Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「アウトロー」クリストファー・マッカリー

2013-03-29 01:39:51 | cinema
アウトローJACK REACHER
2012アメリカ
監督:クリストファー・マッカリー
原作:リー・チャイルド
脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、リチャード・ジェンキンス、デヴィッド・オイェロウォ、ヴェルナー・ヘルツォーク 他

ちょっと前のことになるが観た。
なぜ観たのだろう・・・

冒頭のクレジットでヘルツォークの名前を見つけて、おや?となったが、
映画中での死相ともいうべきダウナー感あふれる腐敗顔にさらにやられた。
そういえばこんな顔をしていたよなヘルツォーク・・

ということで、トム・クルーズが意外に?等身大のスーパーマンという風情で、確かに常人離れしているけれど、どこか地道な訓練の賜物という謙虚さのある活躍ぶりのために、あまりアウトロー的なものが感じられなかったのに比べ、悪役ヘルツォークのほうは、これも意外に?地味な悪役で、残虐非道な黒幕という設定でありながらもそんなに残虐非道なシーンはなく、最後もあっさりしたもんで、これまた謙虚な悪役ぶりであったにもかかわらず、しかしこちらはあの淀んだ腐臭ただよう顔によって、なにか不吉で禍々しいものを観ちゃったという印象を妙に脳裏にこびりつかせることに成功しちゃっている。

と、感想を1文にしてみたのだが。

トムは健闘していてアクションも機敏だしかっこよいし、謎解きも筋としては面白いのでそれなりによいのだが、どこかこじんまりとした印象。
銃撃ありカーチェイスあり推理あり拳闘あり、と、お決まりのメニューを取り揃えて、あまり個性的なところがないからかもしれないが、道具立てが同じでもずっしり心に響く映画はあるわけで、そこにある違いはなんだろう。

と考えると、その答えのヒントがどうもヘルツォークの顔にあるような気がしてならないのだが(笑)

とにかくなにかを逸脱しているものがあるとするならば、彼の顔以外にはこの映画にはないのだ。

その顔は、悪役然とした顔というにはいささかかっこよさに欠けている。
大物の風情がいまひとつ足りない。
しかしすごく腐っている。
悪役以外にはありえなさそうな顔なのに、しかし悪役らしい骨のある悪さとはちょっと違う。

そういう変な据わりの悪さのある顔だ。
この顔の逸脱感が醸し出すドライブ感wにこそ、映画を面白くするなにかがあるように思う。


『アウトロー』というと、即座に思い出すのはイーストウッドの『アウトロー』なのだけど、
イーストウッドも相当に顔の強い人だし。
ああいう風情の人が本作の主役であったならば、それはかなりの逸脱感があるのではないだろうか。

つまりトムの顔がちょっと端正なんだよねって
そういう感想なのか(笑)


力尽きて来たので一旦ここで投稿。
ロバート・デュバルはいいねといいつつ。

アウトロー 上 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


アウトロー 下 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社




@シネパレス渋谷
コメント (2)
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