映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ミリキタニの猫』

2008年11月05日 | Weblog
ミリキタニの猫 - goo 映画

よい

リンダ・ハッテンドーフ 監督
ジミー・ツトム・ミリキタニ、ジャニス・ミリキタニ、ロジャー・シモムラ 出演

ドキュメンタリー作家のリンダは、ニューヨーク、ソーホーの路上で絵を描いている日系人ホームレスの老人ミリキタニに出会い、彼に興味を持つ。9.11の日もいつも通り、絵を描いていた。リンダは彼を自宅に招き、今まで知らなかった彼の過去を知る。米国籍を持ちながら、戦争中は強制収容所に入れられ、市民権も失くした事。そこで離れ離れになったままの姉がいる事。癒えない傷と怒り、そして平和への願いが彼に絵を描かせていた。

このようなアメリカ国籍の日系人がいることを知識として知っていても、実際の人間、生活、言動に接することによって深い感動を得ることができる。

なぜアメリカの社会保障制度をつかわないのか? そこにはミリキタニのアメリカに対する深いうらみがあるからである。それが監督の愛(ホームレスのおっさんをいくら9.11があったにせよ自分のアパートに入れるか?)によって少しずつ変化していく過程と血縁者などとの出会いがすばらしい。

映画を観て12時すぎに帰ってきた監督を怒るミリキタニは、完全に家族の目線になっている。

長さもちょうどよい(74分)。