昨日の夜9時。ふと思い立ち、ウォーキングを兼ねて久々に「イワシる」ことにした(つまり、ブックオフに行った)。片道4キロほどの、夜のピクニックだ。
人気の少ない多摩湖自転車道を行く。右足と左足を交互に前に出し、闇のなかを進む(余談だけど、人の目があまりないのをいいことに、右手と右足、左手と左足を同時に前に出す、「ナンバ歩き」をやってみる。歩けないことはないけど、楽ではない。昔の人は、本当にこんな歩き方をしていたのだろうか?)。
歩くことは心地よい。まとまった距離を歩くと、気持ちも前向きになれるし、体に心地よい疲れを感じる。自分でも「おっ」と思うような、いいアイデアが1つか2つ、自然と湧いてくる。
黄色い看板が見えてきた。平素は自他ともに認める常識人間、まとも人間であるクラーク・ケントのような私が、古本超人、無苦小富夫(ブクオフオ)に変身するときだ。店に一歩足を踏み入れると、自分のなかでスイッチが入るのがわかる。ブックハンターに豹変してしまうのだ。
『夜間飛行』サン・テグジュペリ/堀口大學訳
『人間の土地』サン・テグジュペリ/堀口大學訳
『闇よ、我が手を取りたまえ』デニス・ルヘイン/鎌田三平訳
『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・テイプトリー・ジュニア/朝倉久志訳
『もしもし』ニコルソン・ベイカー/岸本佐知子訳
『ウルトラマリン』レイモンド・カーバー/村上春樹訳
『夏服を着た女たち』アーウィン・ショー/常盤新平訳
『松田聖子と中森明菜』中川右介
『天使に見捨てられた夜』桐野夏生
『ひきこもれーひとりの時間をもつということ』吉本隆明
『醍醐の桜』水上勉
『The Dilbert Principle』Scott Adams
など、20冊
歩くことでいい具合に脳が冴え、嗅覚が鋭くなっていたようだ。今日は、いい本がたくさん見つかった。なんだろう、この豪華な布陣、この充実感は。日本翻訳史におけるヒクソン・グレイシーこと堀口大學、饒舌なニコルソン・ベイカー(いつもながらここまで「日本語になっている」訳にはめったにお目にかかれないと思わせてくれる、岸本さんの訳)。吉本隆明は風呂で一気読みした。さっそくいくつか読んでみたレイモンド・カーバーの詩が、ものすごくいい。桐野夏生はトイレに格納した。
本を読みたい、本が面白いと感じるときは、自分の調子もよいときなのだ。面白い本にたくさん出会い、楽しんで読める自分であるために、毎日をきちんと生きていきたいものだ。本という天使に、見捨てられないようにするために。
人気の少ない多摩湖自転車道を行く。右足と左足を交互に前に出し、闇のなかを進む(余談だけど、人の目があまりないのをいいことに、右手と右足、左手と左足を同時に前に出す、「ナンバ歩き」をやってみる。歩けないことはないけど、楽ではない。昔の人は、本当にこんな歩き方をしていたのだろうか?)。
歩くことは心地よい。まとまった距離を歩くと、気持ちも前向きになれるし、体に心地よい疲れを感じる。自分でも「おっ」と思うような、いいアイデアが1つか2つ、自然と湧いてくる。
黄色い看板が見えてきた。平素は自他ともに認める常識人間、まとも人間であるクラーク・ケントのような私が、古本超人、無苦小富夫(ブクオフオ)に変身するときだ。店に一歩足を踏み入れると、自分のなかでスイッチが入るのがわかる。ブックハンターに豹変してしまうのだ。
『夜間飛行』サン・テグジュペリ/堀口大學訳
『人間の土地』サン・テグジュペリ/堀口大學訳
『闇よ、我が手を取りたまえ』デニス・ルヘイン/鎌田三平訳
『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・テイプトリー・ジュニア/朝倉久志訳
『もしもし』ニコルソン・ベイカー/岸本佐知子訳
『ウルトラマリン』レイモンド・カーバー/村上春樹訳
『夏服を着た女たち』アーウィン・ショー/常盤新平訳
『松田聖子と中森明菜』中川右介
『天使に見捨てられた夜』桐野夏生
『ひきこもれーひとりの時間をもつということ』吉本隆明
『醍醐の桜』水上勉
『The Dilbert Principle』Scott Adams
など、20冊
歩くことでいい具合に脳が冴え、嗅覚が鋭くなっていたようだ。今日は、いい本がたくさん見つかった。なんだろう、この豪華な布陣、この充実感は。日本翻訳史におけるヒクソン・グレイシーこと堀口大學、饒舌なニコルソン・ベイカー(いつもながらここまで「日本語になっている」訳にはめったにお目にかかれないと思わせてくれる、岸本さんの訳)。吉本隆明は風呂で一気読みした。さっそくいくつか読んでみたレイモンド・カーバーの詩が、ものすごくいい。桐野夏生はトイレに格納した。
本を読みたい、本が面白いと感じるときは、自分の調子もよいときなのだ。面白い本にたくさん出会い、楽しんで読める自分であるために、毎日をきちんと生きていきたいものだ。本という天使に、見捨てられないようにするために。