白に染めた
僕は茶碗の用意をして ご飯を高く盛り 玉子を溶いて醤油を入れて
ご飯にかけた
両手をあわせ合掌
「いただきます!」
顔が熱を帯び頬がひりひりしてきた そろそろ熱風が届く頃か
北の空が真っ赤に染まってきれいだけど 夕陽だと思ったそれは
おおきなきのこの形をした雲だった
生きてるあいだに せっかく炊いたご飯をたべきりたいな