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「会社で昼寝」

2015年11月18日 | コンサルティング

皆さんは、毎日どれくらい睡眠時間をとっていますか?

経済協力開発機構(OECD)が2014年3月に公表した調査結果によると、日本人の平均睡眠時間は7時間43分で、全26ヵ国平均の8時間19分より30分以上少なく、韓国に次いで2番目に短いそうです。

睡眠の重要性については、近年再認識されていて、厚生労働省は2014年に「睡眠指針」を改訂しています。その背景には、睡眠時間とマイナス要件の因果関係が明らかになっていることがあるようです。

例えば、長時間労働によって睡眠時間が減り、メンタルヘルスに影響が出たり、生産性の低下、産業事故の発生、交通事故や医療費の増加によって、日本では約3.5兆円の経済的損失になっているとの報告もあります。

実際に睡眠時間が減ると、集中力の低下や注意維持・記憶などに障害が出たり、感情制御機能が低下したり、免疫機能や代謝機能にも異常が出てきて、血圧を上昇させたり肥満につながったりするそうです。

ちなみに、日本の県別で睡眠時間が一番長いのは秋田県(7時間56分)ですが、秋田県は中学生の全国学力テストの結果で第1位になっています。その他にも比較的睡眠時間の長い東北、北陸地方の県が上位にランキングされていることから、睡眠をしっかりとることによって、記憶や学習にプラスの影響を与えた結果と言えるのかもしれません。

確かに、自分のことを考えてみても気持ちよくたっぷり寝られた時は日中に睡魔が襲ってくることもほとんどありませんし、だるくなったり体調不良になることはないように感じます。

反対に短時間しか眠れず、さらに睡眠の質が悪いと、一日中睡魔と格闘しなければならない時があります。そういう時は何だか負け戦に挑んだような感じで、疲労感いっぱいになってしまうこともあります。

実際、私の知り合いにも会議中に眠ってしまい大恥をかいたり、あまりに眠くてお客様との打ち合わせ中につい眠ってしまい、出入り禁止になってしまったという嘘のような本当の話もあります。

では、どうすれば睡眠時間を確保できるのでしょう。働き盛りである40代後半は特に睡眠時間が短い傾向があるようですから、しっかり睡眠をとりたいと思っても、なかなかかなわないという人が多いのではないでしょうか。

そこで、近年注目されているのが企業の昼寝制度です。眠気による作業能率の低下を防ぐために、午後の3時位までの間に20分以内の昼寝をすることを企業として推奨して、言わば公明正大に就業時間中に昼寝をしてもらうのです。

そうは言っても、「会社で昼寝」ということがすぐに馴染むわけではありませんので、中には昼寝制度を就業規則に盛り込んだ企業も出てきているようです。また、会議室を仮眠スペースとして開放したり、アイマスクを配ったり、昼休みにはリラックス音楽を流したりしている企業もあるとのことです。

昼寝と言えば、スペインの「シエスタ」が有名ですが、かつて旅行でスペインを訪れた時には店がシエスタでクローズすることが不便に感じましたが、今思えばそれは理にかなっていたということですね。

実際、弊社のお客様のある企業でも昼寝制度を導入したのですが、昼の休憩時間はともかく、それ以外の時間だとなかなか昼寝をする人がいないとのことです。

勤勉を旨とする多くの日本の企業に昼寝の文化・風土が根付くには、もう少し時間がかかるだろうとは思いますが、仕事の効率や社員の健康のためにも、企業で昼寝するのが当たり前の光景になるような日が早くくると良いですね。

ちなみに、弊社では事務所で仕事をしている時には短時間でもできるだけ昼寝をするように決めています。そうすると頭がすっきりして、仕事の能率が上がることを実感しています。

皆さんも状況が許せば「会社での昼寝」にトライしてみてはいかがでしょうか。

(人材育成社)


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