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なぜ新入社員は会計を学ぶべきか

2016年03月27日 | コンサルティング

新入社員にとって「会計」ほど縁遠いものはないかもしれません。理系大学出身者はもちろん、経済学部や商学部出身であっても「どうも会計とか数字は苦手で・・・」という人が多数派なのです。たしかに、経理や総務に配属されない限り、会計を身近に感じることは少ないでしょう。

会計とは、企業の経済活動(お金のやりとり)を記録・整理し、わかりやすい形にまとめて分析する技術です。具体的には、一定期間(1年毎、3ヵ月毎)の経済活動の結果をまとめた報告書(財務諸表)を作ります。財務諸表には貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/S)等があり、それらを見れば財産や借金の状態、1年間にいくら売っていくら儲けたかがわかります。

例えるなら、財産や借金の状態を示す貸借対照表が健康診断書、儲けの額を示す損益計算書は成績表にあたります。企業の目的は利益を上げることですから、財務諸表はまさに企業そのものの姿を映し出しているといえます。

では、新入社員にとってこうした会計の知識は必要なのでしょうか。

会計の知識がほとんどなくてもすぐには業務に差し支えない職種はたくさんあります。実際、管理職研修では会計についてあまり知識のない人が意外なほど多く、驚かされることもあります。ただし、管理職になれば自部署の売上や費用について責任を負うことになるので、知らないでは済まされません。

ということは、管理職になるまでに時間をかけて会計を学んでおけばよい、といえるかもしれません。

しかし、私は新入社員こそ財務諸表を読んでざっくり理解する力が必要だと思っています。

企業とは利益を得るために人が集まって協力し合う組織、スポーツで言えばチームです。野球であれサッカーであれ、自分が所属するチームの成績に無頓着な選手はいないはずです。

たとえば「ボールを蹴るのが楽しいので、それ以外はどうでもいい。試合の勝ち負けには興味がない。」というサッカーのチームがあったらどうでしょう。プロはもちろん、子供のチームだって誰も入りたいとは思わないでしょう。

企業はプロのスポーツチームと同じです。利益という結果を目指して、1日も休まずに他チームと競っています。会計に興味がないというのは「試合の勝ち負けに興味がない」というのと同じです。それはプロとしてあるまじき発言ではないでしょうか。

新入社員だけでなく、受け入れる側の上司、先輩の方々も財務諸表を読みこなす力をつけましょう。そして自社およびライバル企業の成績をじっくり分析して、どうすれば勝てるかを考える習慣をつけてください。

最後にもう一度、「新入社員こそ会計を学べ!」

(人材育成社)


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