ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツ: 2枚羽根の新しい風力発電機

2015-10-16 14:46:49 | 日記
2015年10月16日(Fri.) 一昨日のドイツ情報です。 レゴ方式の新しい風力発電機が登場したことを報じています。 (ニュースソース: DW-DE)





<原文の一部>

A Lego-style wind turbine to reduce emissions and bring wind energy to developing countries

レゴスタイルと呼ばれる風力発電機は、排出量の削減とともに、開発途上国に風力エネルギーをもたらします。


Wind turbines are huge, requiring special transport and equipment for assembly. But a German engineer is working on a model made of modular parts, which he hopes will help renewable energy go truly global.

風力発電機はとても大きく、特別な輸送機器や組立装置を必要とします。しかし、一人のドイツ人エンジニアは、装置の構成部品を製作しており、そして、彼は再生可能エネルギーが世界に広まることの助けになることも願っています。


***

Big blocks as basis

大きなブロックが基本


The light bulb came on when Richert remembered how he and his son used to like building towers with Lego toy blocks. At that moment, it became clear that the wind turbine of the future should be constructed modular, the aerospace engineer told DW.

Richert(リチャート: エンジニア)は、息子とレゴブロック(デンマーク製のおもちゃ)でタワーを組み立てることを思い出した時に閃きました。この瞬間、未来の風力発電機はモジュラー型(組立型)にすべきと言うことがハッキリした・・・と、この航空宇宙エンジニアはDW(報道サイト)に語りました。


この写真は、これまでの一般的な輸送方法例を示したものです。



So instead of starting with steel components at least 30 meters (98 feet) long, the Lego-style tower - called SkyWind - is assembled out of ready-made concrete plates that are 10 meters long.

従って、少なくとも30mの長さがあるスチール構造物の代わりに、レゴスタイルのタワーは、-「SkyWind」と呼ばれる- 長さが10mほどのコンクリート板で組立られます。


"The big advantage of this concept is that a small local company can produce the concrete plates, and bring them with relatively small trucks to the site," Richert told DW.

”この考え方の優位性は、小さなローカル企業でもこのコンクリート板が製造できることと、比較的小さなトラックでも設置場所まで運ぶことができること。” と Richert は言います。


***

A prototype for this Lego-style wind turbine has been built in a test field near Richert's home in Husum, in far northern Germany on the North Sea coast. There, Richert and his colleagues even managed to eliminate the need for cranes in construction.

このレゴスタイル風力発電機のプロトタイプ(基本モデル)は、リチャートの家のある Husum 、北部ドイツから遠い北海沿岸(海岸)に設置されました。そして、リチャートと同僚たちは、建設に必要なクレーンの必要性の排除についても検討したと伝えています。


これも従来方式のクレーンを使っての設置の様子を示しています。(巻頭写真は、自力で巻き上げる方式、比較下さい。)


***

A patented self-winding system replaces the crane, lifting the rotor blades - together with the gear and the generator - to the hub 135 meters above ground. No cranes needed, and less heavy vehicle transport: both benefit the environment.

特許取得済みのクレーンに代わる自動巻上げシステムは、回転翼をギアと動力で吊り上げ、地上135mの接合点(ハブ)まで持ち上げます。クレーンの必要性がなく、大型輸送機の必要性も少ない。これらも環境面で効力(利点)を生み出します。





***


このニュースのタイトルを読んだ時、レゴの名前があったので、デンマークの会社に関することかと思ってしまいましたが、読んでいくとそうではなくて、レゴブロックを息子といっしょに組み立てていたことにヒントを得て、考案したものであることがわかりました。


全てを訳したわけではありませんが、大型の風力発電機を製作したり、輸送・設置等するには、かなりの大掛かりな設備やインフラを必要とするようです。そうしたことを考慮すると、比較的小さ目のサイズにモジュール化して扱うことで、発展途上国でも扱える方式であることにも期待を寄せているようです。

また、通常、回転翼は3枚方式ですが、このレゴスタイルの場合は、2枚方式であり、設備費用や建設コスト、そして、メンテナンス費用の削減にもなっていると伝えています。

まさに、ドイツの、再生可能エネルギー分野への挑戦の一つだろうと思います。



翻って、日本は、原発再稼動にばく進・暴走する情けない政府・地方自治体・首長・地方議員・企業家等々、金銭的恩恵に連なる目先のことしかわからない・考えない愚人が如何に多いことでしょうか。

原発マネーや補助金等を関係者で分配し、そして、いざ事故発生した場合は、「国」が責任を持って面倒みて下さいよ・・・、よくもこんな身勝手極まりない思考ができるものだと呆れるばかりです。こいつらは人間じゃない・・・と思えます。 エゴ・利己の塊りでしょう。


それよりも、再生可能エネルギーや、地方独自の創生プログラムを自らが考案し、且つ、それぞれが人まねでなく、その土地の歴史観や独自性を勘案しつつ考え・試行して行くべきでしょう。

容易ではないことも事実でしょうが、要は、価値感をどこに持つか・・・です。そうした考えを共有することが出来れば、地域としての持続可能なスタイルも少しずつ見えてくるのではないでしょうか。逆に、特効薬はないのかも知れません。


何が大切なのか、少なくともわかっている人が政治家(地方議員含む)になるべきでしょう。