平成25年8月に折立から雲ノ平へ向かう前に北アルプス孤高の峰「薬師岳」(2,926m)にピストンで向かう予定が、大雨で林道のゲートが開かず、ゲート前で6時間待機を余儀なくされ折立出発が午後になり、やむなく「薬師岳」をカットし雲ノ平に入った。 翌年の平成26年8月にはリベンジで折立から入り「薬師岳」を制覇した。 太郎平小屋から見た薬師岳
そして今年は北アルプス最奥にある『黒部五郎岳』(2,840m)を目指し、三俣蓮華岳、双六岳を経て鏡平山荘からわさび平小屋を通り新穂高温泉へ下山する計画で入山した。
折立登山口も見慣れた風景になって来た。 折立に入る林道の開門時間6時に合わせ、道の駅「立山アルペン村」で時間調整し5時50分出発。 空には重い雲が見え、走るバスには雨が降りかかる。折立到着6時50分。
ここには休憩所や公衆トイレがあり、それぞれの所で雨具、ザックカバーの準備をし出発に備えた。 送ってくれたバスを見送り、7時半出発。
休憩所の前を通り登山道に入ると直ぐ左手に、「何これ」と思う石塔が目に入る。 それは1963年の1月に愛知大学山岳部の学生さんが薬師岳で遭難した13名を供養する慰霊塔で「十三重の塔」との事でした。
尾根や山頂が広いとガスが出た時に迷い易く、しっかり登山道を確認する事を肝に銘じた。
それから間もなく樹林帯の中、太郎坂の急登に取付く8時10分。 雨であり木の根やぬかるみに足を取られぬよう注意して頂いた。
性能の良いゴアテックスの合羽と言えども急登を登れば、雨も汗も一緒の様な感じである。 三角点到着9時20分。
東側に目をやると、幾重にも連なった稜線の向こうに薬師岳が姿を見せていた。
さらに尾根を詰め五光岩ベンチに向かう。濡れた岩場の急登を慎重に登る。
森林限界を過ぎた頃にトーテムポールの様な高いポールが右手に見えた。 縞模様に塗り分けられていたので小屋で尋ねたら積雪量調査用のポールとの事であった。 今年は山も雨が多い様で、折角人手により作られた登山道も無残な姿を見せていた。
11時43分五光岩ベンチに到着。 回りの景色はガスの流れで見えたり見えなかったりと落ち着いて見ていられなかった。
休憩後、緩やかな斜度で続く石畳の登山道で足に筋肉痛を感じると言う方に湿布やサポーター処置を取り、様子を見ながらノンビリ小屋を目指した。
12時45分に太郎平小屋に到着した。お疲れ様でした。
その後も雨は降ったり止んだりを繰り返し、小屋のテレビで天気予報を見ても明日も明後日も変わらぬ感じであった。 心の中では秋雨前線がもっと南下してくれることを祈った。