ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ: 伝統を誇るオニオン市場

2015-10-11 22:03:32 | 日記
2015年10月11日(Sun.) 一昨日(9日)のドイツ情報です。 ドイツの中部にあるテューリンゲン州にあるヴァイマール(独立市)での伝統的な行事を伝えています。 (ニュースソース: DW-DE)




<原文の一部>

Traditional onion market in Weimar

ヴァイマールでの伝統的なオニオン(玉葱)市場


For the 362nd time the famed Thüringen onion market will be expecting hundreds of thousands of visitors this weekend. Even Goethe was once a fan.

第362回を迎える有名なテューリンゲン(州)・オニオン・マーケットは、この週末、数十万人の人出が予測されています。あのゲーテもかつてはファンだったのです。






The onion is the star of this annual show held on the second weekend of October. No mere vegetable are these beauties; plaited together in the traditonal ways and decorated with dried flowers. More than 500 market stands have already been set up in the town center. And a variety of musicians will provide music on several open-air stages. The market was first recorded in 1653, when it was known as the "Beasts and Onions Market." The townsfolk regularly bought their winter provisions at the market. Germany's national poet, Johann Wolfgang von Goethe visited the market right in front of his house on the Frauenplan. He liked to attach ropes of onions to his writing desk, as well as hanging them elsewhere as decoration. Onions are good for you, the poet liked to say.

オニオンは、恒例の10月の第二週末に開かれるショーのスターです。大切な野菜は美しく、ドライフラワーなどと一緒に伝統的な方法で飾られます。500以上の店が既に街の中央に立ち並んでいます。そして、いくつかのオープンエアステージでは、様々なミュージシャンが音楽を奏でます。このマーケットは、1653年から始まったと記録されており、当時は、獣類(肉類か)とオニオンのマーケットとして開始されたそうです。当時、市中の人々は冬のための食材をここで買い求めました。ドイツの国家的詩人でもあるゲーテ、彼も住まいの Frauenplan から訪れていました。彼は、書斎机にオニオンロープをつけるだけでなく、オニオンもぶら下げていました。そして、ゲーテは「オニオンは貴方にとっていいですよ」と言うのが好きでした。


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ビールの祭典であるミュンヘンでのオクトーバーフェスタについては、このブログでも数回にわたって紹介させていただきましたが、このヴァイマールでのオニオン・マーケットについては、私は知りませんでした。

しかも、歴史的には1653年から続くとされていて、正に、伝統と歴史を感じさせます。行って見たわけではありませんが、週末開催と書かれていることから、2日間ほどで数十万人の人出と言うことは、16日間でおよそ6百万人のミュンヘン・オクトーバーフェスタに迫る賑わいなのでしょうね。


30年戦争が1618~1648年、従って、1653年から続く・・・と言うことは、30年戦争直後から始まったとも言えそうです。当時は、まだ300からなる領邦国家時代でもあり、様々な形態の自治国家群だったのでしょう。そうした歴史的背景が現代にも継続するところがあって、伝統的なもの・ことが守られてきているのだろうと思ってしまいます。

こうした点を考えると、必ずしも一極集中に陥っていないドイツの国家形態が、ほどよいバランスを持っているかのように見えてしまいます。日本においても、それぞれの地域の歴史的変遷や意義を再確認し、それぞれが独自性を発揮しながら持続していく地域社会であることが望ましいのでしょう。

何か一つか、代表的な複数の産物などを特長にして、関連する産物・加工・周辺産業等をつくり込んで行く・・・、これを強力に進めるには仲間・親戚・家族かも知れません。行政等に頼るのは部分的であって、あくまで主体は自分たちにあるのではないでしょうか。

そして、行政はブレーキをかけたり、法律・規制を遵守することが目的ではなく、いかに、地域の活性化を促すかの観点で、法律等の再整備・改定等をまとめて行くスタンスでいて欲しいものです。

また、少なくとも、原発マネーや、その金銭的恩恵に連座することで持続させようとする考えには、大きな疑問を感じます。鹿児島県薩摩川内市、福井県高浜町、愛媛県伊方町・・・、報道からすると、そうした類にしか見えません。こうした判断しかできない政治家(首長、地方議員)・地元企業家などは、全く、目先のことしか考えられないか、または、自己保身のためが第一になっている「あるまじき存在」なのでしょう。 一体、どちらを見て仕事をしているのでしょうか?





