映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『二十四時間の情事』

2012年07月15日 | Weblog
二十四時間の情事 - goo 映画

よい

アラン・レネ 監督
エマニュエル・リヴァ、岡田英次 出演

薄闇。男女が抱きあう。彼女がつぶやく、「私、広島で何もかも見たわ」彼が答える、「君は何も見ちゃいない」病院、被爆者の顔、苦しみの図、あの影、焼けた石。博物館のきのこ雲の模型。平和広場。記念アーチ。橋や川。「何も見ちゃいない」午前四時だ。彼はあの時、夏休みで広島にいなかった。彼女は映画出演でパリから広島へきた。その前はイヨンヌ県のヌベールにいた。二人は偶然知り合った。





公開時が『二十四時間の情事』で、最近は『ヒロシマ・モナムール』(原題)と紹介されることもある、だそうだ。

マルグリット・デュラスの小説をいくつか読んで、独特のリズムと緊張感がすばらしいとは思っていたのだがそれが作家のオリジナルのテクストに由来するのか、それとも優秀な翻訳者のおかげなのかは残念ながら判別がつかなかった。今回彼女の脚本作品を観ることによって、そのリズムと緊張感はマルグリット・デュラス独自の魅力だとわかった(もちろん小説の翻訳者が優秀なのは間違いない)。

上記のgooのストーリー紹介だと男は夏休みで広島にいなかったようだが、そんなことを作品で言っていたかな?

ええとモノクロ作品にエロを求める人もいるかもしれないので書き加えておくが、24時間やりつづけるという中身じゃありません(笑)。

男は女をすこし理解したつもりでいるが、女は男を理解したとは思っていないようだ。

駅のシートでふたりの間にはいるオバサンがいい。