映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
コメントのところをクリックするとコメントできます。

『潜水服は蝶の夢を見る』

2008年03月11日 | Weblog
よい

ジュリアン・シュナーベル 監督
マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、パトリック・シェネ、ニエル・アレストリュプ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、ジャン=ピエール・カッセル、イザック・ド・バンコレ、エマ・ドゥ・コーヌ、マリナ・ハンズ、マックス・フォン・シドー 出演

病院のベッドで目を開けたジャン=ドーは、自分が何週間も昏睡状態だった事を知る。そして身体がまったく動かず、唯一動かすことができるのは左目だけだという事も。ジャン=ドーは雑誌「ELLE」の編集者で、三人の子どもの父親だった。彼は言語療法士の導きにより、目のまばたきによって意思を伝える事を学ぶ。やがて彼はそのまばたきで自伝を書き始めた。その時、彼の記憶と想像力は、動かない体から蝶のように飛び立った…。

脳梗塞でまぶた以外がほとんど動かない男の話。

なにがいいって、必要以上にお涙頂戴になっていないところがいい。
愛人に連れて行かれてカトリックの洗礼を受けさせられようとするとぶんむくれるし(笑、結果ははっきりしない)、聖地ルルドに行けばその通俗的なところを見抜いてしまう。病人だからといって、敬虔ではないのだ。

もちろん、妻が受け渡しをする愛人からの電話(!)や、老い先短い父との会話など、つらいシーンもあるのだが、基本的に主人公が乾いた目でじっと観察をつづけていく。

痛いシーンがひとつある。あんな簡単な説明だけであんなことをされたらパニックを起こしてもしかたがないんじゃないか。