パフューム
2006ドイツ/フランス/スペイン
監督:トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ、アンドリュー・バーキン、ベルント・アイヒンガー
ナレーション:ジョン・ハート
出演:ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ)ダスティン・ホフマン(ジュゼッペ・バルディーニ)レイチェル・ハード=ウッド(ローラ)
グロい映画は気になってしょうがない私としては、うわさにきく悪臭たちこめる18世紀パリの描写がどんだけのものか期待して観にいきました。
そのあたりは「マリー・アントワネット」でも当然描かれてなかったし。
そのあたりのグロさは主に前半に集中していましたが、まあまあ満足のいくものだったかもしれません。もうちょっとやってほしかった気もしますが、あの魚市場(ああいうのも”マルシェ”っていうんですかね?)でのあの感じはなかなかよかったと思います。
***
【ネタばれだと思います!!!!】
で、どうも香りへのオブセッションがまきおこす葛藤が描かれるかなあと思ったらさにあらず、葛藤も何もなくどんどんやっちゃう。葛藤どころかなんだかエスパー系。訓練犬以上の脅威の嗅覚ではるかかなたの人間を追跡しちゃうし、まったくどんぶり勘定で完璧な香水作っちゃうわ、しかもそれを1000種類でもOKみたいな?で結末がみんなひれ伏しちゃうばかりか「息子よ!」まで言わせちゃう?
これはほとんどグリム童話の世界だよ。すごく悪いやつだけど小さなビンを一振りするとあ~らふしぎ・・・・×××が××して××××××っちゃいました!
っていうまあ寓話なんでしょうね。しかし一昔前の映画だったらあそこで処刑されていたと思うんだよね。あそこでああなっちゃうというのは・・・今、おとぎ話復権の時代なんでしょうかしら??
ある意味、芸術至上主義という結末でもあるですね。芸術至上主義というのは非常に孤独な主義で、ほとんど自分で選択した原理というより、先天的にそういう生きかたしかできない人間が持つものだからね。ああいう出自の人間がああなるのは当然か。
にしても、それに対する世間は厳しい、という現実はまったく描かれず。これを現代の寓話とするとどういうことになるんだ?歴史のなかでは深い個性と技術をもつ芸術家なり職人が生まれたが、その深度の代償ともいえる裏面の犠牲があった。現代ではそうした暗部を排除する市民的社会原理が支配的になるとともに、芸術家や職人の持つ深度も深さを欠くようになった。それはいいことか?悪いことか?(問い投げっ)・・・ってなところなのかなあ・・・・???
孤独な人間の異様な愛の成就の物語でもあるな。おそらくは最初にパリの街角で嗅ぎ取った「あの」香りにグルヌイユは到達したのだから。これ以上言うことはないのかも。
実際はあそこで処刑されているとみるのも面白いのかもしれないな。ハンカチを振るあそこのシーンから先はグルヌイユの精神が見続けた夢で。古臭い?
****
・しかし実際そもそもああやって集めた匂いをブレンドして、天上の香りができるとは思えないよな(^^;)。でもおとぎ話的には正しいかな。美人ならいい香りか?っちゅうとそうでもないのに犠牲者は美人ばっかだし。
・最初の犠牲者となった女優さんがなかなか個性的な顔立ちでよかったなあ。名前がわからないんだよね。顔も体もばっちぐ~。
・われらがダスティン!「卒業」の、「真夜中のカーボーイ」の、「小さな巨人」の、「レニー・ブルース」の、ダスティン!ああ、こんな風に寓話の額縁におさまっちゃって・・時の流れを感じたよ;;
・この監督の「ラン・ローラ・ラン」も「ヘヴン」も未見。「ヘヴン」はキシェロフスキの遺稿を映画化したものだったよな。いま公開の「パリ・ジュテーム」にも参加してるし、旬な監督なのかなあ。この監督さん、音楽もやるんだよね。
今度「マリアの受難」もやるらしい。観たい。
・ローラ役のレイチェルは1990年生まれだそうです。
つい昨日です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock2.gif)
・脚本のアンドリュー・バーキンはジェーンの兄。
・ドイツ/フランス/スペイン製作で、舞台はフランス、言葉は英語
う~~む・・・・
・そうそう、ジョン・ハートのナレーション、ほとんど不要だったのでは?