デンマーク: コペンハーゲンでのノーカーデーを計画中

2015-10-09 22:31:55 | 日記
2015年10月9日(Fri.) デンマークからの情報です。来年の話ですが、9月に首都コペンハーゲンでノーカーデーが設けられる予定と伝えています。 (ニュースソース: THE LOCAL DK)





<原文の一部>

Copenhagen to get car-free day

コペンハーゲンはノーカーデーを設定


Pedestrians will be given free rein in the Danish capital for one day next September and even more car-free days could be in the works.

来年の9月、デンマークの首都(コペンハーゲン)では、歩行者は行動の自由が与えられる予定。さらに、もっと多くのノーカーデーも準備中(計画中)の状況にあります。


After the success of similar events in cities including Paris and Stockholm, the Danish capital will ban cars from the city for one day next September.

パリ(フランス)やストックホルム(スウェーデン)での類似の催しの成功を受けて、デンマークの首都においても、来年の9月のある1日を車禁止にする予定です。


The City of Copenhagen on Thursday voted in favour of implementing a car-free day next September as part of European Mobility Week. Although the date was not definitively set, it is likely to be the last Sunday in the month of September.

先の木曜日、コペンハーゲンにてヨーロッパ・モビリティ・ウィークの一環として、来年の9月にノーカーデーを実施することが賛成・投票されました。しかしながら、その日程は確定されていなくて、おそらく9月内の最終日曜日になると思われます。


The city’s deputy mayor for the environment, Morten Kabell, told Berlingske that he was inspired by the success of Paris’s recent car-free day, which saw tens of thousands of pedestrians and cyclists flock into city streets. The car-free day also reportedly cut emissions levels by as much as 40 percent compared to normal daily levels.

環境担当の副市長は、最近行われたパリでの同様なイベントでの成功に魅了されたと言います。それは、数万人の歩行者やサイクリストが市内・通りに集まったそうです。また、排出量(二酸化炭素)は通常の日に比べると40%のカットになったとも報告されています。


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“I’ve seen that Paris’s mayor has suggested that there could be a car-free day each month. We will start with the single day and see where that gets us but there is no doubt that Paris is a very good example for other European cities,” he told Berlingske.

副市長が語ります。パリ市長は、ノーカーデーが毎月設定されることも可能との示唆を与えてくれました。私たち(コペンハーゲン市民)は、先ずは1日からのスタートとしてみますが、パリが他のヨーロッパの諸都市に対して、よい見本になることは疑いようのないことだ・・・と。



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デンマークの首都コペンハーゲンでの取り組み予定内容の一つです。来年の9月の日曜日1日だけからのスタートのようですが、ノーカーデーを試みることは価値のあることでしょう。

但し、そっくりそのままを日本の各都市でも真似ができるかと言うとそうでもないでしょう。デンマークやオランダ、ベルギー、そして、ドイツ北部等は「平地」が多いので、自転車の利用が容易であることが、こうしたイベントも可能にしているのではないでしょうか。

日本においても、比較的、そうした条件が整っている地域に関しては可能なのかも知れません。それぞれの地域にあった取り組みでよいのでしょう。


ややもすると、効率や合理性だけを重視しまいがちですが、私達は大切なものを捨ててきてはいないでしょうか。大量生産や画一的な”もの・こと”を、何にでも求めることは間違いではないか・・・。 ”個”を大切にしながらも、協調しつつ、安心して暮せる地域、その集合体でありたいものです。そして、環境面も意識し、持続可能な社会を築いて行く・残していくことが私達の大きな責務の一つなのでしょう。


紆余曲折はあるでしょうが、今後とも、北欧周辺(ドイツ含む)の動向は気にしたいところです。





ドイツ: 13のワイン産地を紹介

2015-10-08 22:42:59 | 日記
2015年10月8日(Thu.) 秋を迎えたドイツ、ドイツワインの主な13ヶ所の産地を紹介した情報です。 (ニュースソース: DW-DE)


<原文の一部>

Germany’s wine regions

ドイツのワイン地方(産地)

Autumn is the harvest season in Germany’s 13 different wine regions. Take a trip into the world of Riesling, Müller Thurgau, Silvaner and co.

