イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

われわれの存在意義とは

2009年11月18日 14時24分41秒 | ちょっとオモロイ
今日、われわれが応援するチーム、すなわちサッカーの日本代表が、香港代表と対戦する(もちろん香港のファンにとっては、香港代表が「われわれ」のチームである)。つまり言ってみれば、今日の試合は「われわれ」対「われわれ」の試合なのである。

われわれサッカーファンは、われわれの日本代表がわれわれファンの期待に応えるべく、われわれが求めている真の日本代表らしい試合をわれわれに見せてくれるかどうかが、とても気になるわけである。腹筋がワレワレの日本人離れした身体能力を持つ本田が、われわれが以前のようなキレキレのプレーを見せてくれることを期待している中村俊輔と上手く融合できるのか、そのあたりはわれわれファンの間でも意見がわれわれになっているところでもあるが、そのあたりもふくめてわれわれはとても楽しみにしているのである。しかしながら、われわれが驚いたことに、われわれ日本のテレビ局はこの試合を中継してくれないのである。われわれは新聞のテレビ欄を眺めては中継がないことに気づいてあれあれとつぶやき、やれやれと肩を落としたのである。代表の試合がテレビ中継されないなんて、かれこれどれくらいぶりのことなのか、われわれとしても記憶が定かでないくらいなのであるが、ともかくスポーツナビのサイトにキム、岡田両監督のインタビュー記事が掲載されていたので、われわれはこの記事を取り上げることにする。

=====以下、同サイトから一部転載=================

――キム監督、明日はディフェンシブにいくのか?(香港記者)

キム監督 今回の予選でわれわれの目指すものは、香港サッカーの発展だ。もちろん、先の対戦では日本はわれわれより大きく上回っていた。われわれは組織でもフィジカルでもメンタルでも大きな問題があった。今回はもちろんただディフェンシブにいくというわけではない。われわれはフットボールをする。そのためには攻撃することが必要。それがこのゲームでの目標だ。

――今回は香港よりも日本のサポーターのほうが多いようだが?(香港記者)

キム監督 この試合では6000~7000枚のチケットを日本のファンが購入したと聞いている。だが、今回はわれわれのホームゲームなので、ぜひとも7000人以上の香港サポーターに来てもらいたい。ぜひ会場に訪れて、われわれに力を与えてほしい。

――岡田監督、キム監督は「韓国では国家のために死ぬ気で戦うが、香港はそうではない。明日は死ぬ気で戦え」と言ったそうだが、あなたは選手に何か言ったのか?(香港記者)

岡田監督 先ほどの通訳で少し抜けていたんですけど、わたしは明日の試合はそんなに簡単ではないと(言いました)。香港は素晴らしいモチベーションで臨んでくるということは分かっています。ただそれは、われわれにとっても素晴らしいことで、われわれも高いモチベーションで臨まないといけないと思っています。われわれは当然この公式戦に勝たないといけない。それとともに、われわれの大きな目標に向かってのモチベーションを、選手たちには強く要求している。明日のミーティングではそういう話をする予定です。

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インタビュー記事のなかに「われわれ」があまりに多すぎるので、われわれは「われわれ」という文字がなんだか意味不明の記号のように感じられてしまい、われを失ってしまいそうになるのであるが、そこはわれわれサッカーファンも「われわれ」に対してディフェンシブになりすぎることなく、高いモチベーションを維持し、おのおのがフィジカルとメンタルとパスの精度を高め、かつ組織的に「われわれ」に対抗することで、われわれの力としたいところなのである。

というわけで、今日われわれは、われわれ対われわれの試合をワレワレじゃなくてハラハラしながらテレビ観戦したかったのだが、われわれの熱い気持ちにテレビ局が答えてくれなかったので、われわれはしかたなく有料のネット中継をみるなり、Youtubeにだれそれが試合映像をアップしてくれるのを期待したり、翌日にまたスポーツナビのサイトを開いて活字観戦するしかないのである。ちなみに、われわれ岡田監督、そして香港ファンにとってのわれわれキム監督が、試合後のインタビュー記事のなかでいったい何回「われわれ」と言ってくれるのか、そのあたりもわれわれ「われわれファン」としてはとても楽しみにするところなのである。

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