画面みていれば伝わることも解説しちゃっていたように思ったな~
好き度:![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heartss_pink.gif)
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2006ドイツ/フランス/スペイン
監督:トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ、アンドリュー・バーキン、ベルント・アイヒンガー
ナレーション:ジョン・ハート
出演:ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ)ダスティン・ホフマン(ジュゼッペ・バルディーニ)レイチェル・ハード=ウッド(ローラ)
グロい映画は気になってしょうがない私としては、うわさにきく悪臭たちこめる18世紀パリの描写がどんだけのものか期待して観にいきました。
そのあたりは「マリー・アントワネット」でも当然描かれてなかったし。
そのあたりのグロさは主に前半に集中していましたが、まあまあ満足のいくものだったかもしれません。もうちょっとやってほしかった気もしますが、あの魚市場(ああいうのも”マルシェ”っていうんですかね?)でのあの感じはなかなかよかったと思います。
***
【ネタばれだと思います!!!!】
で、どうも香りへのオブセッションがまきおこす葛藤が描かれるかなあと思ったらさにあらず、葛藤も何もなくどんどんやっちゃう。葛藤どころかなんだかエスパー系。訓練犬以上の脅威の嗅覚ではるかかなたの人間を追跡しちゃうし、まったくどんぶり勘定で完璧な香水作っちゃうわ、しかもそれを1000種類でもOKみたいな?で結末がみんなひれ伏しちゃうばかりか「息子よ!」まで言わせちゃう?
これはほとんどグリム童話の世界だよ。すごく悪いやつだけど小さなビンを一振りするとあ~らふしぎ・・・・×××が××して××××××っちゃいました!
っていうまあ寓話なんでしょうね。しかし一昔前の映画だったらあそこで処刑されていたと思うんだよね。あそこでああなっちゃうというのは・・・今、おとぎ話復権の時代なんでしょうかしら??
ある意味、芸術至上主義という結末でもあるですね。芸術至上主義というのは非常に孤独な主義で、ほとんど自分で選択した原理というより、先天的にそういう生きかたしかできない人間が持つものだからね。ああいう出自の人間がああなるのは当然か。
にしても、それに対する世間は厳しい、という現実はまったく描かれず。これを現代の寓話とするとどういうことになるんだ?歴史のなかでは深い個性と技術をもつ芸術家なり職人が生まれたが、その深度の代償ともいえる裏面の犠牲があった。現代ではそうした暗部を排除する市民的社会原理が支配的になるとともに、芸術家や職人の持つ深度も深さを欠くようになった。それはいいことか?悪いことか?(問い投げっ)・・・ってなところなのかなあ・・・・???
孤独な人間の異様な愛の成就の物語でもあるな。おそらくは最初にパリの街角で嗅ぎ取った「あの」香りにグルヌイユは到達したのだから。これ以上言うことはないのかも。
実際はあそこで処刑されているとみるのも面白いのかもしれないな。ハンカチを振るあそこのシーンから先はグルヌイユの精神が見続けた夢で。古臭い?
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・しかし実際そもそもああやって集めた匂いをブレンドして、天上の香りができるとは思えないよな(^^;)。でもおとぎ話的には正しいかな。美人ならいい香りか?っちゅうとそうでもないのに犠牲者は美人ばっかだし。
・最初の犠牲者となった女優さんがなかなか個性的な顔立ちでよかったなあ。名前がわからないんだよね。顔も体もばっちぐ~。
・われらがダスティン!「卒業」の、「真夜中のカーボーイ」の、「小さな巨人」の、「レニー・ブルース」の、ダスティン!ああ、こんな風に寓話の額縁におさまっちゃって・・時の流れを感じたよ;;
・この監督の「ラン・ローラ・ラン」も「ヘヴン」も未見。「ヘヴン」はキシェロフスキの遺稿を映画化したものだったよな。いま公開の「パリ・ジュテーム」にも参加してるし、旬な監督なのかなあ。この監督さん、音楽もやるんだよね。
今度「マリアの受難」もやるらしい。観たい。
・ローラ役のレイチェルは1990年生まれだそうです。
つい昨日です。
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・脚本のアンドリュー・バーキンはジェーンの兄。
・ドイツ/フランス/スペイン製作で、舞台はフランス、言葉は英語
う~~む・・・・
・そうそう、ジョン・ハートのナレーション、ほとんど不要だったのでは?
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