Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ルパン三世 念力珍作戦」坪島孝

2013-10-19 02:13:19 | cinema
ルパン三世 念力珍作戦【期間限定プライス版】 [DVD]
クリエーター情報なし
東宝


ルパン三世 念力珍作戦
1974日本
監督:坪島孝
脚本:長野洋
原作:モンキー・パンチ
出演:目黒祐樹、田中邦衛、江崎英子、伊東四朗
音楽:佐藤勝


「いい車ね」
というオープニングから
「浅間山だ!」
という中間地点を経て
コンテナヤードをぐるぐる走り回りながらエンドマークを迎えるまで
ひたすら涙なくしては観ることの出来ない
70年代ドタバタナンセンス映画

原作クレジットはあれどまったく原作には関係なく作られている(と思う)
濡れ場になると♂♀マークが絡み合うというところが原作と共通するくらいか。
宝石泥棒をバキュームカーでやるっていうのは原作にあるのかな?

銭形警部(伊東四朗)率いる腰抜け刑事たちの活躍が実にバカバカしく面白い。
とりしらべのときに激昂して机を叩くところで、手が痛いので部下の手をかわりにばーんとやるのを
しつこく何回もやってみせたり、夜中の追跡シーンで走ってたのを急停止したら靴の裏が焼けてあっちっち!とか、
もほんとにばかばかしい。

当時の流行や事件を随所に反映しているのだと思われる。
そもそも「念力」って流行したねえ。本作の内容にはほぼ念力は関係ないんだけども。
あとは浅間山の噴火とか、当時の売り出し中女子グループ(ポピーズというらしい)のカメオ出演とか。

次元大介(田中邦衛)の早撃ちがコマを切って短く繋いでるとか
ほんとにしびれるのだけれど。

のどかで屈託のない笑い。
みんなこんなふうに笑っていたんだ
1974年
劇場公開時は『ノストラダムスの大予言』と併映だったのだ。
来るべき恐怖の大王に対峙する一方で
こういう口直しも用意してたんだね。
おしること塩昆布。

公開時ワタシは、父親の友人が某所で開いていた映画館にて
本作を何回も観た。
大予言は恐くて1回でパスしたが(もっと観ておけばよかった)
こちらのほうは面白くてしょうがなかった。
ルパン帝国のぼっちゃん、とか言ってへりくだってた次元が急に
「そんじゃルパンよぉ?」とくだけるところなどで大笑いしていた。
子供だったのだ。

それでも当時からこの歳になるまで持ってきた記憶と
実際の映像はけっこう食い違っていた。
そういうもんだろう。

父親の友人の所有していた映画館は近年まで営業していたが
2年くらい前についにその灯を落としたということだ。
そのことは新聞だかネット記事だかの片隅に載っていた。

**

監督の坪島孝はクレージーキャッツの一連の映画の監督のひとりということで
まさにそういうノリである。

殺し屋が孤児院に現れるとそれが天本英世だったりして、
彼だけはモンキーパンチぽさがあった。



@自宅録画
コメント (2)
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