旧東ドイツのカメラです。
元ドイツ帝国のカメラたちは 戦後二つに分かれてしまいました。
西側のカメラは自由主義世界でさかえ それぞれ発展していきましたが 東側のカメラメーカーは 一部の例外を除いて ほとんどが国営化してしまいました。
ペンティはその中の一台ですが 東側カメラの無骨さににあわず フランスかイタリアの香りがするおしゃれなカメラです。
このカメラはライカ版のフィルムではなく アグファカメラが提唱した「ラピッドフィルム」というカセットに入ったフィルム規格のカメラです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/77/ae/481870cbe3f04a487a82ef82a38bb73e_s.jpg)
カメラ内部です
左下のカセットがラピットフィルムのカセットで もう片方はカメラの右側に
セットしたのが見えますね
このカセットの内部は空洞で芯がありません
この中に芯のない素のままのフィルムを入れ 反対側のカセットに送り出します
ダブルカセットで送り受けするわけです
いま使うならフィルムは35ミリを使い 暗室で手でつめます
12枚分でいっぱいですが 写る幅はハーフサイズなので 大体24枚ぶん撮れます
手でつめるのは難しそうですが 実はそうでもなく 暗室(暗袋)で
35ミリフィルム(24枚撮り)から直接 手で(手袋をして)送り込みます
だいたい詰め込んで 入りにくくなったところでやめます
きっちり入らなくて 22枚分とか20枚分とか半端でもいいのです
残った分は他のカメラで使えばいいので きっちり24枚分計る必要はありません
写し終われば逆の手順で他の余りのパトローネにテープで繋いで現像に出します
カメラはピント目測あわせ シャッタースピード 絞り 全部手動設定のフルマニュアルカメラ
レンズもあまり複雑じゃなくシンプルな(3枚玉或いは4枚?)構成ですが
写りは悪くない
それとカメラの左側面から飛び出た棒ですが これをカメラ側に押し込んで
フィルム送りとシャッターチャージをします
シャッターを押すと またこの棒がぴょんっと飛び出てきます
撮影はこの繰り返し おもしろいですね
この巻上げ方法はフォクトレンダーのビテッサによく似ています
連動しない単独露出計が備わっているようですが うちのは壊れていて作動しません
もともと古いカメラなので露出計は当てにしていません
おもちゃっぽくて どこか懐かしく可愛らしいカメラです
裏返すとせっけん箱みたいですよ
色は金色と銀色があります