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「ワラビスタン」 蕨、川口市

2019年10月15日 11時14分47秒 | 人口(外国人)

 
国はないが、主にトルコ、イラク、シリア、イランの国境にまたがる山岳地帯「クルディスタン」に住むクルド人。総人口は推定約3000万人。イスラム教徒が多く、イラン語系のクルド語を話し、各国で独立を求め、抑圧されてきた歴史がある。「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれる。
 
言葉が通ずるイラン人が住んでいたため、知人を頼って来日、難民認定を求め、申請しているが、日本政府は認めていない。認定率は10%以下だという。不法滞在として、働くことさえ認めておらず、健康保険証や住民票や身分証明書も発行していない。
 
トルコでは、政府と独立を求めるクルド人武装勢力の衝突が続いているので、知人を頼って来日するトルコ国籍のクルド人が多い。
 
都心に近く、交通の便が良く、家賃が安いこともあって、1990年代から蕨、川口市に集まり、日本最大のクルド人コミュニティーになっている。2000人程度が住んでいるJR駅に近い両市の一帯は、「クルディスタン」をもじって「ワラビスタン」と呼ばれることもある。「スタン」とは、国・地域を表す言葉だ
 
不法滞在なので、生活のため働いていると、不法就労で、入管難民法違反で逮捕され、茨城県牛久市の入管施設「東日本入国管理センタ」に3年以上長期収容され、一時的に施設を出られる「仮放免」が得られるだけ。いつ仮放免が得られるか分からないので、拘禁性のうつ病になったり、自殺する者もある。「ワラビスタン」のクルド人うち約500人が仮放免と見られるという。
 
クルド文化の発信や地域との交流を進めるため「クルディスタン&日本友好協会」、支援する日本人側の「クルドを知る会」があり、3月には蕨市民公園で約千人が参加して、クルド伝来の新年祭り「ネブローズ」があり、民族衣装を着て、音楽に合わせ歌い踊っている。

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