秋は、ドイツの13のワイン産地にとっては収穫のシーズンです。さあ、リースリング(葡萄の品種、以下同様)、ミュラー・トゥルガウ、シルバーナなどの世界を旅してみましょう。

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(以下、特徴的な部分のみ注記します。)

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Rheinhessen: ラインヘッセン、26,000ヘクタール(ha)・・・葡萄畑の広さ



Rheingau: ラインガウ



Middle Rhine: 中部ライン



Palatinate: プファルツ・・・第66代のワイン女王です。



Franconia: フランコニア



Moselle: モーゼル、ドイツで最も古いワイン産地です。



Baden: バーデン



Württemberg: ヴュルテンブルク、赤ワインで有名。



Ahr: アール



Saale-Unstrut: ザーレ・ウンシュトルト、ドイツの最北部ワイン生産地になっています。



Saxony: スパークリングワインが有名。



Nahe: 4,000haと言う広さの葡萄畑はドイツで最も小さいレベルの産地の一つです。 



Hessische Bergstrasse: This region is located north of Heidelberg. Just 452 hectares in size, it boasts 233 different types of soil. Wines differ from place to place. They are rarely found on shop shelves because they are almost all sold and drunk locally.
・・・452haという狭さ、しかし、土壌が233種類なので、個々に違ったワインになっています。そうしたことから、お店(棚)でみつけることはめったにないのです。この地域で大半が消費されているからです。


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ドイツワインは、世界的なレベルでは、どう見られているのでしょうか。詳しくはわかりませんが、ドイツに短期とは言え滞在した経験がある私にとっては、親しみを感じるワインでもあります。

但し、近在の酒屋(量販店)さんなどで品定めするにしても、ドイツワインの種類は少ないのが一般的です。しかし、リ-スリング(白、辛口)をみつけたりすると、しばしば購入してしまいます。もっとも、白ワインは、デンマークでソムリエに薦められたイタリアのGAVI(ガヴィ)が一番多いのですが・・・。

上の記事で、13番目に登場した Hessische Bergstrasse は 452ha で、ドイツでは一番狭いと言っています。452haはおよそ452町歩と言えますので、日本的に考えると狭くないな・・・とも思ってしまいます。が、それよりも、その中で233種もの土壌の違いがあって、個々に違うワインを生産し、それを地域で消費している・・・と言うことが、それはそれでスバラシイことだと思います。

大々的な大量生産を追及するのではなく、地域に合った品物を作り出し、それを顔の見える範囲で供給・消費して行く、そこに経済の持続的な循環が形成される。余裕があれば、周辺地域にも供給する。

金儲けばかりに走るのではなく、それぞれの地域が、様々な分野で持続可能な形態の経済サイクルを回す。それが、都市計画の基本セルであったらいいと感じます。そうした理想的な地域社会の青写真を示した方がいましたね。確か、ドイツに・・・。






イギリスBBC情報: ロシアがカスピ海からミサイル攻撃

2015-10-07 23:22:33 | 日記
2015年10月7日(Wed.) 緊張するシリア情勢で、ロシアがカスピ海の4隻の軍艦から、26発のミサイルをシリアのISに向けて発射したと速報で伝えています。 (ニュースソース: BBC)





<原文の一部>

Russian missiles 'hit IS in Syria from Caspian Sea'

Russia says it has launched rocket strikes on Islamic State targets in Syria from its warships in the Caspian Sea - about 1,500km (930 miles) away.

