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第1,171話 採用活動はwin-winの関係

2023年06月21日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「面接官の感じがとてもよかったので、それが入社の決め手となりました」

これは、新入社員が入社を決めた際の理由として紹介されることが多い言葉です。複数の組織から内定を得た人が、最終的に一つを選ぶ判断をする際の決め手となるのは、組織の規模や給料などより、面接官などの直接接触を持った人との相性や雰囲気といったものなのかもしれません。

これに関して、最近は採用業務を外部に委託する企業が増えているとのことです。矢野総合経済研究所の調査によると、2021年度に採用業務を外部に任せた「採用アウトソーシング」市場は、前年の2020年度と比べ15%増えており、今後ますます拡大する傾向にあるとのことです。外部委託をするのは、新卒採用だけでなく通年化した中途採用等の業務の増加にともなって、自社では対応が難しくなっていることが理由の一つにあるようです。

最近では、売り手市場になっていることや、国が人材の流動化を積極的に進めようとしていることなどもあり、採用業務にかかる時間は増えているようです。特に、採用に加えそれ以外の業務も兼務している担当者にとっては、大きな負担になっているであろうことは容易に想像できますので、外注化が増えてきているのも当然なのかもしれません。

実際に退職者の減少につながっているという例をはじめ、採用の外注化には様々なメリットがあるようです。それでは採用業務の中で外部委託をしているのは、具体的にどの部分なのでしょうか。

これも採用業務の全体、あるいはその中の一部分など様々な形があるようなのですが、そうした中でも私は面接だけは必ず自社の担当者が行うことが大切だと考えています。なぜなら、応募者側からすると面接官が「組織の代表」そのものになるからです。応募者は面接官とのやり取りを通じ、その組織の風土や雰囲気を想像することになるのであり、それが「この組織に入りたい」、「この組織は自分には合わない」という判断をする際の大きな要素になっているのではないでしょうか。

面接は、組織側からすると大勢の応募者の中から自組織で活躍してくれそうな人を選ぶ場の一つですが、同時に応募者側にとっても、内定を得られている複数の組織の中からどこに入りたいかを判断する場になるわけです。そのように考えると、採用業務における面接は双方が互いを選ぶ判断をする際の大切な機会であり、双方にとって多くのことを得ることができる場となることが望まれるのです。しかし、採用業務において面接を外部に委託してしまうと、少なくとも応募者側は判断の材料を得る場にはなりにくくなってしまうと思います。

今後、人(労働力)の流動化がますます盛んになると、採用活動はますます長期化することともいます。そのような中で、業務効率化の一環として外部委託することも一つの手段だとは思いますが、応募者を選ぶ側という視点だけではなく、応募者から選ばれる組織になるという視点、まさに採用活動はwin-winの関係であることを忘れないでいただきたいと思うのです。

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