漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「霍カク」 <にわか・はやい> と 「癨カク」

2019年03月13日 | 漢字の音符
 カク・にわか・はやい  雨部

解字 甲骨文字第1字は「雨(あめ)+隹(とり)」、第2字は雨の下に隹を3つにしたかたち。にわか雨で隹が慌てて飛び去るさま[甲骨文字辞典]。金文は隹3つ、篆文は隹2つのかたちであり、甲骨文からの流れをみると、隹の群れがにわか雨で飛び立つさまを表したと思われる。現代字は隹が一つになった霍カク(会意)になり、甲骨文字第1字と同じかたち。
意味 (1)にわか(霍か)・はやい(霍い)・すみやか。状態が急に変化するさま。「霍然カクゼン」(にわかに。はやいさま)「霍閃カクセン」(いなずま。いなびかり)「霍霍カクカク」(①ぴかぴかとひらめくさま。②わっわっと叫ぶさま)「霍公鳥ほととぎす」とは、ホトトギス科の鳥。 =杜鵑トケン(ほととぎす)
(2)癨カクに通じた意味。「霍乱カクラン」(①夏の急性の病気。②急におそう日射病)「鬼の霍乱」(普段はとても丈夫な人が、珍しく病気になることのたとえ)

イメージ 
 「にわか」
(霍・癨)
音の変化 カク:霍・癨

にわか
 カク  疒部
解字 「疒(やまい)+霍(にわか)」の会意形声。にわかに起こる病い。
意味 急におこる病気。急性の下痢。「癨乱カクラン」(炎暑のころ暑さに当たってはげしく吐く病気の総称)


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