(1500km離れた場所からの攻撃になっています。)



カスピ海からはイラン、イラクの上空を飛び越えての攻撃になっています。




攻撃対象等が示されています。




カスピ海のロシア艦隊。


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ロシア発表の内容では、テロリストを標的にしているとしていますが、市民や西側諸国が支持する反政府組織も含まれているとの報道もあります。


一番の被害者は、無能な為政者を頂いてしまった人民でしょう。いわゆるテロ行為は到底許されるものではありませんが、武力で鎮圧を試みることは、甚大な犠牲を伴うことになります。歴史が語っています。


話を理解しようとしない勢力が政治を司る限りは、武力による争いは続くことになるでしょう。全ては、話し合いと時間で解決に導くべきではありませんか。







ドイツ: 16日間のオクトーバーフェスタが終わりました

2015-10-05 22:07:52 | 日記
2015年10月5日(Mon.) 昨日の4日、9月19日から16日間開催されていたオクトバーフェスタ(ミュンヘン)が終わり、来場者数などに関して発表がありました。 (ニュースソース: DW-DE)





<原文の一部>


Fewer guests eat more and drink less beer at Munich's Oktoberfest

ミュンヘンのオクトーバーフェスタで、やや少なめの来場者はたくさん食べましたが、ビール消費はやや減りました。


Attendance slipped at Munich's Oktoberfest as border controls imposed to stem the flow of refugees complicated travel, organizers have said. The world's largest beer party saw hundreds of thousands fewer revelers.

当局の発表によると、ミュンヘンのオクトーバーフェスタへの来場者は、流入する移民の移動をコントロール(停止)する国境管理に伴って、減少する結果になりました。 世界で最大のビアパーティは、数十万人の訪問客(酔客)減少と見られています。






The number of visitors to the beer halls and gardens of Munich's 16-day Oktoberfest plunged by 400,000 people this year, festival organizers said Sunday.

ミュンヘンでの16日間に及ぶオクトーバーフェスタのビアホールやガーデンへの訪問者数は、今年40万人の減少となりました。日曜日(4日)に当局者が発表しています。


The world's largest beer-drinking party attracted some 5.9 million visitors this year, compared to last year's 6.3 million.

今年は、590万人の訪問者が、世界最大のビールパーティーを楽しみましたが、昨年は630万人でした。


Despite the sober statistics, the city's leaders said the event was still a success.

地味な統計数値にも関わらず、市のリーダーはイベントは成功であったと発言しています。


"Four hundred thousand fewer visitors - but it's still a high-level Oktoberfest," Munich Mayor Josef Schmid said Sunday after the final numbers were counted.

”40万人の減少ですが、引き続きハイレベルなオクトーバーフェスタです。”とミュンヘン市長が日曜日に語っています。(最終カウント後)


The amount of beer guzzled slumped, too, from last year's 7.7 million liters (2.03 million gallons) to 7.3 million liter this year, the mayor said. The average cost of a signature 1-liter mug of beer (a Maß) was 10.22 euros ($11.46).

ビールの消費量も、昨年の770万リットルから、今年は730万リットルと減少しましたと市長は語っています。そして、1リットルのマグカップビールは10.22ユーロ平均でした。


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しかしながら、牛肉等の消費は増えたとも伝えています。 このブログでも伝えていますが、およそ600万人の来場者数と、800万リットルのビール消費が期待されていたことに対しては、やや未達成の結果になったようです。

加えて、182回を迎えたこのフェスタは、205年前から開催されており、途中、2回の大戦や、コレラ発生等のアクシデントによって中止を余儀なくされたこともあったと伝えています。

さらに、元々は、王族の結婚式を祝うお祭りとして10月に開催されていたのですが、より暖かい気候の中で開催すると言う目的で、開催期間を前倒ししているとも伝えています。


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移民・難民の流入問題が、ここにも影響したようですが、特段の事件等につながったとは、現在のところ伝えられてはいません。逆に、他のサイト情報によると、このフェスタに関わる犯罪数は、昨年より数ポイント(パーセント)減少しているそうです。


解決すべき問題点や、悩みはつきないものですが、人生は楽しみたいものです。一度きりですもの・・・ね。 ただし、悪いことをしてはならないのは当たり前のことです。