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4段階評価を信用してはならない

2013年06月21日 | コンサルティング

研修講師は受講者からさまざまな評価を受けます。私たちも研修終了後、受講者の方に「講師評価アンケート」を行って5段階(1~5点)で点数を付けていただきます。

一般に5段階評価は「5:良い、4:どちらかというと良い、3:普通、2:どちらかというと悪い、1:悪い」となります。

ところが大手の研修会社の中には、5段階ではなく4段階評価を採用しているところがあります。

4段階評価は「4:良い、3:どちらかというと良い、2:どちらかというと悪い、1:悪い」となります。

さて、あなたが企業の研修担当者だとしたら、外部講師の評価にどちらを使いますか? 

4段階を選んだ方はある程度アンケートについての知識をお持ちなのでしょう。おそらく「5段階評価だと”3:普通”をつける人が多くなるという『中心化傾向』が生じるから講師の評価が正しくできない」と言われるかもしれません。その点、4段階だと「良いか悪いか」白黒をはっきりつけられる、というわけです。

しかし、残念ながらその考え方が研修をダメにしています。

研修終了直後のアンケートは(よほど講師がひどくない限り)4段階の「2」をつけることはありません。その結果ほとんどの研修で「3」以上が付きます。「4」と「3」は”良い”という判定になりますから「この研修は95%の受講者が”良い”と評価した」といった結果が多くなります。しかしこれでは意味がありません。なぜなら、優秀な講師も平凡な講師も「良い講師」になってしまうからです。これを避けるためには5段階評価が必要です。

「いや、皆が”3”をつける『中心化傾向』が・・・」という声が聞こえてきそうですが、そこが最も重要な点です。中心化傾向がなければ正しい評価ができないからです。統計を学ばれた方にはおなじみの正規分布を思い出してください。5段階評価では、5… 6.7%、4… 24.2%、3… 38.3%、2… 24.2%、1…  6.7%となります。それだけ中心へ向う力が強いのです。

その強い「引力」を振り切って「4」と「5」を多く獲得できる講師でなければ「失格」だと思いますが、いかがでしょうか。見方を変えれば4段階評価は「ダメ講師」であることを見せないための隠れ蓑なのです。

大手の研修会社で「講師が大変良かった・良かった:95%」とうたっているところがあれば、是非「4段階ですか5段階ですか?」と聞いてみることをお勧めします。

(人材育成社)

 

 


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