イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

光、色と形

2009-10-09 23:21:18 | 色彩
国立新美術館主催、日本色彩学会共催の講演イベント
「光、色とかたち」
へ出席しました。

国立新美術館では、
「光」というタイトルで、
松本陽子/野口里佳の二人展が行われており、
松本陽子さんも講演者のお一人でした。

イベント前に、彼女の展示を観ました。
アクリルで、ピンクを主体のものと、緑を主体とした抽象画です。

ピンクとグリーンの世界の圧倒的な対比に驚きました。
ピンクは、主に白や紫と組み合わせて描かれています。
どれも空気感というか、
雲のような、霧のような、幻想的かつ生命力のある作品。

グリーンはまた全然違う世界。
なんというか、重さ、そして暗さ、湿度、、、
のようなものを感じました。

とくに、「光は地平に輝いている」という作品は、
湖に映り込む森林のイメージで、迫力があります。
後の講演で、ご本人も、
「グリーンは自分としてもかなり満足」
とおっしゃうるだけあります。

松本氏は、
「デッサンは勉強して描けるようになるけれど、
色だけは教えられるものではない。
これは、生まれる以前からもっている、才能としかいいようがない。」
とおっしゃいます。

私は、画家をはじめ、アーティストのように、
内部から発するものを形にできる創造的な人たちを、
心底うらやましく、また、尊敬しています。

色彩学会重鎮の、元芸大教授・小町谷朝生先生も講演者の一人でした。
司会から松本さんの作品の感想を求められ、
「ピンクは、他の人でも描けるかもしれないが、
グリーンはこの人でなければ描けないと思う。
今まで見た事のない緑の表現を見させてもらった」
とのコメントでした。

辛口の先生もが感嘆するグリーンの使い手、松本陽子さん。

もともとはピンクを描いた絵がなかなかないので、
ご自身でチャレンジされたとか。
しかし、長い間ピンクを描いてきて、違う色を求めた先が、グリーン。

ピンク(赤)からグリーン(緑)へ。
色彩学では、赤と緑は補色であるから、
ある意味自然の成行き?とも思えますが、
本日どなたもそのようなことはおっしゃらなかったので、
私の浅い知識からの連想で留めるしかなさそうです。

「光」松本陽子/野口里佳 10月19日まで
(国立新美術館)http:/www.nact.jp