goo blog サービス終了のお知らせ 

杉村太蔵君へ、夕張市再生プロジェクトチーム座長就任 おめでとう、派手に行動しなさい!

2006年12月23日 12時43分52秒 | 政治
◆自民党の武部勤・前幹事長と無派閥の新人議員らのグループ「新しい風」が12月22日の初の総会で、財政破綻した北海道夕張市の再生を目指すプロジェクトチームを発足させることを決めた、と読売新聞が23日朝刊「政治面」(4面)で報じている。
地方自治体の財政破綻というテーマは、夕張市に限らず、最近では熱海市でも「財政危機宣言」をして物議を醸すなど、いまや「他人事」あるいは「対岸の火事」と言って呑気に構えていられるような問題ではなくなってきている。
◆私は、昭和57年4月から毎日新聞経済部記者として当時の通産省の記者クラブ、通称「虎ノ門クラブ」に配置され、三井の北炭夕張の閉山問題を取材し始めて以来、この地域の産業振興政策をウォッチしてきた。炭鉱住宅(略称・炭住)を追い出されて、東京都小平市のメーカーの社員寮に夫婦住み込みで管理人として採用された人も取材した。炭鉱、事故の悲惨さは言葉では言い表せないほどだが、それでも仲間たちがお互いに思いやって暮らす炭住生活が、いかに楽しかったかなどといった話に耳を傾けた。あれから二十数年という時間が経過したけれど、あの夫婦はその後、どうなったか、いまでも気がかりである。
夕張市では、「夕張メロン」がブランド化したり、テーマパークが建設されたりして、「炭鉱の町」から「観光の町」へと変化し、一時は盛況だった。だが、それも束の間、企業で言えば事実上の倒産をしたと聞いて以来、暗い気持ちが続いている。
◆こういうときに、田中角栄元首相だったら、どういう「名案」を思いつくだろうかと考えていた。昭和40年の証券大不況の際、危機に陥っていた山一證券に対して、当時の田中角栄蔵相は、「日銀特別融資」というだれも思いもよらなかった妙策を思いつき、ピンチを救い、世間をアッと言わせたのである。国会議員レベルでだれが一番先に手を挙げるか、「妙策」を引っさげて、現地に乗り込む政治家が現れないものかと注視していたが、それこそ安倍首相が動いていれば内閣支持率を回復するキッカケを掴むことができたかも知れない。しかし動こうとはしなかった。
そこに自民党の武部勤・前幹事長と無派閥の新人議員らのグループ「新しい風」が、北海道夕張市の再生を目指すプロジェクトチームを発足させ、名乗りを上げたのである。何と、北海道出身の杉村太蔵衆議院議員がプロジェクトチームの座長に就任したという。この人事に対して、早速、武部派内で異論と不満の声が上がったというが、全国的な知名度では、杉村氏の右に出る者はいない。
◆テレビ朝日の「やじうまプラス」でコメンテイターが、「(魂胆は)見え透いている」とせせら笑いしながら批判していた。杉村氏が「衆議院北海道1区」への鞍替えを狙っているので、「売名行為だ」と言いたかったようだ。
しかし、この際、動機や思惑は、どうでもよい。所詮、政治家の行動の大半は、「売名」のためのパフォーマンスなのだから、気にする必要はない。夕張市再生の第一歩は、この問題の本質を政府をはじめ国民の多くが知るところから始まる。この意味で全国的に知名度の高い杉村氏が座長に就任したということに意味があるのだ。
マスコミ各社は、こぞって杉村氏の動きを追い始めるはずである。夕張市に対して、全国各地から目を向けられるだろう。政府も放置できなくなる。「杉村効果」は、抜群のなである。国会議員にとって、政策テーマは「早いもの勝ち」なのである。二番手には、テレビカメラのフォーカスは向けられない。この点で、安倍首相も遅れを取った。民主党も同様である。そこで杉村氏に一言、アドバイス。
「太蔵君、お父さんの教え通り、思う存分、派手に行動しなさい」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする