イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

「虎屋のお雛様」展へ

2012-03-04 16:08:38 | ファッション


去る3月3日上巳の節供(句)、雛祭りにちなみ、
根津美術館にて開催中の「虎やのお雛様」へ、生徒さんも誘って参りました。

虎屋14代目店主が明治30年に生まれた愛娘のために調えた雛飾りを展示。
とっても品のある京雛でした。
調度品は池之端の七澤屋製で、蒔絵と螺鈿装飾にうっとり。
一緒に行った生徒さんらと「カワイイ~!」を連発しながら鑑賞しました。

そして、「雛祭りのお菓子」講演会も聴講しました。

講演会は満席で、美術館でもめずらしいそう。
お雛様って惹き付ける要素が大きいのでしょうか?それともお菓子につられて?

和菓子というと、季節感を感じる色とかたち、自然素材であることなどが思い浮かびます。
しかし、節供という言葉にあるように、
「お供え物」としてみると、また別の世界観があります。

たとえば、お雛様といえば『菱餅』がありますが、
陰陽道の観点でみると、菱形は大地を象り、女性(陰)を意味する。
端午の節供のちまきは、丸で天を象り、男子(陽)を意味する。

菱餅は、江戸時代には「青(緑)」と白の組み合わせで、
ピンクが加わるのはもっとあとのこと。

お正月の花びら餅は、子孫繁栄を願いますが、
どうりで丸に菱があわさっているわけですね。
(今は菱を省いているものが多いけれど)
お正月の鏡餅の上に菱餅を置く地域もあるそうです。

また、地域によって、特徴があり、関西の方が関東より色が鮮やかな傾向があるよう。
お菓子の世界も深いですね~。

これからは、ただ「きれいね」と言って食べるだけでなく、
意味もよく知っていきたいです。

伝統的な風習が薄れていく中、
本来の意味にたちかえって、節目を過ごして行きたいものです。