『日本の大和の国の鎮めともいます神かも、宝ともなれる山かも』と、万葉歌人「高橋蟲麿」が詠んだように、古来より富士山は大和民族の心のよりどころとして信仰されて参りました。 この霊峰を御神体として鎮まります神は、浅間大神、またの名を「木花之佐久夜毘賣命」(このはなのさくや・びめ)と申し上げます。
浅間大社頂上奥宮は表口(富士宮口)御殿場口から登りつめたところの山頂に鎮座しております。 八合目以上は奥宮の御神域であり、浅間大社の所有地であります。
夏休みも終わり、9月であれば多少は空いているだろうと予想し計画を実行したが、何と空いているという感じではないのに驚いた。 富士スバルライン駐車場手前から駐車待ちの車で大渋滞。
手前の駐車場に車を止め11時20分歩いて売店やトイレのあるスバルライン五合目に向かった。
五合目を11時51分に出発した。
駐車場では好天であったのが登り始めたらガスの中で体温調節に気を使った。 泉ヶ滝まで馬も歩く広い砂地の道を下り、佐藤小屋分岐(12時05分通過)を右手に登りだし六合目に向かう。
途中、標高2,300m付近ではダケカンバの並木が綺麗であった。
六合目着12時半。 ここには富士山安全指導センターやトイレがあり休憩し昼食を取った。 この辺りが森林限界のようで、見上げると赤い火山灰の山である。出発12時50分。
歩き出して間もなく下山道と合流し右手の登山道を進む。 砂礫の火山灰であり登山道の側壁は整備され登山の感じではない。 側壁というか、土止めの柵を作らないとドンドン崩れてしまうためだと思う。
その広い砂礫のジグザグ道を登る。河口湖大橋が見えた。
七合目の花小屋着13時55分。 ここに来たらガスが張り付き下界の景色は見えなくなってしまった。10分休憩。
ここから八合目までは、溶岩の岩肌を登る。 斜度も増し慣れない方にはきついが、火成岩であり崩れる心配がないので1歩1歩頑張って頂いた。
富士一館着14時35分。 休みを長くすると体が冷えるので5分休憩。 鳥居荘通過14時50分。東洋館通過15時05分。
溶岩の登山道は狭く渋滞する箇所が多かった。 疲れも出る頃であり、無理せずに登って頂いた。
八合目の太子館通過15時47分。 風が出て来たので帽子を飛ばされないよう声を掛けた。
蓬莱館着16時05分。10分休憩。 登山道の左手に大きな岩の塊が見えエアーズロックかと思いきや「亀岩」と呼ばれている岩でした。 言われてみると何となく下を向いた亀に見えます。
見上げれば、今日の宿「白雲荘」が見えた。 3,000mを越えていたが高山病の症状を訴える方も無く16時50分、全員無事に白雲荘に到着した。 ザックと登山靴を持って部屋に入る。 綺麗な雲海が見えた。
ダウンを着ていたせいか夜も快適に眠れた。 日の出は5時と聞き、女将にお願いしておいたので4時40分に起こしに来て下さった。 防寒対策を万全にして外に出て、清々しい外気に触れ気が引き締まる感じであった。 9月5日(土)の神々しい御来光である。
古来より、その天高くそびえる富士山を、幾度となく噴火を繰り返す荒ぶる神の山として、崇拝し畏敬の念を抱いてきました。 いつしか霊山として神格化され、信仰の対象として私達にとって大きな存在となっています。
白雲荘の前から御来光を迎えたのは私たちぐらいで、ほとんどの方々は夜中の内に出発され小屋は空いていたので小屋で朝食を取ってから6時に出発した。
あたまを雲の上に出し
四方の山を見おろして
かみなりさまを下にきく
ふじは日本一の山
明治43年7月文部省唱歌 作詞:巖谷小波 作曲:未詳 「ふじ山」
冷え込んではいたが素晴らしい青空の下、歌詞通りの山を歩けたことに感謝でした。
元祖室通過6時15分。第一富士ホテル通過6時45分。 標高3,450mを越えた御来光館着7時14分、立ち休憩を入れた。
もう山頂の鳥居が確認できる。 九合目(3,580m)通過点は最後の詰めの急な登りであり、呼吸を整えてゆっくり足元に注意しながら登って頂いた。 吉田口山頂に登頂8時40分。 目の前に浅間大社の末社である「久須志神社」が迎えてくれた。
また皆さんのホッとする笑顔が見られ、共に登頂を喜んだ。お疲れ様
休憩後、山頂の噴火口を見ながら時計回りに一周(約3km)するお鉢めぐりを1時間45分掛けて歩き、
日本一のピーク剣ヶ峯(3,776m)に足跡を残して来た。
登頂した久須志神社に戻り10時20分下山開始。
下山道はブルトーザーが荷揚げ用に使用する道である。 砂礫の道でホコリが舞い顔にタオルを巻いて下る。
延々と続く九十九折の道にはコーナーごとにナンバーが標示され、下山位置の目安になったが、余りにも長い下りであり膝への負担が大きく、急がず一定のペースで歩くようお願いした。 七合目辺りから膝が笑い出したと言う方が現れたがノンビリ焦らず歩いて頂き、15時20分全員無事下山した。 初めての方も含め、皆さん日本一の山に登頂でき、お疲れ様でした。 おめでとうございます。